ハリーとトント

ハリーとトント

猫のトントはかわいかったけど、映画そのものはあんまりおもしろくなかった。アート・カーニーはこのハリー役でアカデミー主演男優賞とったけど、こういうキャラはあんまり好きじゃない。年は取ったけどまだ体は動くし、裕福ではないがお金に困っているわけでもない。奥さんに先立たれてさびしいが、子供がいるし友人はいるしペットもいる。べちゃべちゃとよくしゃべり、どちらかと言うとまわりに迷惑かける方。家を立ち退くのはいやだ、(空港で)トントのケージ調べられるのはいやだ、トントがオシッコするから(急行なのに)バス止めろ。子供達のところを回る途中いろんなことがあり、いろんな人に出会うが、旅行中だから通り過ぎ、あとをひかない。老齢であまり調子のよくないトントには環境の変化や車での移動は苦痛なはずで、何だか気の毒。猫だから何も文句言わないし、餌もよく食べるけど、そのうち死んじゃう。最後にうつった時はもう死んでるのかな。どこに入れられていたのかな、かわいそうに。でもハリーはすぐ次の猫見つけるし。話し相手になりそうな明るい女性とも出会うし。何だかなあ・・しんみりもほんわかもしない。お気楽と言うか、かってにやってろと言うか。ちなみに見る前はハリーは死んじゃうと思っていたのよね、そしたら最後まで元気じゃん、拍子抜け。もちろんもっと深い部分見なくちゃいけないんだろう。人生の深淵を覗き込む・・とか。でも私は全然そんな気になれなくて、こんなクソじじいの独白なんかいいからもっとトントうつせ・・とか思ってた。上の息子バートは長男ということで父親のことを心配している責任感の強い性格。暮らしは楽ではないし、家は狭いし、家族はハリーの同居に不満顔。すぐ衝突が起こり、気が休まらない。バートはもっと静かで落ち着いた生活望んでいるだろうに、結果的には声を荒げてしまうことに。そこが気の毒だった。バートの息子のノーマンは沈黙の誓い立ててる変わり者。もちろんやがてしゃべり始めるが、何やら「リトル・ミス・サンシャイン」思い出させる。ハリーの娘シャーリー役でエレン・バースティン。彼女は老いた父に仕事につくよう勧める。彼女にとっては人間は死ぬまで何かをしているべきなのだ。そういう強い性格のせいか結婚には何度も失敗。下の息子エディ役で「かわいい魔女ジニー」や「ダラス」のラリー・ハグマン。他にチーフ・ダン・ジョージが出ていた。