VETERAN ヴェテラン リベンジ

VETERAN ヴェテラン リベンジ

てっきり続編かと思ったら違った。設定はよく似ているけど。スティーン・ラングの名前が出てこないのでおかしいとは思ったのよ。この映画見る気になったのは彼が出ていると思ってたから。まあ・・前作では仲間があらかた死んじゃって、ラングと若いのと二人しか生き残っていなかったから、どうやって話作るんだ?と不思議に思ってた。別の映画ならそんなの問題じゃないけど、画面が暗いのだけはかんべんしてくれって思った。だってあっちはほとんど全編にわたって暗くて、何が何だかさっぱりだったんだもの。冒頭、空爆が迫る中、人質はどこだと拷問している男。とうとう撃ち殺したけど、相手は自分自身だった。そんな悪夢やフラッシュバックに悩まされている元軍人のバートン。オープニングクレジットを見てびっくり。ニック・モラン、リー・メジャース、パッツィ・ケンジット、ステファニー・ビーチャム、マイケル・パレ、ダニー・トレホ。何なんですかこの豪華なキャスト。信じられな~い!モランが出ているなら、ラングが出てなくても全然オッケーよ。「犯罪潜入捜査官」を見て彼のファンになったけど、なかなかお目にかかれなくて。「ヤング・ブラッド」くらい。ずいぶん久しぶり。でも大して太ってもいないし、ヒゲはあるけどまあいでしょ。バートンはホームレスのような状態。親切に声をかけてくれたのがカーヴァー少佐。”元”だろうけど。実は私カーヴァーやってるのがメジャースだとは気づかなくて。いつ出てくるのかと思ってたら映画終わっちゃって。エンドクレジットでやっとわかったわけですの。そりゃあねえ・・年取ってるのはわかってたけど、ここまで老けてるとはねえ。ちょっとマイケル・ケインっぽくて、パトリック・マクグーハンにも似てる。立ってる時はいいけど、座るとおなかの肉がでろんとはみ出す。もう80超えているのねえ。このカーヴァーはバートンの父の戦友で、娘のジュディは地区議員をやってる。このジュディがケンジット。「21」からは何十年たつんだ?当然のことながらキュートでピチピチした小悪魔はどこへやら、シワの目立つオバサンに。

VETERAN ヴェテラン リベンジ2

いいんです、いいんです、人のことは言えない。50半ばでピチピチしてたらかえっておかしい。さて、戦争へ行った者は多かれ少なかれ悩みを抱えている。ペックは自分の店を退役軍人の集会の場として提供している。カーヴァーの他にハリス、ウッディ。たいてい四人で悩みを吐き出し合う。この四人に比べるとバートンは息子世代。ペック役はイアン・オギルビー。若く見えるが80近い。アイパッチをしているウッディ役がビリー・マーレイ。ロバート・デ・ニーロによく似ている。この人は80超えてるようだ。ハリス役の人は深みのある声が印象的。カーヴァーのおかげでバートンは寝泊まりする部屋も得たし、久しぶりにさっぱりと身も整えることができた。自分を苦しめる過去の記憶を吐き出すこともできた。ところが恩人のカーヴァーが殺されてしまう。この街には新しいギャング組織がのしてきている。麻薬に売春。前からいるギャング連中も何もできずにいる。ジュディは警察に掛け合ったけど、何もしてくれなかった。直後からいやがらせや脅しを受けている。カーヴァーはそれを何とかしようと単身乗り込んだが、理屈の通じる相手じゃない。組織のボスはゴーレム。演じているルイス・マンディロアは知らない人だが、若い頃の写真を見ると驚くほどハンサムだ。ゴーレムには三人の部下がいる。犯人も動機もわかったので、バートンは自分達で行動を起こすことにする。警察には頼らない。自分達が持っている武器を寄せ集め、サンチェスから情報を仕入れる。サンチェス役はダニー・トレホ。今回は情報流すだけで計画には加わらない。トレホも80近い。髪は相変わらず黒々としているが。サンチェスが計画に加わるのは次回作でか。その後あれこれあるのだが、元最強兵士とは言え”敬老会”なので、何事ものんびりしている。ビールを飲んでいることが多く、途中でトイレに行きたくなったらどうすんの・・と思ったが、誰も行かなかったな。スマホの操作などはできるが、体の動きは鈍い。計画もざっぱで出たとこ勝負。ただ、度胸はあるのでそれで何とかなってしまう。彼らにとって幸運だったのは、相手もノータリン揃いだったこと。

VETERAN ヴェテラン リベンジ3

最終的にはペックが足を撃たれたくらいで、全員命に別状はなし。そこがラング版と違う。さて、三人にくらべればバートンは若い。相変わらず悪夢は見るが、今やってることは自分が一番得意なことなので、自然と笑顔になってしまい、ハリスに不審がられたりする。自分を苦しめているものが、一方では自分が今生きていると感じさせてくれるものでもあるという皮肉さ。そこはよかったと思う。一時ジュディが人質に取られたりするが、それもどうってことなくて、バートンは敵を倒す。格闘シーンはジジイ達には無理なので、モランが担当。悪事を証明する元帳も手に入れた。警察側はムーア警部とその相棒が出てくるが、ほとんど何もしていない。ムーアはオリンピックの100メートル競走に出てきそうな感じ。長い黒髪をなびかせて走るトリニダード・トバゴあたりの美人選手。目や口が大きくて人形みたいなインパクトのある顔立ち。このムーアの元恋人ドノヴァン役がパレ。ちょっとしか出てこないが、電話をかけてきたムーアを食事に誘うなど、よりを戻したい気ありあり。若いムーアを口説いても違和感ないのはさすがパレ。60過ぎてるとは言え、まわりが80近い人ばっかですからね、若く見える。そうそう、ビーチャムもムーアの上司役で出てくるけど、いきなり画面に大写しになった時にはびっくりさせられ。ホラー映画が始まったぞ「妖精たちの森」でマーロン・ブランドと共演し、「ドラキュラ’72」にも出ていた。「謎の円盤UFO」にも。50年以上たってるのだからいくら美女でもホラー映画になって当然。むしろまだ元気で映画に出ていることを喜びたい。ラスト近くでパーマーという男性が四人をスカウトに来る。これがハリー・パーマーで、演じているのがマイケル・ケインだったらしゃれているが、別にそういうわけでもないのかな。全体的に次回作作る気満々で、と言うか満々すぎて見ているこっちは苦笑するしかない。今回あまり活躍しなかったパレやトレホをもっと出してきて、今回全然なかったロマンスを咲かせて。今のところ作られた様子はないけど・・早く作らないとみんなあの世へ行っちゃうぞ。と言うわけで、内容は大したことないんだけど、楽しめた。暗くて見えないところもほとんどなかったし(今の映画じゃ珍しいことなのだ)。