雨の訪問者

雨の訪問者

NHKBSで久しぶりに見た。前に二回くらい見てると思うが、ストーリーがよくわからなかった。今回見てわかりづらい理由がわかった。ドブス(チャールズ・ブロンソン)のウソや、後半の意味不明のパリ行きのせいだ。時間はもっと短くできると思う(パリ行きはカットしても影響なし)。メリー(マルレーヌ・ジョベール)は雨のバス停に降り立った男を見かける。その後自宅に侵入した男にレイプされ、いったんは去ったかに見えてまだ地下室に潜んでいたので撃ち殺す。死体を崖から捨て、夫や母には何もなかったようにふるまうが、ドブスという男が現われる。メリーがやったことは何もかも知っているようだが、彼女はしらを切り続ける。たいていの映画では途中で崩れるものだが、彼女は最後まで殺してないと言い張る。偉いなあ・・思わず感心しちゃった。ドブスはやり手のように見えるが、自信が邪魔しているような気も・・。メリーに夫トニーを疑わせたり、別の殺人事件と混同させたりと小細工を弄する。そのせいでかえって真実に近づけない・・と言うか、私にはこの映画あんまり出来がいいとは思えないのだが。家の中を隅々まで調べたくせに車は調べてない(ドブスが捜していた金は車のトランクにあった)とか、メリーに泊まっているホテルの部屋調べられ、身分(軍人)がばれるとか。メリーに少女時代のトラウマくっつける必要もあったのか。後半はパリ行きやらお金の郵送やら意味不明な描写の連続。男のことも不明。なぜ大金持ってるのか、どこへ行くつもりだったのか、何で地下室でぐずぐずしていたのか。まあいいか、こういう意味不明のフランス製サスペンス映画は、今も作られ続けているし(たいていジャン・レノ主演で)。ジョベールはエヴァ・グリーンの母親らしい。エヴァって化粧落としたらどういう顔してるのかね。メリーの友人ニコル役ジル・アイアランドはお人形さんみたいにきれいだ。若き日のデヴィッド・マッカラムが彼女に夢中になったのもわかる。その後ジルはマッカラムと離婚し、ブロンソンと結婚したが、若くして乳ガンで亡くなってしまった。ブロンソンも数年前に亡くなったし、月日の移ろいを感じるな。この映画ではみんな若くて輝いていて・・。雨も降るけど全体的には明るいイメージ。緻密なストーリーではなく、ムードを楽しむ映画なんだろう。