Jの悲劇

Jの悲劇

この映画はあまり評判よくないようだ。いわゆるストーカー物だが、つけ回されるのがダニエル・クレイグ扮する教師ジョーなのはいいとして、つけ回すのはむさくるしいオッサン、ジェッド(リス・エヴァンズ)。ここでもうガックリ来るわけよ。学生役でベン・ウィショーが出ている。クレイグとウィショーなら絵になるが、エヴァンズじゃ気持ち悪いだけ。と言って設定変更するわけにもいかないしね。ジョーとクレア(サマンサ・モートン)は郊外へピクニックに出かける。天気がよくて景色がよくて申し分なし。いいワインを用意し、実は指輪も用意してあった。もう長く同棲しているけど、けじめをつけるつもりだった。それなのに・・気球の事故で一人が墜落死。一時は何とかなりそうだった。やれやれと安心した。ところが突風が吹いて・・。誰もいないように思えた野原だけど、気球に取り残された少年を救おうと数人の男が駆けつけた。再び浮かび上がった気球から手を離したジョー。他の男達も手を離したが、医師のジョンは・・。あの時何とかできたのではないかという思いは、ジョーを苦しめる。最初彼はジェッドの意図を勘違いした。冷たく突っぱねなかったのはそのせいだ。でも、ジェッドはジョーに特別な絆を感じ、ジョーも同様と信じ込んでいる。こういうタイプには何を言ってもダメで、ジョーはジョンの死に対する罪悪感だけでなく、ジェッドの存在にも追いつめられていく。クレアとの仲も悪化し、講義にも身が入らないし、まわりからは不審な目で見られる。ジョンの妻も苦しんでいる。悲しいと言うより怒っている。車に残されていた品物から自分とは違う香水の香りが・・。夫は女と一緒だったに違いない。原作は何か小難しい感じで、もったいぶっている。映画はもう少しわかりやすくしてある。また、映画ではクライマックスでクレアがジェッドに刺されたり、ジェッドをなだめるためジョーがキスをし、その後刺すなどドラマチックにしてある。ラストは服役中のジェッド。むさくるしいところはなくなり、身ぎれいにしている。こういう感じでつけ回していたのなら、少しは見る方もがまんできたのだが(←?)。題名のJはジョーとジェッドのことらしいが、ジョンも含まれるのでは?出演は他にビル・ナイ、コリン・レッドグレーブ。それにしてもクレイグはメガネが似合うね!