ウォーターボーイ
今ヒットしているのは「スター・ウォーズ」と「アイズ・ワイド・シャット」と「エントラップメント」。「ウォーターボーイ」は二週間で打ち切りのところもある。と言っても三館でしかやっていないんだけど。「シネマ」で見た時は、あんまりおもしろそうには見えなかった。映画が始まって、アダム・サンドラーの一言目の「清潔で・・」を聞いた時は、「あっこりゃまずい予感」と思った。「ペギー・スーの結婚」でニコラス・ケイジがキーキー声を出してまわりの大顰蹙を買ったそうだが、サンドラーの場合はキーキー声に加えてドモリが加わる。これが気に入らない人は、映画そのものが気に入らないだろうなあ。フットボールのルールも全然わからない。これを見に来る人って、フットボールが好きな男性か、「ウェディング・シンガー」でサンドラーが気に入った女性(私もそう)くらいだろう。お客は10人にも満たない。こんなんでやっていけるのかしらと心配になる。ウォーターボーイとは給水係のこと。他にタオル係なんてのもいるらしい。ボビーはいい水を供給しようと水質検査をしたり、一度あっためてから(殺菌のためだろう)冷やしたりと一生懸命務めるが、選手にはいじめられたりからかわれたりのくり返し。それが18年も続いている。怒ることもできず、かえって自分からあやまるほど気が弱いし、家ではママに頭の上がらない超マザコンの31歳。一流校をクビになって、貧乏で40連敗中のチームの給水係になる。しかも給料なしで。それほど給水という仕事に入れ込んでいるわけ。ここでもいじめられるが、ひょんなことから選手になり、猛タックルでチームは連勝。とうとう元日に、クビになった一流校のチームと全米一をかけた試合をすることになる。ところがボビーの高校卒業証明書が偽造であることがわかり、彼は出場停止になる。試験に受かればいいというのでせっせと勉強するが、ママに選手をやっていることがバレ、ママは仮病を使って入院。ボビーが試合に出られないようにする。まあいろいろあって、結局はメデタシメデタシなんだけど、もうちょっと彼のこだわっている「水」というものに関係したエピソードか何かがあって欲しかったと思う。それとクリント・ハワードの告白(?)は余計。それにしてもヒドイ顔だなあ。でもせっせと「デビルスピーク」を見に行ったことを思い出して、懐かしくなった。何を言ってるのかさっぱりわからないコーチがケッサクだ。字幕も「○✕△□・・」ばっかり。優勝しそうだって時に、乳首(ピアス?)を指でつまんでウットリしているところが、なぜかスローモーションで出る。
ウォーターボーイ2
あと、カーネル・サンダースそっくりのおじいさん。白い帽子かぶって出てくるシーンもあって、ホントそっくり。キャシー・ベイツはかなり太っているが、なかなかの美人。このママの作る食事が、アナコンダの丸焼きとか。ワニの子供の炭火焼きとか、カエルのケーキとか、すごいものばかり。ナマズみたいな魚を包丁でぶった切ったり、ボビーの回想シーンではクマだか何だか大きくて毛むくじゃらなのが調理台に乗っていて、こういうのが笑わせるのよねー。飼っているロバはトイレの便器に顔突っ込んで水飲んでるし。ボビーの愛車は芝刈り機だ。道路をトコトコ走っていて、車に邪魔だと怒られる。そんなボビーにもネツを上げてくれる娘ヴィッキーがいる。車を盗んだり、ナイフで人を脅したりという不良だが、なぜかボビーのことが気になる。「何でアンタのことが気になるんだろ」とボヤクところがかわいい。最後には結婚式を挙げるのだが、「このあと夜もあるよ」と言われて、「何があるの?」と何にも知らないボビー。大丈夫かね。サンドラーのドモリっぷりもおかしい。コメディーなんだけど、サンドラーって悲しそうな目をしているので、100パーセントオフザケ映画ってことにはならない。どこかもの悲しさ、ほろ苦さのようなものがある。声を大にして言う!こんなおもしろい映画に何で客が来ないのよ!・・これを書いたのは25年以上前。横浜オデオンとある。あそこのビルには古本屋が入っていて何度か行ったな。今はどうなっているのかな。この頃のサンドラーは大ヒットを連発していたけど、日本ではさっぱりだったようで。笑えることは笑えるんだけど、どこか居心地の悪さのようなものがあって。陰湿なイジメがこれでもかと出てくる。もう18年も続いていて、しかも驚くことにボビーは無給で働いているらしい。クリントのことは上にも書いたけど、今回見てロブ・シュナイダーが出ているのにも気づいた。でもクリントと違って途中でポコッと出てくる。何となく別どりしたみたいな浮いた感じで、おさまりが悪い。しかも出てくる度に映画の品が落ちるようなキャラになってるし。まあ品の悪さが売りでもあるんだけど。それにしてもヴィッキー役フェアルーザ・バークの何と魅力的なことよ。大きな口にコテコテに塗られた口紅。生き生きとしていて飼い慣らすことのできない山猫みたい。彼女は「ザ・メイカー」にも出ていて、不良だけど何となく頼りになるキャラが似合う。たいていの人は試合に勝ったことより、あんなにこだわっていた水のことはどうなった?と感じるようだ。そこからして日米の感覚のズレを感じる。