BATS 蝙蝠地獄
これは「午後のロードショー」でもやったと思うけど見てなくて、DVDを買った。ルー・ダイアモンド・フィリップスが好きなもんで。見ている時は気がつかなかったけど、コメンタリーによればヒッチコックの「鳥」を意識しているのだそうで。なるほど言われてみればそうだな。テキサスの田舎町がコウモリに襲われる。軍が殺人マシンとして開発したのか。で、殺人コウモリを作り出したマッケイブ(ボブ・ガントン)は、すっかりマッドサイエンティスト状態に。なぜこうなったのか、どうするつもりだったのかはちゃんと説明されていない。作り手はそれよりも元になった二匹のコウモリ、ウイルスに感染して変化した無数のコウモリが襲ってくるところを描きたい。ただ、その描き方がコマ切れで、カメラをガタガタ揺らして見せるという芸のないものなので、ずーっと見ているとそのうち飽きてくる。屋内に避難をという通達は無視され、人々はいつもと変わらず外に出ている。何かあっても自衛する気でいる。さすがテキサス。大きな被害が出るが、一部はパニックに陥った人間自身が引き起こしたものだ。一夜が明け、人々は避難し、残ったのは保安官キムジー(ルー)、野生動物学者シーラ(ディナ・メイヤー)とジミー(レオン)、それにマッケイブの四人。もちろんマッケイブは自分の作り出したコウモリに殺される。軍は手っ取り早くミサイルを撃ち込み、巣のある廃鉱を破壊したい。しかしそんなことをしても巣が飛び散るだけで、全滅しない。それより大型の冷却装置を設置し、凍死させるのだ。てなわけでコウモリだけでなく、攻撃まであと何分という時間との戦いもあって、ハラハラさせる。最後の爆破はかなり大がかり。こういう映画ではお決まりの、全滅したように見えて実は・・というラスト。ああやっぱり・・と思った瞬間それが引っくり返るのが笑える。いちおう「2」も作られたようだが。新味がなく、コウモリの出来もいいとは思えないが、夜空に浮かぶ月を群れが通り過ぎるところや、大群すぎて月が隠れるところとか、いいシーンもある。ルーもよかったけど、この作品の好感度を上げているのはメイヤー。清潔で健康的な美人。見ている人が好感を持つタイプ。変にロマンスを絡めるなどせず、ピンチに協力して立ち向かうで通したのもよかった。