ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

四つの研究図書館と、88の分館という巨大なネットワークを有するニューヨーク公共図書館。本、図書館とくれば私の大好物だが、ん?3時間半近くあるぞ。いくら巨大でも長すぎないか?いやな予感がしたけど、いちおう見始めた。ナレーションもバックミュージックもないぞ。講演、会議、討論会、講座が延々と続く。自分の意見を言ってなんぼの国だから、原稿も見ずに熱弁をふるう。これがまた長い。悪いけどそのうちうんざりしてきちゃった。結局私が普段頭の中で思い描いている図書館のイメージはもう古いんだろうな。本を揃えて借りにくるのを待っている・・そんな時代ではないのだ。だいたい本を読んでいる人なんてほとんどうつらない。皆パソコンに向かっている。図書館は市の予算と民間の寄付で運営されている。予算の獲得はいつだって頭の痛い問題だ。お金はいくらあっても足りない。見ていて、手を広げすぎなんじゃないの?と、単純に思う。今はネットの時代、取り残される人がいないようパソコンを揃え、貸出までする。紙の本と電子書籍の問題もある。ホームレスのせいで、他の利用者から苦情が出る・・どこの図書館も悩んでいるんだ。著者による新著の講演はひんぱんに行なわれている。聞いている人の人種の多様性が印象的。髪型もそうだ。爆発したようなヘアスタイル、女性なのに丸坊主とか。インタビューを受けている男性は・・エルビス・コステロか。曲は聞いたことないけど、名前は知ってる。手話通訳の女性もよかった。彼女に限らず、まるで俳優のように見える人が多い。聞いている人の多くはどよんとした目をしていて生気がなく、これもまた印象的。本来は図書館の現代における役割とかそういうことに目を向けなければいけないのだろうが、印象に残るのはいくつかのこういった(どうでもいいような)細かいこと。盲人用のテープだろうかポイポイ投げているのがいやだったな。その前に文章読んでテープに吹き込むていねいな作業を見せられたばかりだから。もっと大切に扱え!普段はこんなことしないけど、2時間を過ぎた頃からところどころ早送りした。会議もスピーチもうんざりだ。結局蔵書ってどれくらいあるんだろう、建物はどういう作りなんだろう、そんなこともわからないまま(やっと)映画は終わる。もっと本をうつし出してくれれば、早送りなんかしなかったぞ。