猫とカナリヤ(1939)
ニューオーリンズの湿地帯に建つノーマン邸。あるじサイラスは変人で、親族を恨んでいたらしい。その彼が死んで10年、遺言状が公開され、相続人が決まる。弁護士のクロスビーを出迎えたのは家政婦のルー。10年間一人でこの屋敷を守ってきた。親族はチャーリー、フレッド、スーザン、シシリー、それにジョイス(ポーレット・ゴダード)、ウォーリー(ボブ・ホープ)の六人。遺言状は二通あり、一通目ではジョイスが一人ですべて相続。家族には精神病気味なのが多いので、相続人は正常でなければならない。精神を病んでいたり死んだ時のために、二通目に第二の相続人名が書いてある。遺言状はクロスビー以外には開けられない金庫に保管されていたが、開封された痕跡がある。でもうつしは銀行に保管されているから改ざんする余地はない。また、クロスビーは遺言状を代筆したので、第二の相続人が誰なのか知っている。そのせいか彼が真っ先に犠牲になる。外には精神病院から患者・・それも人殺しの・・が脱走したとかで、銃を持った看守がウロウロしている。財産がジョイス一人に行くとなれば、無駄足踏まされた他の連中はもっと憤慨するはずだが、いやに物わかりがいい。ジョイスとチャーリーは一時恋仲だったようだが、彼が浮気したせいで別れたようだ。彼はよりを戻したいが、さほどしつこく言い寄ってくるわけでもない。ウォーリーは以前ジョイスに好意持っていたが、それでいて再会しても彼女だとは気づかない。それくらいジョイスは美しく変身したということか。電気が急に消えたり、妙な音がしたり、ルーがいろいろ謎めいたことを言ったりするが、怖さはなし。ホープが出ているから笑えるかなと期待したが、ちっとも笑えない。怖さも笑いも中途半端。ジョイスがイラストレーターで、ウォーリーがラジオ番組やってる俳優で、でもチャーリーやフレッドは?金に困ってて相続に期待しているってのが普通でしょ?でもそういうの何にもないから、ただ男女が出てきたり退場したりしゃべったりのくり返し。ゴダードがいきいきとしていてきれいだ。ただ、何だか着ている服が窮屈そうだったな。チャーリー役ダグラス・モンゴメリーはリチャード・ギア風味。フレッド役ジョン・ベアールはまとまった感じの顔立ち。ルー役ゲイル・ゾンダーガードはローナ・ミトラ風味。湿地帯、川にはワニがウヨウヨ、謎の家政婦ということで「サンダーバード」の「大ワニの襲撃」のファイルズさん思い出した。