ブレードランナー

ブレードランナー(1982)

ビデオをレンタル。「ダークシティ」とよく比較されるので参考のために見た。当時としては斬新な映像、内容だと思う。近未来だけど町の住人は白人、黒人、アジア人が入りまじって、日本の終戦直後みたいな雰囲気。通りには人があふれ、屋台から湯気が立ち上る。しょっちゅう雨が降っていて、太陽は顔を出したとしても夕暮れか夜明けみたいな弱い光しか放たない。つまり降っているのは酸性雨(ここらへんは「エスケープ・フロム・L.A.」を思い出す)、太陽をさえぎっているのはスモッグってことなんだろう。ほとんどセットの中で、自然はまるでなし。ずいぶんお金をかけているなあという感じ。大きな広告塔には日本人女性がうつり、意味不明の・・ただ日本語が書いてあるってだけの看板がぶら下がっているのには苦笑してしまう。アメリカ人には読めないから違和感はないんだろうが、人種のるつぼ感を出すための安っぽい手段だと思う。字が書いてありゃいいってもんじゃないでしょ。聞こえてくるのは英語に中国語に日本語・・他にもあるんだろうけど、とにかく何もかもごちゃまぜで、ごった返している。かと思えば忘れ去られたような大きな建物もいっぱいある。ブレードランナーである主人公が、反乱を起こしたレプリカント達を追うというストーリーだけど、レプリカントが簡単にやられちゃうから拍子抜けしてしまう。黒人の刑事は何もしないし。ダリル・ハンナはこの作品から20年近くたつけど、最近見た「ブラボー火星人」では若々しかったな・・と思い出す。ショーン・ヤングも大変な美人だ。ラストは意外にも大甘のハッピーエンド。伏線はあったけど、あれじゃああの混沌とした都市はいったい何だったのよ・・と言いたくなる。郊外にはまだ十分自然があってこと?私なら映像で見せないで、画面を真っ暗にして主人公のセリフだけを短く入れる。あんなラブストーリー風なラストシーンは興ざめだ。・・これを書いたのは20年以上前。NHKBSで数年前放映したのをやっと見たけど、ラストが違う。あっちは緑の中をドライブしていたと記憶しているが、こっちはなし。こっちの方がいい。続けてドキュメンタリーも見たけど、ディックの原作の映画化権をどうのというところでブライアン・ケリーの名前が出てきたのにはびっくりした。「わんぱくフリッパー」のお父さん役の人。「海底世界一周」にも出ている。

ブレードランナー2049

「ブレードランナー」の続編が作られるなんて思ってもいなかった。と言っても私は別に前作のファンではない。あの世界にはまっている人は多いようだが、私はさほど・・。ライアン・ゴズリングが出ているから見ただけ。映像は・・すばらしいのだろう。何だか暗いシーンが多く、何がうつっているのかよくわからないのだが。出てくる人が人間なのかレプリカントなのかもよくわからない。ロス警察のK(ゴズリング)が家に帰ると、ホログラムのジョイ(アナ・デ・アルマス)がいる。レプリカントにもこういう・・出迎えてくれる人、話し相手が必要なのか。じゃあ女性のレプリカントには男性のホログラムが用意されているのか?ジョイの美しさ、けなげさには心打たれるが、男に都合のいいように作られているのは確か。ひんぱんに服が変わったりするのは鬱陶しい。途中でKは自分が人間・・デッカード(ハリソン・フォード)・・とレプリカント・・レイチェル(ショーン・ヤング)の間に生まれた子供なのではと思ったりする。だからそうじゃなかったとわかった時には落胆する。今回少し調べてみて、デッカードは実はレプリカントとあったのにはびっくりした。エイリアンなんかと同じで、壮大な年代記が考えられているのだろう。私は単純にKがかわいそうでしたけど。2022年に大停電があって、多くのデータやファイルが消失し、残ったのは紙の記録のみというのが興味深かった。たぶん世界中を大停電にしたのはスネーク・プリスキンだろう!!彼はスイッチ押すのためらわない!!・・って何を興奮してる。それにしてもこの映画スローテンポだ。さぞかし多くの人が途中で眠り込んだだろう。フォードが出てきてもちっともワクワクしない。ワクワクさせるには彼は年を取りすぎ。それにいきなりKに殴りかかるしこのボケジジイめ。ちょっとびっくりしたのは、今回で完結せず、次に続きそうなこと。それとKは・・ラストで死んじゃうの?何だかあいまいな描写だなあと思ったけど、死ぬと書いてる人がいてびっくりした。その前のラヴとの死闘が凄まじくて。いや、正確に言うとラヴの形相がね。あたしゃラヴは人間だと思ってたもんで。人間なら死んだらそれっきりだから生き延びようとあんな形相もするでしょ。演じているシルヴィア・フークスは「鑑定士と顔のない依頼人」に出ていたらしい。他にジャレッド・レト、ロビン・ライト。ゴズリングはホントよかったどす。