”それ”がいる森

”それ”がいる森

相葉雅紀クンが出てるし、ホラーみたいだから見てもいいかな・・と。恋愛物なら見ないけど。新宿のホストクラブの売上金7500万円を奪った男女二人組は、ほとぼりがめるまで金をバッグごと埋めることにする。直後何者かに襲われ・・。ここは福島県。天源森は熊が出るので立入禁止になっている。オレンジ農家の淳一役が相葉クン。収穫の時期を迎えているが、一部にかいよう病が発生しているのが気がかり。そこへ息子の一也が東京から突然現われる。中学受験を控えているため、母親爽子は勉強勉強とうるさい。好きなサッカーもやらせてもらえず、とうとう頭にきて家出してきたのだ。ちゃんとした説明はないが、淳一は義父に嫌われ、家を出たようだ。爽子とは名字が違うから別居ではなく離婚したのだろう。仕方がないので一也はこちらの小学校に編入させるが、早速お定まりのいじめにあう。それでも祐志という子と仲良くなり、天源森にある彼の秘密基地を見せてもらったりする。熊出没注意の看板も柵も子供達には効果なし。帰り道銀色の奇妙な塊に出くわすが、あいにく一也のスマホはバッテリー切れで、写真はとれずじまい。次の日祐志は母親のスマホを持ってきたが、あの塊はどこにもない。しかも彼は何者かに襲われ、行方不明に。捜しにた淳一や担任の絵里は気を失って倒れてい一也を発見。翌日の志捜索中には金の入ったバッグや遺体が見つかり、地面には妙な丸い焦げあと。・・こんな感じで進んでいくのだが、正直言って見ているのがだんだんかったるくなってくる。若いカップル・・相葉クンはさほど若くはないけど・・が森の中でいろいろ怖い目にあうのかな・・と漠然と予想していたのだが、動き回るのは主に小学生。これじゃあなあ・・。最初から最後まで目新しいものがほとんどない何で今更こんなもの作ったの?という気はする。家族の再生?まさかそんなもので感動しろと?いや別に内容がありきたりでもいいんですよ。こちとら相葉クン目当てで見ているですから。でもだったらもう少しちゃんとしたストーリーにしようよ。こんな・・突っ込みだけでご飯三杯いけるような内容じゃなくてさあ・・。警察はここでは全く無能に描かれる。刑事の綾波(眞島秀和氏)は、男女二人を殺したのは熊で、焦げあとはユーチューバーのいたずらスマホにうつっていたのはただのかぶり物と決めつける。

”それ”がいる森2

映像を分析する気は全くなく、淳一が何を言っても取り合わない。ところでそのスマホ・・祐志の母親のものだよね?一也が持ってていいの?母親あてに電話だってかかってくると思うが。それに捜索のため山狩りをした時に見つからなかったのはなぜ?それに・・一也だけ何で助かったの?太めの祐志だけでおなかいっぱいになっちゃったから?夜、ビニールハウスで淳一は何か見たようだが、例によって暗くて見えん。たぶん映画館でやる時には見えるんだろうけど、そういうわけで(見えないので)怖さゼロ。今度は下級生の麻友がいなくなり、窓の下には獣のもののような足跡。で、熊狩りとなる。猟友会の人が見れば熊の足跡じゃないってすぐわかるはずだが。その後熊は捕獲されたが、腹を裂いてみても人間を食べた形跡はなし。家の近くでうなり声がした時の淳一の行動は?だ。正体不明でものすごく危険な相手だとわかっているのになぜ一人で確かめに行くの?家に入って厳重に戸締りし、息を潜めているのが普通でしょ?案の定ビニールハウスで襲われそうになるが、相手はオレンジをつかんだか何かして逃げていく。ははあ、これが弱点だな・・と見てる人全員気づく。でもそれだと「宇宙戦争」と一緒になっちゃうけど?途中でこれまたお約束の展開になる。こういうのには必ず出てくる、謎を解いてくれる、解いてくれないまでもヒントをくれる人物。土地の古老だったり学者だったり。しかも今はパソコンがあるからそういう人物にたどり着くのも簡単。わかったのは・・今から60年前の1962年にも小学生二人が姿を消していたこと。二人とはぐれたため結果的に命拾いをした子供がいる。で、話を聞くためその児玉を訪ねる。演じているのは小日向文世氏。すごく真面目な顔して出てくるけど、私には笑うのをこらえているようにしか見えん。彼は今日までずっと一人で調べ続けてきたようで、家の一室は資料でいっぱい。あの時二人が塊の中に吸い込まれたと話したけど警察も両親も信じてくれなかった。ここらへんで塊は宇宙船、化け物は宇宙人・・とはっきりする。また事件が起き、心配になった淳一は一也を東京へ帰そうとするが、「また逃げてる」となじられる。三年前淳一が家を出たのも、一也からすれば「逃げた」。でも人生逃げずに真っ向から立ち向かってばかりいたのでは命を落としかねない。

”それ”がいる森3

逃げるのは決して卑怯でも恥でもない。そう諭してでもくれれば少しはアレだけど、そんな気のいた展開にはならない。化け物がオレンジの木に残した粘液の分析はどうなったのだろう。山へ入った警察は全滅したみたいだし、だんだんいいかげんな展開になってくる。まわりは停電し、電話もつながらなくなる。安全のため学校に待機していた児童達に危険が迫る。何時間も待ってるくらいなら他に移ればいいのに。さらわれるのが小学生ばかりで、大人は死体で見つかることから、宇宙人の狙いは子供だ・・となる。60年の間に地球の環境にも耐性ができ、人間を食べにきても大丈夫となったのだろう。彼らは成長期の子供を飲み込むことによって分裂し、増えていく。飲み込むところは・・どこかで見たような・・。子供じゃない淳一も飲み込まれていたし、服や靴にはプラスチックや金属も使われているけど問題ないのかな?学校では追いつめられて地下の用具室まで行くけど・・扉破られそうになって大ピンチになるけど・・あれ?その前に一也が奥の窓から脱出していたよね?全然追いつめられてないじゃん。何でみんなもそこから逃げ出さないの?一也が勝手な行動取ったのは、浩二という子が避難しないで化け物立ち向かおうとしたから。やれやれこんなのがいたんじゃ先生も大変。浩二が食べられたのは自業自得だけど、後で絵里達は親からさんざん責められるんだろうなあ。もちろん化け物はオレンジジュースによって撃退される。オレンジを病気にした細菌のせいで・・ってやっぱり「宇宙戦争」じゃん。ラストは爽子も仕事やめてこっちに来る気になってる。別に憎み合って別れたわけじゃないんだし、二人とも同じ気持ちなんだとわかったのなら手ぐらいつないだっていいのに。つながないまでもそばへ寄るとか。でも・・二人の距離は1ミリも縮まりません!60年後には細菌にも耐性持った宇宙人が来るかも。その頃には淳一達はいないけど、一也達はまだ生きてる。今度のこと忘れず備えを・・とか、精神的に前進していて欲しいわけよ。家族三人で暮らせる!・・で終わるんじゃなくて。それにあのアニメみたいな宇宙船ピューは何じゃらほい。案の定ネットでは酷評されまくり。監督は中田秀夫氏だし、もっとまともなもの見せてもらえると期待したんだろうな。