レジェンド・オブ・カンフー 太極拳
張三豊が太極拳の創始者だという説は、今では否定されている。その分想像力を働かせて、何でもありのファンタジーが作れる。見ていても何が何だかさっぱりわからないし、突っ込みどころは満載。いちおう調べて書いてるけど、間違いもあるかも。こういう映画はけっこうあるけど、私はほとんど見ない。40年くらい前なら知ってる人も出ていて見るのが楽しかったけど・・と言うのも、当時は本職の俳優ではなく、たいてい何とか省武術隊の選手が出ていたからだ。今はどうなんだろう。冒頭雲霆(ガオ・ダン)というのが出てくる。修羅幕という悪の集団のリーダーか。万古という呪術師みたいなのがいて、薬のせいでみんなはゾンビのようになる。この万古・・「少林寺」に悪役で出ていた人に似てるけど、40年前だしな、違うだろうな。そこへ乗り込んできたのが張三豊(リュー・イーチェン)と莫嫣(マー・リャン)。ありゃ~空を飛んでるぞ。残念なことに主人公である三豊に全く魅力がない。表情が硬くて華がない。パッとしない。表情も動作も大げさで、手ごわいように見えて実はオマヌケな雲霆の方がよっぽど印象強い。ロバート・パティンソン似。三豊は杉良太郎氏とかジョージ・マハリス似。戦いの間、万古は鐘を鳴らし、呪文を唱える。彼をやっつければ操られている連中は力なくすのに、三豊も莫嫣も気がつかない。この連中は血羅刹というらしい。いいねえ、Tシャツに染めたい。血羅刹、修羅幕。で、三豊はあっさり負ける。助けを求めた火龍真人も。まあとにかく後から後からいろんな人が出てくるし、ああなったこうなったと昔のことも含めて説明されるけど、頭が追いつきましぇ~ん。雲霆の義父鮑震卿というのがいて、こいつがいわゆるラスボスらしい。若山富三郎氏に似ていて、何だか笑っちゃう。何でアワビなんだろうプププ。火龍真人が持っているのが八極盒子。中に秘伝書が入っているらしい。悪者の手に渡ると大変なので、秘伝書を始末しなけりゃならないとか何とか。火龍真人も莫嫣も死に、三豊の恋人らしき白青青(チャン・ヤン)は崖から落ちる。で、三豊も「来世で結ばれよう」とか言って飛び降りる。数百メートルもあるから絶対助からない。主人公死んでこれで終わりじゃん。ところが死なないんですよ。旅の僧賈不顛が川に浮いてる三豊助ける。この人内山君みたいだな。
レジェンド・オブ・カンフー 太極拳2
青青の方は東君不克(スン・ジェンポン)に助けられるが、記憶をなくしている。顔はかすり傷一つなく、髪飾りも無事。くり返しますが、数百メートル落ちたんですぜ。三豊は体の毒を抜かなければならないので、胡鉄骨を捜す。途中龍鑲(シュ・シーチェン)と出会う。青青はかいがいしく料理など作り、東君に好意持ち始めたよう。偶然三豊は東君のそばにたたずむ青青を目撃するが、彼が騒いでいるのに一緒にいる不顛や龍鑲はそっちを見ないという、わざとらしいシーンも。さて、八極盒子を開けるには口訣が必要で、それを知っているのは伽羅沙地だけ。都合のいいことに彼は不顛の師匠らしい。三豊が正しい人なのは明らかなので、口訣を教えてもらい、龍鑲に正しいかどうか試してみたらと言われ・・。実はこの龍鑲、雲霆の義妹・・てことはアワビおじさんの娘か。で、秘伝書を奪われてしまう。あれこれあって、青青は桜落と名付けられていたのが突然記憶が蘇り、三豊のことを思い出すと同時に東君のこと忘れちゃった。これじゃ「心の旅路」だ。天極閣の闘いあたりでは三豊も少しはマシになってる。それまでは弱くて。ただ、太極拳は他の拳法と違い、描くのは難しい。拳ではなく、もっぱら掌で推してるのがそれっぽいくらいで。それに派手なCGだのむやみにくるくる回るだの空を飛ぶだの、やらなくてもいいことを盛んにやってる。見れば見るほどあちゃ~となるんだけど、作る方はこうでなくちゃ!と固く信じているんだろう。ま、題名に太極拳とついてるからって全然期待してませんでしたけど。原題は「張三豊2太極天師」なので、1もあるんだろうけど不明。何もかも終わった後、今度は三豊と東君の一騎打ちというところでエンド。東君は自分より強い者を捜していて、三豊と戦おうと捜していたようで。少しは青青に心を動かされていて、それなのに記憶を取り戻した彼女は彼のことなんか目に入らず・・。実は途中からこの東君に注目していたんですの。いつまでたっても三豊がパッとしなくて、ハズレだなあなんて思っていたんですけどね。彼のおかげで見続けることができましたの。グーグルで画像検索すると、まあ目のパッチリしたかわいい写真が・・。ちょっと北島康介氏を細長くしたような感じで。は~それにしても70~80年代の中国製香港製功夫映画はどこへ行ってしまったのかしら。テレビでも放映してくれないし。DVD出してくらはい。