殺しのドレス
これは一番最初民放で見たが、何が何だかさっぱりわからなかった。特に金髪でサングラスの女性の一人・・最後の方で警官とわかるが、なぜ出てくるのか、なぜこういう格好する必要あるのか、さっぱりわからなかった。文庫を買って読んで、一度は処分したけど、後で後悔し、また古本を買った。最近読み返したので、内容はまだ頭に残っている。映画の方は見るのは何十年ぶりだろう。あらッ、こんなにシンプルだったんだ・・と少し驚く。本だとボビーの描写とか、妻とうまくいっていない精神科医エリオットとか、懸命に生きるリズとか、掘り下げられている。でもまあボビーのあれこれは映画ではまずいよな。映像じゃすぐばれちゃう。これを見るとどうしても「サイコ」を思い浮かべてしまうけど、あっちは殺されるジャネット・リーの印象が強く、後半出てくるヴェラ・マイルズの印象は薄い。マイルズの方が美人なのに。こちらでも殺されるアンジー・ディキンソンの印象が強烈だが、ナンシー・アレンもがんばっている。ディキンソンは31年生まれだからもう50近くて、アップだとシワも目立つけど、それでも美しいしスタイルもばつぐん。ヘアスタイルもフワッとエレガント。美術館、指輪、手袋、美しい音楽にカメラワーク。無言だけど感情がやり取りされる。送ったけどはずされた、はずしてやろうかと思ったけど受け取りたくもあるしと、女ごころは複雑だ。あと、鏡が数回出てくる。うつるのがマイケル・ケインだから、カンのいい人はすぐわかっちゃうんだろうな。ケイト(ディキンソン)の息子ピーターがキース・ゴードン。何だかダニエル・ラドクリフ君みたい。今はハゲ気味のオッサンで、監督になってるらしい。刑事のマリノがデニス・フランツ。少しおなかが出始めているけど、まだ細い。このマリノに代表される警察の描き方がどうもね。捜査する気あるのかよって疑いたくなる。弱い立場のリズ(アレン)を追い込み、危ない橋を渡らせる。ピーターはエリオット(ケイン)の患者の一人が犯人に違いないと、オフィスの入口近くに自動でシャッターを切るカメラを置き、犯人らしい女を撮影するのに成功。でもこれって本来は警察がやるべきことで。文庫だとラストでリズが殺されちゃうみたいだけど、映画では夢だったというオチにしてある。個人的に気になったのは、リズを助けてくれるタクシーの運ちゃん。ビル・ランドルフ。