ル・ブレ

ル・ブレ

ブレは英語のバレットのことかな。「バレット モンク」のバレット・・弾丸。映画の中では「厄介者」となっていたような。中古ビデオ売り場にたいていあって、カバー写真見ると「ん?ティモシー・ダルトン?」って思う。でも別人なの。フランス製だし、じゃ見なくてもいいか・・と戻すわけ。今回見たのは父が中古ビデオ買ってあったから。冒頭数分何やら入っていて「あれ?」とびっくりする。メイキングか何からしいが、こちとら興味ないんですっとばす。こういうのが入ってるってビデオでは珍しいのでは?服役中のギャング、モルテス(ジェラール・ランヴァン)は看守のレジオ(ブノワ・ポールヴールド)に頼んで宝くじを買ってもらっていたが、それが15万ユーロの大当たり。ところがそのくじを持ったままレジオの妻ポーリーヌ(ロッシ・デ・パルマ)は、仕事でアフリカへ行ってしまう。モルテスはレジオがくじを横取りしたと勘違いして脱獄。実はくじはレジオのウエストポーチの中だが、そうとは知らぬ二人はポーリーヌを追ってアフリカへ。モルテスを弟の仇と狙うトルコ、警察など追っ手も次々。舞台もパリからダカールラリーとスケールが大きい。大観覧車の暴走などCGとわかっていても楽しめる。ポーリーヌとトルコのマンボシーンなど爆笑物だ。ちょっとくたびれた感じのモルテスもいい。ギャングにしては生真面目で模範囚。ところがレジオのせいでさんざんな目に会ってしまう。このレジオだが、見ている間何度ぶっ殺してやる!!と思ったことか。とにかくどうしようもないバカ。フランス映画でどうしようもないバカと言うと「TAXi」シリーズの署長がいるけど、あれよりずっとずっとず~っとひどい。まあ彼のバカさかげんがこの映画の笑いどころなのだが、私は笑うよりイライラさせられ通しで。彼のせいで物事が悪い方へ悪い方へと傾く。ラストにしても、とにかくお金なんかいいからレジオから逃れるためにモルテスが自分から進んで刑務所へ戻るとかした方がよっぽど説得力がある。それをエンドクレジットの間中あんなの見せられて笑えるかっちゅーの!人のお金をかってに・・くそ~腹が立つぅ。出演者で知ってるのはジャイモン・フンスーくらいか。こういう映画にはたいてい巨漢が出てきて、悪役なのに憎めない。この映画でもレジオと仲良くなって、まあそこは微笑ましくてよかった。