市民ケーン

市民ケーン

傑作中の傑作とか言われてるけど、私はあんまりそういうのには興味なくて。NHKBSでやったので見たけど、理由はただ一つ、アラン・ラッドが出ているらしいから。調べても新聞記者役としか書いてなくて。最初の方の、後見人だったサッチャーの出てくるシーン、後ろの方にいるのがラッドかしら。だとしたら出番数秒。・・新聞王ケーンが死亡。死の直前に言った”ローズバッド(ばらのつぼみ)”の意味を探れというので、トンプソンという記者がいろいろ調べて回る。浮かび上がってくるのは、莫大な富を持ち、意欲的に仕事をしながらも孤独だった人生。まだ子供の頃、両親の手を離れて、銀行家サッチャーのもとで暮らすことに。しかし彼はサッチャーの言うことは聞かず、新聞社経営に乗り出す。ちょっとびっくりしたのは母親役やってるのがアグネス・ムーアヘッドなこと。「ジェーン・エア」数年前。オーソン・ウェルズは初監督、初主演とか。友人リーランド役がジョフ・コットン。色男だよな~。ウェルズが20代半ば、コットンが30代半ばとまだ若い。それがだんだん年を取っていくわけだが、二人とも老けメイクは今いち。どう演技しても若さが出ちゃう。この映画顔の部分がカゲになって、白黒映画だから黒くなって、表情とかわからないことも。あちこち聞いて回るトンプソンなんかどういう顔してたのか思い出せない。彼が訪ねたのは二番目の妻だったスーザン、サッチャーの自伝でケーンの部分を読むこと、新聞社でのパートナー、バーンスティン(この人テリー伊藤氏に似てる)、リーランド、執事のレイモンド。ケーンの最初の妻エミリーは大統領の姪で、息子もできたけど、スーザンとの不倫が原因で離婚。州知事選挙も落選。その頃からローランドともうまくいかなくなり、ついにはクビにする。スーザンはオペラ歌手を夢見ていたが、いかんせん才能がない。エミリーも印象的だが、スーザンもドラマチック。ついでに彼女のレッスンを受け持つボイストレーナーのオッサンがこれまたドラマチック。いくら練習しても無駄なのだが、ケーンには彼女の声はすばらしく聞こえる。オペラハウスを建て、デビューさせる。本番中もオッサンは一生懸命指示を出す。何だかケーンがかすんじゃったな。さて、ラスト、価値のないガラクタは炉に放り込まれて燃やされる。その中にローズバッドが・・。あれはケーンが子供の頃持っていた橇(そり)らしい。