ランゴリアーズ

ランゴリアーズ

小説の映画化はたくさんあるけど、これほど原作に忠実なのは珍しいのではないか。したがって3時間もあり、もちろんテレビムービー。そしてもちろん細部まで映像化したからスピード感に欠ける。劇場用だったらあっちもこっちもカットして時間を半分にしただろう。原作のある映画を見る度に何であれをカットするんだよーと不満に思うが、全部残すとこうなるといういい見本。でも見ていて楽しいけどねこういう「まんま」映画は。そりゃまあ少しは変えてある。ニックにはメガネをかけて欲しかった。ニックは儲け役で、演じているマーク・リンゼイ・チャップマンもいい。でもどこか西部劇に出てくるガンマン風。女王陛下の工作員という感じはしない。やっぱ金髪でメガネのモロイギリス人(に見える)ダニエル・クレイグにやらせたかった。機長ブライアンはデヴィッド・モース。10年前だからまだ若い。ブライアンもショーン・ビーンにやらせてみたい(絶対似合うぞ!)。作家スミス役はディーン・ストックウェル。私は兄貴のガイ・ストックウェルのファンだったんだけど、もう死んじゃった(涙)。ディーンを知ったのはテレビムービーの「コンピューター殺人事件」。まだやせていて、若いのに髪が危なくなっていて・・。今は少し太めで、時々見かけるけど情けない役が多い。今回は謎解き役。ギャフニー役は「レッド・ドラゴン」などのフランキー・フェイソン。盲目の少女ダイナ役ケイト・メイバリーが心に残る。原作ではそうなっていても、テレビや映画にする時にはちょっと和らげるものだが、何しろ原作通りなので見ているのが辛い。ニックもダイナも死んでしまう。どっちか一人は原作を変更して助けて欲しかったが、作者S・キングが目を光らせていたのかな。ちなみにちゃっかり出演もしてますよ。さて少しくらいちんたらしていても許せるけど、あのCGのお粗末さには呆れたな。ランゴリアーズはまあがまんしましょうよ。原作読んでいても全くイメージできないものを映像化してくれたんだから、あれはあれで受け入れられる。でも飛行機くらい実物頼んまっせ。「とたんにアニメ!」になるのはかんべんしてよ。予算ないのバレバレ。あれで飛行シーンがしっかりしていたらなかなか見ごたえのある作品になったと思うよ。それとラストもお気楽すぎ。どうやって言い訳するのかな(乗客の消失、ダイナの遺体)。