動く標的

動く標的

原作はまだ読んでない。ルー・アーチャーではなくルー・ハーパーにしたのはなぜなのかな。冒頭の・・目覚ましが鳴って、氷に顔を浸け、コーヒー切らしているのに気づいて・・の一連のシーンはよくできている。これを全部食べ物でやると「傷だらけの天使」のオープニングになるのかな・・なんて思ってみたり。大富豪サンプソンが昨日から姿消してる。どこにいるのか、誰といるのか調べて欲しいというのが夫人(ローレン・バコール)の依頼。ハーパー(ポール・ニューマン)を紹介したのは元検事のアルバート(アーサー・ヒル)。継娘ミランダがパメラ・ティフィン、自家用飛行機のパイロットやってるアランがロバート・ワグナー。サンプソンの常宿に飾ってあったのが元女優フェイ(シェリー・ウィンタース)の写真。彼女のところへ電話をかけてきたのが歌手のベティ(ジュリー・ハリス)。ハーパーに離婚迫っている妻スーザンがジャネット・リー。いやはや何と豪華な・・。途中で50万ドル要求する脅迫状が届き、失踪ではなく誘拐だとなる。夫人とサンプソンの仲は冷えきっているし、父親を心配してるかに思えたミランダも、実は父親のことなんかどうでもいい。あれこれあるのだが、どうもおもしろくない。誰にも共感できないのだ。ハーパーは夫人からサンプソンの写真を預かるが、画面にはうつらない。彼のまわりにいて、少しずつ毒されていった人達を描きたいのであって、サンプソン本人はどうでもいいのだろう。今回もニューマンは私にはダメでした。細かい演技とかうまいのはわかるけど、ちーとも魅力感じない。しょっちゅうガムを噛んで口動かしてるのもいや。ニューマンは大柄だと勝手に思っていたが調べてみると177センチ。ヒルよりかなり背が低い。ヒルは191センチだ。あたしゃ一段高いところにいるのかと思っちゃった。ハリスはレコードも出してる歌手の役だが、歌はへたくそだったな。ストーリーはわかりにくく、ラストもしゃれてると言うより中途半端。私が読んだアーチャー物では彼は独身だったが、これの原作にはスーザンが出てくるのか。まあいいや、古本屋で気長に捜そう。離婚してくれない夫にうんざりしてるけど、夜中に突然訪ねてこられると追い返せない。でも朝になって朝食作っていると、もう用はすんだとばかりに仕事に戻る。こうなることはわかってたはずなのにバカな私・・と、目玉焼きの黄身をフォークで刺す。よかったのはここだけ。