ホット・スポット
レンタル。少し前に12チャンネルでやっていて、チラッと見ておもしろくなさそうだったのでやめて、今回借りてちゃんと見たんだけど、やっぱりおもしろくなかった。デニス・ホッパー監督で、彼が出た「レッド・ロック」と内容がよく似ている。ふらりと静かな町に現われたよそ者が、年上の夫を殺そうと企む若い人妻にそそのかされるところが。もっともこっちは「レッド・ロック」より数段落ちる。何かというと主人公はタバコを取り出して吸う。何度もこういうシーンがあるってことは、物語が盛り上がらないってことだ。盛り上がりがなくて何度も同じようなことがくり返されるので、全体的にだらだらした感じになる。ジェニファー・コネリーは長いサラサラの黒髪で、口を半開きにして、そこにいるだけのお飾り的存在だ。演技力もへったくれもない。要求されるのはヴァージニア・マドセンの人妻とは対照的な、美しく清純な乙女でしかない。この人妻がなぜサットンのところにいたのかという疑問が残る。殴られて「顔が・・」なんて逃げたにしては、目の下に赤い線一本なんて、そりゃあないでしょ。最後のどんでん返しも、最初からわかってるから意外性がない。出来損ないの西部劇風味の人妻よろめきドラマでした。・・この感想書いてから20年以上たってる。ザ・シネマでやったので久しぶりに見たが、何度見てもおもしろくないね。2時間以上あって、同じことくり返しててちっとも先へ進まない。テキサスの町へ現われたハリー(ドン・ジョンソン)は、中古車店で働き始める。態度がでかいので社長も気に食わないが、腕はいいので仕方がない。ハリーは銀行に目をつける。行員は消防団員も兼ねていて、火事が起きるとみんなそっちの方へ行ってしまう。防犯カメラも壊れたままというのん気さ。ハリーに目をつけたのが社長の妻ドリー(マドセン)。心臓に持病のある夫に飽き足らず欲求不満で、何かとちょっかい出してくる。事務員のグロリア(コネリー)はサットン(ウィリアム・サドラー)に弱味を握られてゆすられ、会社の金を持ち出している。そのうちハリーは火事騒ぎを起こし、強盗に成功。逃げ遅れた男を猛火の中から救出し、アリバイを印象づける。もっとも彼は根っからの悪人というわけではないので、自分のせいで無関係な人が死ぬのは耐えられなかったのだろう。
ホット・スポット2
その後彼は保安官に逮捕されてしまう。最近現われたよそ者だし、銀行に口座作ったのは下見だろうし、アリバイも不完全。銀行に居合わせた老人モートは盲目だが、ハリーが犯人と断言。おまけに盗んだ金は番号が控えてあるから使えないときたもんだ。ドリーが偽証して釈放されたものの、容疑が晴れたわけではなく尾行がつく。夜はつかないから不十分だけど。ドリーは夫の殺害をちらつかせるが、ハリーはそこまで馬鹿じゃない。彼はグロリアに心惹かれており、ドリーは嫉妬をつのらせる。グロリアは大人に見えるが、実は19歳になったばかり。姉同様に慕っていた女性がサットンのせいで自殺に追い込まれたこと、たまたま二人して裸でいたところを写真にとられ、ゆすられ続けていることを打ち明ける。そのうち社長はドリーのせいで死亡。サットンがグロリアを襲っていると勘違いしたハリーはサットンを撃ち殺し、自殺に見せかける。ついでに強盗もサットンの仕業に。保安官は事件が解決すればいいので、深くは追及しない。情報提供者には2万5000ドル出るから、ハリーはグロリアとこの町を出て結婚するつもり。しかし執念深いドリーがそんなことさせるはずもなく、ハリーの計画をぶち壊す。怒ってドリーを殺そうとしたハリーも、結局は自分には清純なグロリアではなく地獄に落ちそうなドリーの方がお似合いなのだと悟ったようで。こういうグズグズな内容を2時間以上にわたって見せられるんだからたまったもんじゃない。どうしてもっと・・90分くらいにまとめないのかね。30年以上前だからジョンソンもまだ若い。わりと最近の「コールド・バレット」でもステキだった。いい年の取り方してると思う。こちらでは金髪で、体はがっちりしていて、口数は少なくて。見てる間中、アラン・ラッドみたいだ・・と思ってた。こういうキャラやりそう。悪事を働くけど、どこかに善良なところは残っていて、でも流されてしまう弱いところも。対するマドセンは明らかにマリリン・モンロー意識したキャラ。ブロンドの髪とか、しゃべり方。映画自体はつまらないので、こうやってジョンソンとラッドを重ねてみたりすることで何とかしのぐ。男性だったらマドセンやコネリーのお宝ヌード。ま、どんなポンコツ映画にも取りえはあります。