ルイス警部6

オックスフォードミステリー

ルイス警部6の1 天才の神髄

森林保護の一団が作業中、男性の死体が埋められているのが見つかる。植物園で働くリヴが見つけたのだが、どうもハサウェイは彼女に心引かれたようで。ショックを受けている彼女をいたわり、ハナをかみたいと言われるとティッシュを一枚渡す。5の1でエラビーにハンカチ貸したら、ハナをかんでその後汚れた手をさんざん拭いて、丸めたのを返されていたからな。あたしゃてっきり洗って返しますからと言うと思ったんだけど、そんな気遣いゼロで、あれで懲りてティッシュ用意することにしたんだろう。さて、死体は大学教授のマリー。頭を強打したのが死因。兄のコナーはカレッジの司祭だが、弟とは疎遠だったらしい。マリーの家を調べていると荷物が届く。ルイス・キャロルの「スナーク狩り」の貴重な原本で、後でわかるが20万ポンドで競り落としたらしい。また、家には植物園の地図もあり、リヴも彼を知っていた。他にマーバーという中年女性があれこれ嗅ぎ回っていて、どうやら捜査妨害の常連らしい。ルイスやハサウェイは彼女の話を聞こうとせず、追い払う。こういう女性は実は何かをつかんでいて、そのうち殺され、ルイス達はあの時親身に話を聞いていれば・・と後悔するのが普通だが、今回は違った。マーバーの家へ行く度、死体発見するんじゃないかと身構えていると、彼女が出てくる。あら、まだ生きてる・・。彼女は息子スティーヴィーの死が受け入れられない。クスリの過剰摂取だなんて、そんな愚かなことするはずがない。スティーヴィーはデイビー研究所でフォークナーの助手をしていた。死んだのは彼のせいに違いない。警察に言っても取り合ってもらえないので、ミス・マープルみたいに調べようと六年も奮闘している。フォークナーは植物園の責任者ヘレナと浮気している。冒頭彼は妻セアのカップに白い粉末を入れるので、いかにも怪しく見える。妻を毒殺し、ヘレナと一緒になる気なのか。コナーの方は小さい頃から弟と仲が悪かった。彼も例の原本を手に入れようとしていた。マリーは「スナークの謎」とやらに偏執的なまでに取り組んでいた。フォークナーのところで治験のボランティアをしていたが、本の購入費用のためだった。コナーは「スナークの謎」には興味ないが、手に入れようとしたのは弟に負けたくないから。彼はまた、”水曜会”という秘密クラブの入会で、学生達の心を操っている。今勧誘されているのはヴィンセントとミアのカップル。

天才の神髄2

彼らは自分達は特別とうぬぼれているが、コナーの方はバカにしている。さて、今回は出てくる人がみんな不幸だ。スナークの謎には答などないが、追い求める人達は多い。マリーは人生がそのこと一色になった。原本を手に入れるため金を手に入れようとした。セアは皮膚ガンで、フォークナーは何とか治療薬を・・と、研究している。絵画を売り払ったりしているのはその費用・・マリーへの報酬も含めて・・を捻出するためだろう。マリーが死んだのは薬を試している時に起きた異変のせい。倒れた拍子に頭をぶつけてしまった。パニくったフォークナーは死体を埋めて隠す。この薬にはキングサリからとれるシチシンが使われているが、ニコチンとまぎらわしいので、ローラも見逃したようだ。フォークナーは屋敷の地下で実験しているのだが、セアがいるのにヘレナがその地下へ行くシーンがある。と言うことはセアもヘレナのことは黙認しているのか。しかしフォークナーが愛しているのはセア。ヘレナはいくらフォークナーの心をとらえようとしても無駄と知りつつ、研究に協力していたようだ。精神的に不安定に見えるのは自分の置かれた矛盾した状況のせいだろう。途中でコナーが殺されるが、こちらの犯人はヘレナ。事件には直接関係ないけど、ヴィンセントとミアもコナーに自尊心を傷つけられる。しかし水曜会に勧誘されたのは彼らが最初ではない。他の連中もコナーにバカにされたとしたら、うわさくらい広まってるはずで。いつまでも伝説ではないはずで。また、フォークナーはスティーヴィーの死には何の関係もなかった。彼は薬物中毒で死んだのだ。その事実をルイスはマーバーに伝えなければならない。資料でしっちゃかめっちゃかになってるマーバーの家は彼女の奮闘ぶりを表わしているが、彼女の行動が空回りしていたのも確か。そこが何とも気の毒。あと、ルイスがハサウェイにパートナーが必要と話していたけど、今の彼は仕事がすべてで、このままだとモースみたいに早死にするとでも心配したのか。彼の目から見てもリヴはよさそうな女性で、ハサウェイもおかしなくらいモジモジしていて、好きなのは一目瞭然。でも・・出てこないんだよな彼女、この回だけで終わり。コナー役アレックス・ジェニングスは「ミス・シェパードをお手本に」に出ていた。

ルイス警部6の2 女の自立と恋

冒頭珍しく防弾チョッキを着ているルイスとハサウェイ。大麻摘発に駆り出されたのだ。ルイスは鼻にパンチ食らったけど、逃げようとした犯人をつかまえた。テレビニュースにうつった自分を見て一人でにやつくルイス。ハサウェイはどうだったのかな。唇のはじだけ上げたりして。「女の自立」という著書のある英文学教授ミランダの死体が見つかる。講義の最中オリヴァーからケータイを取り上げていたけど、あの時うつっていたのは彼女の動画か。校長主催のパーティで近寄ってきたのが新聞記者のミッチェル。秘密を知ってるとか言うのがうさんくさい。あちらにいるのが投資顧問のコネリー。ミランダは発見された時、コネリーの写真が載った新聞をつかんでいた。オリヴァーが訪ねてきた理由は不明。ミランダがケータイ返し忘れたとか?留守電のテープはなぜかなくなっている。鎮痛剤とアルコールによる自殺に見えるが、ルイスには引っかかるものが。校長の話では、大学の土地を売って住宅にする計画があるとか。計画を進めているのがコネリーで、ミランダは反対していた。大学に金が入るので、校長は賛成派。ミランダは独身だが、オリヴァーの話では動画がどうとか。調べてみるとバーカー・サイトに交際相手を求めるミランダの動画がアップされており、ルイスはびっくり。会員限定の出会い系サイト、ハート&ソウルのものが流出したのだ。ひどいいやがらせのコメントもあるが、バーカー・サイトのレントンは、アクセスが増えればいい、おもしろければいいという主義。ここでアルバイトをしているのがブライオニーで、今回のハサウェイは彼女が気に入ったようで。ハート&ソウルを運営しているスザンナはプライバシーを盾に協力を渋る。例のミッチェルはここの会員で、ミランダは彼とデートしたことがある。パーティで彼を避けてたのは、彼が既婚者だと知ったからか。留守電のテープを捨てたのは彼らしい。彼が行った時にはミランダはすでに死んでいたと。土地開発の線からコネリーも疑われる。ブライオニーの恋人セバスチャンは、ミランダのせいでアメリカの大学院へ行けなかったと逆恨みしている。恋人がいるのにハート&ソウルに入会し、ミランダの動画に気づくと、仕返ししてやれ・・となる。何だかみんなしてミランダをいじめていたように見える。孤独な人生を歩んできた彼女が思いきって一歩を踏み出したのに・・ルイスは彼女が気の毒で。

女の自立と恋2

ビデオの流出や悪意の書き込みは罪にならないのか・・と、腹立たしい。ハサウェイはセバスチャンを探るようブライオニーに協力を頼むが、その彼女が殺されてしまう。ショックを受け、うなだれたり天を仰いだりしているハサウェイに胸キュン。と言うか、協力を頼んでる時点で危ないなあとは思ったのよ。素人にこんなこと頼んじゃいけませんてば。レントンは捜査の仕返しとして、ルイスやハサウェイの住所や電話番号を公開し、彼らのせいでブライオニーが死んだと言い立てる。そのため二人はローラの家に避難したりする。その間、彼女はどこに?コネリーは何度かミランダとは20年会ってないと言うんだけど、元はと言えばその20年前が始まり。レントン、コネリー、ミランダ、スザンナの四人は同窓生。レントンは会長選でミランダに負けたのを根に持っている。彼女を中傷するうわさをばらまき、恋人どうしだったミランダとコネリーの仲を裂く。ミランダはコネリーに手紙書いたけど、彼は読まずに返送した。ところでミッチェルはこの手紙をどこで手に入れたんだ?彼は妻に浮気がばれて・・と言うか、妻はすでに知っていて、彼のパソコン使って悪意の書き込みしていたようだけど・・、一時レントン同様ルイス達をののしっていたけど、反省して協力する気になったようだ。ミランダはスザンナがやってるとは知らずハート&ソウルに入会したんだけど、実はスザンナは昔からコネリーが好きで。でもコネリーはミランダと別れた後は金儲けに没頭。でもやっと彼もスザンナと結婚する気になって。それがあの手紙の出現でだめになって・・旅行の荷物まで用意したのに気の毒にと思っていたら・・。何とすべての黒幕はスザンナ。ミランダを殺したのもブライオニーを殺したのも彼女。すべてはコネリーと結婚するため。レントンとセバスチャンはそれに乗っかった(殺人は予想外だったろうけど)。ルイスはコネリーが許せない。あの時ミランダの手紙を読んでやっていれば・・。彼が開発しようとしていた土地は、ミランダとの思い出の土地でもあったんだけど。何と言うか、悪意のせいで愛し合う二人は仲を裂かれ、その後修復の道もあったのに、お互い相手の拒否を恐れて歩み寄れないままになってしまう。その悪意の持ち主の方も、結局は意中の相手と結ばれずに終わってしまう。見ていてもやりきれない思いだけが残る。ミランダ役はジュリー・コックス、コネリー役は相変わらずハンサムなトビー・スティーヴンス。

ルイス警部6の3 恐怖のシンメトリー

今回はあまりパッとしない内容。高級住宅地に住むアダムズ夫妻は、息子ジョーをベビーシッターのジェシカに預けて上司トムの家へ。翌朝帰ってきたら、ジェシカは殺されていた。死因は絞殺で、ベッドに両手首をロープで縛りつけられていた。彼女は都合が悪くなったヤズミンの代わりに来たのだとわかる。彼女にはギデオンという恋人がいるが、ロープで縛るような趣味はなし。アダムズ夫妻はいかにも問題抱えているという感じで描写される。例えば夫のトムがジェシカと浮気しているとか。ただ、こういう感じで出てくるカップルは、本来の事件には無関係というのがお約束。今回もそうで、ルイス達の捜査を混乱させるだけ。トムに夫婦交換を持ちかけられ、結局は思いとどまったが、お互い相手を疑って苦しんでいる。最後には誤解も解けたのだろうが、ルイスには理解できない世界だ。理解できないと言えば、マリオンがジェシカをモデルにして撮影した写真もそうだ。ジェシカのケータイで写真を見つけた時のハサウェイの様子から、どんなにどぎつい写真かと思ったら・・そんなでもなかったな。ジェシカの死にギデオンはショックを受ける。彼の悩みはそれだけではない。母親は彼とその父・・つまり夫を見捨てたし、父親は彼を干渉しすぎる。彼が付き合う女性を嫌う。ま、この点がポイントですな。たぶん父親は自分をはねつけた妻を憎み、でも愛しているのでその感情を直接ぶつけるわけにはいかない。代わりに別の女性を攻撃する。そんなところじゃないのかな。見つかった時のジェシカは・・絞殺されたのならもっとひどい顔をしてるんじゃないの?何か不自然。今回はルイスの健全さが目立つ。私の興味はいつものようにハサウェイに。ジェシカの写真にショック受けたのは、磔のように見えたからかな・・なんて思ってみたり。また、第二の犠牲者になるとも知らずサイラスと会話するんだけど、サイラスがはまっているらしい「ナイトキーパー」のことも知っていて。これは・・グラフィックノベルみたいなものかね。彼の守備範囲って広いんだな、普通の書物だけじゃないんだ・・と感心。ハサウェイはサイラスを心配してたけど、見ている我々は彼の肺を心配する。タバコ吸いすぎだって!!

ルイス警部6の4 消せない染み

今回もパッとしない内容。犯罪の危険度というテーマで、イエランド教授が講演する。演じているのは何とデヴィッド・ソウル!ローラとピーターソンが来ている。途中で、反人種差別団体が乱入。パーティが終わって外に出た時もヤジを浴びせられる。酒を飲みすぎたのか、イエランドは具合が悪そうだ。ワインに何か入ってたのは見え見え。その後絞殺死体で見つかる。講演の時、一癖ありげな顔つきの青年がうつる。彼アダムには前科があり、態度もふてぶてしいが、結局殺人とは無関係。イエランドはアメリカから客員教授として来ているが、以前はオックスフォードにいて黒人女性との間に子供ができる。それが大学職員でワインを配っていたリリアン。その後イエランドは妻子を捨て、妻は自殺。リリアンと一緒にいた男性は夫か?アダムはこの男性の弟らしい。ランド教授は学部の宣伝のためにイエランドに講演させ、一団が乱入したのはやらせだったらしい。ランドの夫ロバートは学生のニーナと浮気。ニーナはウィル、エミリーと同居していて、ウィルはニーナに恋している。エミリーはウィルが好きなのに振り向いてもらえない。ニーナは嫌がらせメールや無言電話に悩んでいるが、これはエミリーの仕業。そのうちランドのところに匿名の手紙が来て、ロバートの浮気はばれてしまう。このランドは後でわかるが、イエランドを通じてアメリカでの就職先を捜していた。ニーナを脅して別れさせるが、アメリカへは一人で行く気だったから、ロバートを愛しているわけではなさそうだ。ロバートが教え子に手を出すのは今回が初めてじゃなさそうだし。ロバート役の人はどこかで見たような。パトリック・バラディ・・「満潮に乗って」のローリーだ。ランド役の人は・・アビゲイル・ブレスリンが中年になるとこういう感じになるのかなと思いながら見ていた。リプトン教授はイエランドとは古い付き合い。彼の力になっているように見えてそうでもなさそうに見える。ハサウェイは彼の家に行き、彼がお茶の用意をしている間に(リプトン紅茶だろう!)、書斎を調べたりする。相変わらず頭のいいところを見せるが、冒頭の講演には来ていなかったな。家で一人、酒を飲みながらボーッと・・。ピーターソンはめげずにローラにアタックしているが、彼女は「タイプじゃない」とルイスに告げ、彼も一安心。結局犯人はリプトン。妻子を捨てたイエランドへの憎悪はわかるが、ニーナ殺しは余計。