張り込みシリーズ

張り込み(1987)

何かのビデオに予告が入っていたので、こういうのがあるとは知っていたけど、見ていて何か違うな・・と。夜のシーンが多い。じゃ私が見たのは続編「張り込みプラス」の予告かな。主演はリチャード・ドレイファスとエミリオ・エステヴェス。ドレイファスはまだ若くてジョン・コーベットに似ているかな。サミュエル・ウェストにもちょい似。エステヴェスはこの頃は23か24か。若すぎるのでヒゲをつけた(生やした?)んだろう。クリス(ドレイファス)とビル(エステヴェス)の刑事コンビは、FBIが追っている凶悪犯モンゴメリー(エイダン・クイン)の元カノ、マリア(マデリーン・ストウ)を見張る仕事につく。モンゴメリーは脱獄し、逃走中。マリアのところへ現われる可能性があった。張り込みは昼夜二交代で、クリス達は夜を受け持つ。昼担当の刑事の一人はフォレスト・ウィテカー。こんな仕事やってられるか・・とおもしろくない二人だが、マリアがとびきりの美女だと知ると監視(覗き)にも身が入るってことに。夜間・室内・・動きの少ないシーンが続くので、気のきいたセリフや細かいエピソードで興味をつなぐ。冒頭の港でのアクション、クライマックスの製材所でのアクション、いずれも歯切れがよく、特に製材所の方はハラハラする。全体の流れは、張り込み→相手と恋に落ちる→身分がばれて破局→逃走犯が現われ大ピンチ→ハッピーエンド・・と定石通り。途中で居眠りしていても大丈夫。ストウはこれが映画デビューらしい。老け顔なので今とあまり変わらない。残念だったのはクリスとマリアのいちゃいちゃシーン。そういうのはなしにして、最初から最後まで明るく楽しく、ちょっとおふざけ、きっちりハラハラで通して欲しかった。よかったのはビル。たいていの映画なら恋に落ちるのは若いビルの方だが、ここでは妻子持ちの真面目タイプ。一方クリスは恋人に捨てられたと思ったら、今度はマリアと恋に落ちるなど忙しい。マリアはモンゴメリーに引っかかったことでもわかるが、つい情にほだされるとか熱烈な恋をするとかいかにもラテン系。マリアとクリス、燃え上がるのも早いけど冷えるのも早いのでは?私は危なっかしい二人よりビルのような堅実なタイプが好きです。クインはちょっとヒュー・ジャックマンに似ている。ルトガー・ハウアーも入ってる。そのうち「プラス」も見てみるか・・出来悪いらしいけど。

張り込みプラス(1993)

NHKBSでやった。たぶんあまりおもしろくないだろうな・・という予感がしたけど、やっぱりそうだった。のっけから凄まじい爆発見せる。シカゴマフィアのコスタンゾの公判が迫っている。ルーという女性の証言がないと、追いつめるのは難しい。爆発の後ルーは姿を消すが、たぶんオハラ夫妻の別荘に姿を現わすだろう。で、盗聴や監視の任務につくことになったのがクリスとビルのコンビ。今回はそれに検事補のジーナが加わる。ジーナ役はロージー・オドネル。プラスって彼女のことかな。一作目で恋に落ちたクリスとマリアだが、六年たっても結婚してくれない・・と、怒ったマリアは家を出てしまう。クリス達三人は家族という触れ込みでブライアンとパムのオハラ夫妻の隣家へ。ルーを狙う殺し屋トニーはミゲル・ファーラーで、彼が登場すると本格的なムードが漂うが、出番は少ないし、うまく生かされていない。検事ハスリックがコスタンゾと通じているので、何かあるとすぐ情報がトニーにもれてしまう。見ていてもさっぱりおもしろくないのはどうしてなんだろう。残飯まみれのクリスの奮闘なんてどこがおもしろいのか。とにかく滑りっぱなし。ジーナの飼い犬アーチーが猫やウサギを見ると追いかけてしまうというのもありきたりのギャグ。1時間以上たってやっと少しおもしろくなる。ジーナとクリスは夫婦ということになっているのだが、パーティに招待されたブライアンは、クリスがマリアに電話で求婚しているところを聞いてしまう。で、大いに喜び呆れ、早速パムに教えてやる。用意してなかったデザートを、クリスとジーナが大急ぎで作るところも笑える。ルーがビルを殺し屋だと思い込んで殺そうとするところは、ちょっとハラハラする。その後の、ルーがクリスとビルの正体を知らないままというのはありえない。ジーナが説明するはずだ。今度こそとトニーがルーを狙い、アーチーに邪魔されるというのはお約束。アンタら犬に手柄横取りされてまっせ。途中からビルがヒゲなしなのがよかった。とは言えドレイファスの熱演が空回りと言うか私好みじゃないと言うか、とにかく全体的にはダメでしたな。冒頭の大爆発であれもこれも使いきってしまったという感じ。