レミニセンス

レミニセンス

近未来、戦争と海面上昇のため、未来に希望を持てなくなった人類は、楽しかった過去の記憶にしがみつくようになる。それには戦争中拷問の道具に使われた装置が使われる。今日もニックはパートナーのワッツと共に客を過去の記憶に浸らせる。前半の1時間くらいは、見ていてうんざりする。スケールの大きなSFだと思ったら、ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ。ある日突然現われた美しい女性客メイに心を奪われるニック。都合よく彼女は忘れ物をする。愛に満ちた幸福な日々。ところがある日突然彼女は姿を消す。いったいなぜ。ニックは装置に入り、彼女との思い出に浸る。ワッツの忠告も聞かない。あまりくり返すとバーンと言って、現実と記憶の区別がつかなくなってしまうのだが。そのうちメイの裏の顔がわかってくる。バッカという強い麻薬、悪党セント・ジョーに会えば何かつかめるかもと、ニックはマイアミからニューオーリンズへ。マイアミも低地は水没し、金持ちは高台のドライ・ランドに住む。土地をめぐって住民の不満はつのり、今にも爆発寸前。メイは悪徳警官ブースと組んでニックをはめた悪女なのか。いやいやどうせ最後には実は彼女は・・。最初はそうじゃなかったけどニックと会ってこんな人は初めてと考えが変わり・・。はいはい、よくある流れ。よくありすぎて見ていてまたかよ・・と思う。ニックがヒュー・ジャックマン、メイがレベッカ・ファーガソン、ブースがクリフ・カーティス、セント・ジョーがダニエル・ウー。カーティスの悪役は珍しいかな。ワッツ役がタンディ・ニュートン。この映画でよかったのは彼女くらい。彼女はいつも・・「M:I-2」とか「リディック」とかうさんくさいキャラが多いけど、今回は違った。彼女は本当はニックを愛している。途中でニックがセント・ジョーに殺されそうになった時には、単身乗り込んできて銃を撃ちまくる。撃たれたセント・ジョーを前にして彼女が言うセリフが「ランハイドファイト」と同じなのには驚いた。話を戻してニックは彼女のことは友人としか思っていない。何しろ彼はメイのことで頭がいっぱい。怒ったり呆れたりしながらもワッツは最後までニックを見守る。メイを失ったニックは彼女のいない現実に未練はなく、装置に入り彼女との思い出に生きるのだ。何とも後ろ向きな映画ですな。