大鴉
霧の夜、交通事故、手の施しようがない頭のケガ、そうだヴォリン博士(ベラ・ルゴシ)に連絡しろ、彼なら何とかしてくれる。でもヴォリンはあっさり断る。そこを何とか・・愛する娘ジーンを助けたくてじかに押しかけるサッチャー判事。君しかできないとか言われてヴォリンはあっさり承知。一ヶ月後ジーンは舞台に復帰するほど回復。ところがヴォリンがジーンに夢中なのを知ったサッチャーは、娘はジェリーと婚約しているもう会うなと言ってくる。困った時だけ無理を言ってくるくせに、元気になるともう態度を変える。恩知らずめ。でもサッチャーはまだ知らないけどヴォリンはポーに傾倒していて、地下に拷問博物館作ってるほどの変人。反対して当然なのよ。と言うか、ヴォリンはどうせなら同じ趣味の女性捜せばいいのに美しいってだけでポーッとなっちゃうんだから。その頃ベイトマン(ボリス・カーロフ)という脱走犯が訪ねてくる。犯罪犯すのは顔が醜いせい、顔を変えてくれ。ヴォリンは承知したと見せて化け物みたいな顔にしちゃった。顔を変えて欲しけりゃ言うことを聞け。彼はジーン、ジェリー、サッチャー、他に二組の夫婦を自邸に招く。召使役のベイトマンを見たジーンは悲鳴をあげるが、後でヴォリンにあれは拷問受けたせいと説明され、あやまる。たぶんベイトマンにとって美しい女性にそんなことされるの初めてで、それで後で・・と予想つく。あれこれあってサッチャーは「落とし穴と振り子」に出てくる装置に固定され、ジーンとジェリーは壁が迫ってくる部屋に閉じ込められピンチ。ポーの作品にそういう部屋あるの?もちろん(ジェリーはどうでもいいが)ジーンが押しつぶされるなんて耐えられないから、ベイトマンは装置を止めようとする。ヴォリンに撃たれるが、最後の力を振りしぼって、二人を助け出し、代わりにヴォリンを部屋へ引きずり込む。サッチャーも危ういところを助かる。ヴォリンは閉じ込めるだけでも十分だと思うけど、押しつぶされたんだろうな。誰も気にしてないけど。最初に登場した時のカーロフは素顔に近いのかな。別に醜いってほどじゃない。手術の後は顔の半分が張りぼて状態で、やっぱりフランケンシュタインの怪物風味。大男って感じはしなくて、どこか少年ぽいのが意外。