SF巨大生物の島

SF巨大生物の島

ハリーハウゼン物(←?)はNHKBSで時々やる。これも何回か見たが、今回はDVDをレンタル。まあ何度見てもおもしろいってこと。1865年南北戦争の頃、気球を利用して収容所から脱出した北軍兵士ハーディング(マイケル・クレイグ)、ネブ、ハーバート(マイケル・カラン)、それに従軍記者スピレット(ゲイリー・メリル)。巻き込まれた南軍兵士ベンクロフトもいるが、空の上では敵も味方もあったもんじゃない。たどり着いたのは太平洋の孤島。なぜか生物は巨大で、孤島のはずなのに誰かの手を感じる。つまり巨鳥とか巨大カキ、巨大ガニがいて食料は何とかなる。起こした覚えのない火が救難信号になったり、重宝なもの(銃や海図)が詰まった箱が流れ着く。まあすべてのものが巨大なわけではない。ヤギは乳や皮が利用できるだろうに小さいままだ。後でネモ船長(ハーバート・ロム)が出てきて、食料が安定供給できれば戦争の多くはなくなる・・と、巨大化実験をしていたことがわかるが、具体的な方法は不明。流れ着くと言えば女性二人が加わる。一緒にいた船員は死亡という都合のいい展開。若い方のエレナはもちろんハーバートと仲良くなる。意気地なしの彼も美人のためならたくましく変身だ。この頃のカランは若くて青臭い。彼はジャック・レモンやリチャード・クレンナに似ているといつも思う。ロムは髪が白く、目が鋭いのでストレイカー司令官みたいだ。「ピンクパンサー」のイメージが強いので、ロムだとは気づかなかった。ネモの登場の仕方は海底人の出現みたいでいい。この映画の長所は後半次々にいろんなものを見せてくれること。たいていの映画はハーバート達のロマンスに時間を割き、クライマックスまでのつなぎにするだろう。でも巨大な蜂、潜水艦、海賊の出現、海底に沈んだ古代都市、船の引き上げ、巨大オウム貝、火山の爆発・・と立て続け。サービス満点てんこもり。電気銃が登場するが、水中で電気なんて感電するだろッとか、せっかくノーチラス号出してきたのに航行不能とか、首を傾げるところ物足りないところはあるが、それでもおもしろい。いちおう主役のハーディングの堅物ぶりもいい。彼とメアリー(ジョーン・グリーンウッド)とのロマンスがあってもおかしくないのに。メアリーの順応ぶり(レディ・・貴婦人だが骨折り仕事もいとわない)もいい。50年近く前の作品だが、これからも人々を楽しませ続けるだろう。