Re:LIFE~リライフ~
ヒュー・グラントも年を取ったけど、いつも同じようなキャラで、あんまり無理してなさそうなのがいい。15年前アカデミー賞の脚本賞をとったキース(グラント)は、その後鳴かず飛ばず。妻は売れっ子監督に走り、息子アレックスとは疎遠に。仕事がなく、やっとありついたのが雨ばっかり降る田舎にあるビンガムトン大学のシナリオ講座の講師。着いたその日に美人女子学生カレン(ベラ・ヒースコート)をお持ち帰り。受講生を選ぶのも、提出された脚本を読むのではなく、顔で。美女ばっかり選ぶとばれるので、いかにももてなさそうな男子学生をまぜる。最初のうちは授業もいいかげん。呆れるほどノーテンキ。定員10名のはずが、復学したホリー(マリサ・トメイ)もまぎれ込む。彼女はシングルマザー。何となく生きてるキースに比べ、ホリーは大学の購買部とレストランのウエートレスをかけ持ち。娘二人を育て、勉強もしなくちゃならない。商品の補充の途中、カートにうつぶせになって寝落ちしている彼女がけなげ。年齢的にキースはカレンではなく、ホリーとくっつくんだろう。トメイは50歳くらいだから、あまり大うつしにならないのはボロを出さないためだろう。授業ではいつも一番後ろにいて、全体を見ているような感じ。自分の人生には不器用だが、だてに年は取ってないようで、キースの授業をそれとなく補佐している。ハリウッドに戻りたい、また一発当てたいと願っているキースだが、学生や同僚と接するうちに変わってくる。一度クビになって都会へ戻って、またすぐ田舎へという流れに目新しいものはない。でも見ていて好感持てるのはキースの人柄のよさ。もちろんそれは年齢を重ねたせいもある。若い頃はもっととんがっていて、自己中心的だったはず。でも今は平和主義。機嫌を損ねてしまったメアリーにはひたすら低姿勢。同じくへそを曲げたカレンに対しても穏やか。すぐれた才能を持つクレムを関係者に引き合わせ、自分はさっと引く。その関係者は自分に冷たかったけど、根に持たない。出演者も皆いい。妻と娘四人をこよなく愛する学務長役J・K・シモンズ、ジェイン・オースティン命のメアリ役アリソン・ジャネイ。メアリの回顧録がどうなったか知りたいのは私だけではないと思うが、何で描写なし?いつもぶすっと怖い顔しているサラとか、学生達もよかった。