ランダム・ハーツ
この映画は、私が再び映画を見始めた頃、テレビで盛んに紹介していた。飛行機が墜落する。ダッチ(ハリソン・フォード)は妻ペイトンを、ケイ(クリスティン・スコット・トーマス)は夫カレン(ピーター・コヨーテ)をなくす。死んだのはもちろんショックだったが、ペイトンとカレンが不倫をしていたことはもっとショックだった。ケイは感じやすい年頃の娘ジュリーがいるし、父のあとを継いで下院議員をやっていて、再び出馬しようかというところ。スキャンダルは困る。ところがダッチはケイの迷惑などおかまいなし。しつこくつきまとう。彼は刑事で、内部捜査を担当。人を疑うのが仕事だし、どんなウソも見抜けると自負していた。でも妻のウソには全く気づかず、それがショックで・・。それにしてもダッチのキャラに何の魅力も感じられないのはどうしたことか。あまりにも自分勝手だし、無神経。ケイは自分の心を偽っている。ダッチはそのことを気づかせる。二人はお互いに引かれ合っている。二人は自分に正直にならなければならない。だから二人は結ばれて当然なのだ。・・そういうふうに持っていきたいのだろう。ペイトンとカレンが結ばれたのも同じ流れだったと思うが・・。元々は132分あるらしい。「午後のロードショー」でやったので、30~40分はカットされてることになる。ダッチの仕事も、墜落事故の原因もその中にはあったのか。そういう短縮版で見てさえぐだぐだもたもた。特に後半は迷走状態。フォードがうつる度に腐敗臭が漂う。何でもっと若くて感情移入できる人を持ってこなかったのか。トーマスは消臭剤か芳香剤。すっきりしていてすがすがしい。彼女がいなかったらどうなっていたか。キャストは何で?と言うくらい豪華。ディラン・ベイカー、リチャード・ジェンキンス、チャールズ・S・ダットン、デニス・ヘイバート、シドニー・ポラック。ポラックは監督もやってる。個人的にはダッチがペイトンの職場を訪ねるシーンが印象に残った。同僚達はペイトンの浮気を知っていたのか?結束してペイトンの味方をするのか?それとも真実を話すのか?一人全然空気を読めないのがいて、緊張が走る。ここだけはえらくスリリングだった。