エレメンタリー2

エレメンタリー2の1 ロンドン・コーリング

待ちに待ったシーズン2。何とロンドンまで行ってて、気合十分。あれ、もう終わり?ってくらい時間のたつのが早かった。事件そのものは軽め。英国のメディア王ペンドリーの葬儀で騒ぎを起こしたのがレストレード。彼は以前ホームズの協力で・・と言うか主導で、事件を次々に解決。表に出るのを嫌うホームズが、手柄を全部譲ったのが裏目に出て、名声依存症に。ホームズがロンドンを去ると化けの皮がはがれてしまう。雑な捜査のせいで評判は落ち、そのせいでさらにという悪循環。ペンドリーの息子ローレンスの妻殺しを疑ったものの、停職に追い込まれ、それを恨んでの今度の暴挙。今では警察から追われる身だ。ヤードのホプキンズ警部の依頼でロンドンへ飛んだホームズとワトソン。自分の砦ベイカー街221Bへ行ってみると、現われたのは兄のマイクロフト。兄がいたなんて・・と驚くワトソン。今回はレストレードとマイクロフトという原作ゆかりの人物、おまけにベイカー街まで出て来るサービスぶり。レストレードが自分の手柄でもないのに名声を得てしまったこと、依存症から抜け出すことの難しさが描かれる。今回ホームズの捜査でローレンスが逮捕されると、またぞろ自分の手柄にしてしまう。ホームズが今回は自分の手柄にするなと忠告したにもかかわらずだ。次の事件が起きればまたボロが出るのに・・。レストレード役はショーン・パートウィー。マイクロフト役はリス・エヴァンス。今はリス・アイファンズと表記するようだが。今回のような比較的まともな役は珍しい。私が彼を最初に見たのは「リトル★ニッキー」だが、有名になったのは「ノッティングヒルの恋人」からだろう。敵役では「ハンニバル・ライジング」が印象に残っている。大柄で、よくよく見ればハンサム。私は「シャーロック」でのマーク・ゲイティスは好きじゃないので、こちらのエヴァンスに期待している。昔から仲が悪く、今回突然再会しても歩み寄れない。太っていたのがやせたというのは「シャーロック」と同じだが、こちらは病気のせい。骨髄移植とか言っていたから白血病か。適合者をつのる時も弟に頼まなかったというのが二人の溝を感じさせて泣かせる。表向きはレストラン経営者と見せて実は政府の重要人物かなとも思ったが、違うのかな。ラストの「兄貴と和解したみたいだ」というホームズのセリフがいい。

エレメンタリー2の2 博士の愛した数式

今回はワトソンの過去が明らかに。手術中にカストロという男性を死なせてしまった彼女は、今でも毎月墓参りに。ある日カストロの息子ジョーイとばったり。カストロの妻はワトソンを訴え、裁判では辛い思いをしたが、ジョーイは違う。ワトソンにとってはありがたいことで。とは言え彼は大学をやめ、店を出そうと金策の最中。ワトソンにも頼んでくる。彼女はホームズに給料の前借りを頼むが、5000ドルのところ2万2000ドルもポンと出す。彼は金には執着しないのだ。ただしワトソンが罪悪感にとらわれていることを指摘する。自分もアイリーンに対する罪悪感で失敗した経験があるから、同じ目に会わせたくない。金が絡んできた場合は注意が必要。一度じゃすまない場合もあるから。結局ワトソンは学資なら出すが、店には出資しないと条件を付ける。ジョーイはすでに勉学への意欲はなくしているようだから、この話はなかったことになるのか。大学へ行けなくなったのはあんたのせい・・と、失望のあまりちらりと本音が出ていたが、その後あやまっていたから、ジョーイはいい子なんだと思う。ワトソンは表情を変えず自分の意志を通していたから、たぶん不必要な罪悪感からは抜け出せたのだろう。メインの事件は数式に関するもの。ソトという数学講師が殺される。ホームズが容疑者とにらんだ共同研究者ナウアーも殺される。バレット教授にはレストランの監視カメラ映像という動かせないアリバイがある。彼女の元カレ、ジェイソンには不利な証拠が続々と。某数式が証明されると、いろんな技術に応用できる。暗号解読、ハッキング。昔は監視カメラは時計がうつり込むようにしたけど、今はデジタル表示されるからそんな必要もないのか。でもハッキングによって時間表示が操作されたら・・。バレットの身柄は、ほぼ完成させていた証明ごとNSAの手に。悪用されれば将来犯罪捜査とか大混乱に陥るだろう。監視カメラの映像は信用できず、メールの授受も。冒頭路上強盗の後撃たれて重体だったチャールズは命を取り留めるが、このことが改心のきっかけになることはない。犯人逮捕に繋がる証言をするから罪を帳消しに・・と、取引。罪悪感というものが全くなく、自分の利益だけ。それにしても莫大な治療費・・誰が払うのだろう。

エレメンタリー2の3 誰がために

今回は後から後からという感じでめまぐるしい。終わってみると、あれは何だったんだ?これはどうしたんだ?って感じ。エズラという男が国家機密の漏えいを謀る。ミューラーという男が、彼を保護したいから居所を突き止めてくれと依頼してくる。ただ、彼は本名をハニカットと言い、保護ではなく始末したい側のようで。じゃあ彼は悪人でエズラは正義の味方かと思っていると、かくまってくれていた女性ヴァネッサを殺したようだし、どうなってるの?国外へ逃げようとした彼を空港でつかまえるが、各国にいる工作員の命はないぞと脅され、見逃すはめに。ホームズは元工作員であるハニカットを説得し、工作員の無事を確保。ワトソンの機転で手に入れていたエズラのDNAと、ヴァネッサの爪に残っていた皮膚を照合。機密漏えいではなく、殺人容疑で逮捕する。たぶんこういう流れなのだと思う。ジャーナリストのキャロルの存在は何だったのか、エズラは結局何をしたかったのか・・女性を殺すようなただの悪党だったのか。今回ホームズはサイバー攻撃のせいで、パソコンやケータイが使えなくなったり、大量のピザが届くなど被害を受ける。あげくの果てはシークレット・サービスに連行される。でも彼らにだってサイバー攻撃を受けていることは一目でわかるはず。何で三時間も尋問する?ホームズなら完璧なセキュリティシステム設定していると思ってたけど違うのね。普通にハッキングされちゃうのね。例によってお節介な女友達がワトソンに無断で出会い系サイトに登録してしまう。こういうのって一種の犯罪だと思うが。ジェフという男性と知り合うが、大人しくて誠実そうなタイプ。でも、彼に男性と同居中という事情を説明し、理解してもらうのは難しいのでは?女友達と会っている時、ひっきりなしにホームズからメールが来る。人形とドールハウスを使った推理の訓練だが、おかしくて笑える。たぶんワトソンがそばにいないのでさびしいのだ。だから友達とのひとときを邪魔する。人生を余計なことに費やさないですむ・・と、恋愛を切り捨てた彼だが、モリアーティからの手紙を読む心中は?何が書いてあろうと彼女の目的はシャバに出ること。利用できるものは何でも利用する。それくらい彼にはわかっているはずだが。

エレメンタリー2の4 罪と罰

今回はどうしたのだろう。えらく後味が悪い。最初はいい。ホームズは電話をかけてきた相手に「女王様」なんて言ってる。で、確かに女王様なのだ。手にムチ持ってるけど。死んでいたのはデランシーという男。財務コンサル会社のCEO。ちょっと見には、これから始まるプレイに興奮して心臓発作起こしたように見える。でもホームズはニトロによる毒殺と断言。デランシーにこんな趣味があることは妻のペリも知らなかったが、それもそのはずSMスーツを着せたり女王様を呼び出したりしたのは同じ会社のジェフリーズ。デランシーに変態趣味があったとなれば、退職金が節約できる。一方ペリの方は、夫に女はいないかと探偵に調べさせていた。いれば離婚の慰謝料をふっかけてやれる。いやホントみんな金には汚いね。子供の世話係のバーカーを調査したら、15歳の時に父親を殺した罪で逮捕されていたことがわかった。裁判で無罪になったが、夫をニトロで殺してバーカーの仕業にしてやれ。でも、計画したものの実行はせずじまい。ホームズはバーカーに会ったとたん彼女の正体に気づく。事件に興味を持ち、しばらくの間彼女と文通していたからだ。彼女は彼にとって、その後の進路を決めるきっかけとなった人。研究対象と強調するが、ワトソンから見れば恋していたのは明らか。バーカーは名前を変え、整形し、目立たないよう生きてきた。でも結局過去はばれてしまう。それどころか利用されてしまう。一度ついた汚名はなかなか拭えない。しかもホームズは文通の間に、彼女が父親を殺したのだと確信していて。こういう重苦しい内容を、どう終わらせるのかなと思っていたら・・。デランシーを殺したのは息子のグレアムだった。それを知ったバーカーは、自分が犯人と名乗りを上げる。彼女にすれば罪滅ぼしだが、グレアムにとっては一生の重荷だ。殺したのはデランシーの性的虐待が原因だから、情状酌量の余地はある。辛くても真相を明らかにし、胸を張って生きていった方がいいのでは?退職金がふいになったら継母の態度は変わるだろうが、バーカーは変わらず味方になってくれたはず。それでも黙っているの?

エレメンタリー2の5 ダブルフェイス

殺人事件が起こらず退屈しているホームズは、死体置き場へ。交通事故死とされていたレオが、実はロシアン・マフィアの殺し屋だったことを見抜く。決め手は刺青。彼はアメリカへ来てからは真面目に働き、介護施設の建設を夢見ていたようだ。しかし彼の手には誰かを絞殺した時にできたと思われるあとがあった。殺し屋稼業は引退していなかったのか。あれこれ手がかりを頼りに探っていくが、空振りも多い。彼の妻は裏の顔を知らなかったようで、急には信じられない様子。とは言え、こういう時一番怪しいのは配偶者。バイク事故の現場を調査し直したところ、近くにロシアン・マフィアのアンドレフという男の死体があった。やはりレオは事故で死ぬ前、人を殺していたのだ。その彼を銃で撃った者がいる。弾は当たらなかったが、バイクは乗用車に衝突。レオと女性ドライバーが死んだ。あれこれあって、犯人はやはりレオの妻。以前生活に困って映画に出たが、それをレオに知られ、離婚を切り出されたらしい。と言うことはポルノ映画か?結婚後私だって働いて二人でお金をためたのに・・と怒った彼女は、夫を密告。レオは渡米前組織の金を持ち逃げしたとかで、賞金がかかっていたらしい。またレオはガーツという男からも金を借りていた。呆れたことに不動産業者のハードウィックは、その金を女とクスリに浪費。金がなくなるまで遊ぶつもりだったらしい。ガーツ役のマイク・スターはよく見かける。「スネーク・アイズ」とか。実はレオに貸した金は銀行強盗で得たもの。貸してあげた理由は、レオが自分の母親によくしてくれたから。今回あっちへウロウロこっちへウロウロしていたけど、その中で唯一まともなエピソード(もちろん強盗はよくないけど)。副ストーリーはワトソンが友人のジェニファーに、ある男性を捜してくれと頼まれること。一年前、一夜限りの関係を結んだが、忘れられないと言う。ところが何とこの男性がホームズで。ワトソンの怒りは、二人が関係したことではなく、ホームズが自分を尾行していたことに向けられる。まあ尾行するより友人からワトソンの情報仕入れた方が楽だからね。

エレメンタリー2の6 真の標的

今回はグレッグソンの私生活が明らかになる。本編終了後にエイダン・クインのインタビューをやってくれたが、「張り込み」などのぎらついたキャラとは違う、こういうソフトな感じの彼が好きだ。知的で温厚。中年女性が帰宅すると、マスクをかぶった男が銃を突きつける。冷静に対処するが、それもそのはず彼女シェリルはグレッグソンの妻。ただし今は別居中。今回は妻が被害者、自分が標的とあって、捜査の指揮は取れない。ベルもボスの私生活に踏み込むのは気が進まない。でもホームズはそんなこと気にしない。結婚なんて厄介事、一夫一婦制度そのものが間違ってる。それと刑事は仕事ではなく使命。家庭が壊れて当然。シェリルは家庭を顧みないグレッグソンに嫌気がさし、一人になりたいと言い出す。じゃあ自分が家を出るかというとそうならない。グレッグソンの方が出る。事件の方は大したことなし。犯人は向かいの家と間違えただけ。グレッグソンは標的ではなかった。二人殺されるけど、彼らは兵士として某発掘現場を護衛。学者のべスが鉢を盗むけど、それを知ってる二人を元夫に殺させた・・みたいな。何か動機が弱いように見えるんだけど。鉢一つで殺人って・・。だから興味はどうしてもグレッグソンの方へ行っちゃう。一人になりたいはずの妻は幼なじみを夕食に招いていた。そいつと浮気してるんじゃないか。ホームズに調べてもらおうか。でもプライドが許さない。で、またまたホームズに言わせると、結婚相手だと思うからそうやって悩むはめになる。パートナーだと思えばいいじゃないか。結局グレッグソンも妻の気持ちを尊重し、時間をかけることにする。飼い主のべスが逮捕され、行き場のない犬をシェリルに預けていたが、あのシーンを見て愛犬家はホッとしたことだろう。シェリル役タリア・バルサムは名前でわかるがマーティン・バルサムの娘。ジョージ・クルーニーの元妻らしい。また、ヴィンセント・ヴァン・パタン達とはいとこになるらしい。ヴィンセントは一時映画雑誌に写真が載ってたな。金髪でハンサムだけどあごが長すぎるのがたまにきず。テニス選手でもあるというので話題になった。

エレメンタリー2の7 華麗なる依頼人

今回は何やら妙なことになっている。マイクロフトがレストランの支店を出すためニューヨークへ。ホームズがいたのは依存症のグループセラピーか。自分は生まれる時代を間違った。現代はうるさすぎる。もっと静かな時代の方が・・などと本音をしゃべっていると、なぜか兄がいて。たちまち壁を作るホームズ。ゆったりとしたマイクロフトに対し、ホームズは子供のようだ。敵意剥き出しだし、疑り深い。兄弟共通の知人・・前に話に出ていたマイクロフトの元婚約者ナイジェラが出てくる。彼女はその後侯爵と結婚。離婚した今も身分は侯爵夫人。で、彼女の持ち馬シルヴァー・ブレイズが狙われ、恋人ダルトンが殺されたと。シルヴァー・ブレイズは原作にも出てくるが、もちろん設定は違う。と言うか、よくわからん。ホームズは彼女をあばずれだと思っていて、軽蔑心を隠そうともしない。それにしてもナイジェラが出てきた時、アイリーンかと思ったのは私だけ?後でわかるがシルヴァー・ブレイズはすでに死んでいて、ナイジェラは兄弟馬をシルヴァー・ブレイズに仕立て上げ、名馬として高額の種付け料を取っていた。その子馬を買ったアグイアという男が、だまされたと気づき、仕返しに殺し屋を送り込んできた・・そういうことらしい。こねくり回したような筋書きなので、あまりおもしろくはない。たぶん見どころは子供っぽくプライドの高いホームズを演じるジョニー・リー・ミラーの演技なのだろう。胸を張り、体をねじり、じっと動かないところをやや下からうつすとか。とにかく構えている。スキを見せまいとしている。対するマイクロフトは肩の力を抜き、正面からじっと見すえる。ホームズは初めて兄の病気のことを知り、何で黙っていたのかといじける。ドナー捜しに奔走してくれたのがナイジェラで、それでマイクロフトも今回彼女を助けることにしたのだ。ホームズが悪女だと思い込んでるのとは別の顔がナイジェラにはあるのだ。馬の件ではホームズ達をだましていたけれど。で、ホームズがやたらワトソンとマイクロフトの仲を疑うシーンがあって、笑うところなのかなと思っていたら何やら妙な方向へ。ロンドンへ行った時、二人に関係ができたと?それってちょっとワトソンらしくないのでは?

エレメンタリー2の8 血は水よりも濃く

今回もマイクロフトが出てくる。棒術の稽古・・と言うかフェンシングみたいになってるけど。頭に卵を付けてるのが笑える。車の屋根に落ちてきた女性・・でも死因は刺し傷によるもの。彼女ヘイリーは、ホームズの推理によるとニューヨークへ来て間もないようだ。また、お金の使い方にも慣れていない。と言うことで誰かの愛人か。アパートの所有者はIT界の大物ゲイル。おや、このゲイル役ウィリアム・サドラーは「アイアンマン3」で大統領やってた人だ。調べてみたら「ダイ・ハード2」にも出ていた。たぶんヘイリーはゲイルの愛人。でも見ている方は愛人ではなく娘だろう・・と思う。「メンタリスト」などでもよくある設定。実はゲイルは心臓の移植手術後の拒絶反応のせいで重体。そばには妻ナタリーが付き添っている。ヘイリーはモーリーンという女性との一夜の関係でできた娘。ナタリーと結婚する前だ。彼は特殊な血液型なので、輸血を頼もうと捜し出したらしい。後でモーリーンが、今頃になって自分達の都合でとか怒っていたけど、若くて健康で仕事も順調な時には、相手の心を思いやったりしないもの。お金渡してはいさようなら。とにかくゲイルに犯行は無理。次に疑われたのはナタリー。元医者だし、ゲイルの遺産がヘイリーに行くため取り分が減るのはりっぱな動機になる。しかし輸血のためヘイリーを捜すよう言ったのも、遺産がヘイリーに行くよう進言したのも彼女。もし犯人ならそんなことしない。もちろんこれは後で引っくり返る。そのうちゲイルは死亡。誰もが自然死、病死だと疑わない。でも犯人の目的がヘイリー殺しではなく、ゲイル殺しだったとしたら?もちろんヘイリー殺しも計画のうちだけど。動機はやっぱり金。夫の死で一番犯人の確立が高いのは妻。今回もその通りでしたとさ。何だかひねりがないなあ。一方マイクロフトはロンドンへ帰るのだが、ホームズにも戻って欲しいようだ。父親を引き合いに出して説得を試みるが、ホームズは断る。で、その後のマイクロフトの行動がやや不可解。裏のない人物に思えたけど、違うのかしら。

エレメンタリー2の9 境界線

今回は今までにないような異質の殺人鬼登場ということらしいが、やや消化不足。二回に分けてじっくり描けばいいのに。橋の上でサマンサという女性の死体が見つかる。彼女はルーカスという男に狙われていたようだ。「ソア橋のなぞ」がすぐ思い浮かび、ルーカスの容疑を晴らすのがメインかと思ったら違った。そもそも他殺に見せかけた自殺というのを冒頭で見せてしまっている。サマンサは妹アリーを殺したのはルーカスだと主張。それを証明するため自分の命まで犠牲に。彼女を自殺と見破ったホームズだが、ルーカスがサマンサを殺していないのと同じくらい確実に、アリーを殺したのはルーカスだと感じ取る。ただ、ルーカスには金などの動機がなく、ポリグラフもすり抜けるほど冷静。かえってホームズの行き過ぎた行動が問題視される。以前アリーの件を担当したコヴェントリー刑事は、過去の事件をほじくり返され、無能呼ばわりされ怒り出す。彼だけでなく、署全体にグレッグソンのホームズ重用に対する批判ムードが漂っている。ワトソンはもっとまわりに気をつかうようホームズに忠告するが、彼は無視する。今回の「境界線」という題は、一線を越えて悪の世界へ入り込んだルーカスのことを指しているのかと思ったが、見ているうちにみんなのことを言ってるような気がしてきた。ホームズにははっきり線引きができる。解決のためなら何でもする。グレッグソンも同様だが、線引きするにはいささか複雑な立場にいる。署の連中の顔も立てなければならない。事件解決が最優先だからホームズ重用はやめないが、彼には腹の立つこともしばしば。サマンサは妹のために一線を越えあの世へ行ってしまった。ルーカス役の人はどこかで見たような。調べてみたら「サンシャイン2057」のトロイ・ギャリティだった。長身で目が大きく見映えがするのだが、そのわりには印象薄いのが惜しい。コヴェントリーも見覚えがある。「フェイス/オフ」や「8MM」のクリス・バウアーだった。ティム役の人も気になる。彼と、救出された妻との再会は感動的で、ホームズやグレッグソンはこの瞬間のために日夜働いているのだろう。

エレメンタリー2の10 女王陛下の暗殺者

今回はちょっと変わった設定。ホームズは審問を受けていて、なぜこうなったのかが回想で綴られる。まずサイラスという青年が錯乱した状態で現われる。騎士とか女王とか。騎士は自分で、女王は元恋人ラダのことだとそのうちわかる。彼女は胸を撃たれて死んでおり、銃を持ち、靴にラダの血が付いているサイラスは当然のことながら疑われる。しかしホームズは彼は誰かにはめられたのだと確信。ラダはガンで、ホッブスという医師から新薬治療を受けていた。保険のきかない高額な新薬の費用を、教師のラダはどうやって払うのかという疑問が出るが、生命保険の前払い制度とやらを利用していたらしい。治療が長引き、医療費が保険金を上回る場合もある。しかも担当のディランは服役経験があるのを隠していた。しかし見ている我々には彼は犯人だとは思えない。たぶんホッブスが犯人だろう。いろんな捜査物を見ているせいで先が読めてしまう。見ている人の多くは、サイラスとラダの関係に興味を持ったはずだ。色が白く金髪の美青年、彼が女王とあがめるラダ。中世の騎士物にはまっていたらしいが、小道具を見せられ、言葉で軽く触れられるだけ。作り手が描きたいのはホームズの捜査方法の是非。今までわりとスルーしてきたけど、そろそろここではっきりさせておかなくちゃという変な義務感。型破りな捜査だからこそおもしろいのに、そこに白黒付けてどうする。確かに彼は正当な手続きを無視する。判事が言うように、自分を法を越える存在と考えている。だから顧問はやめるべきだ。しかしこれは勧告であって、決定ではない。もしホームズの捜査が違法だとなれば、今まで解決した事件も見直しとなるかもしれない。だからホームズの地位は今まで通りだ。今回審問が開かれたのは、ベルが負傷したせいである。前科がばれ、保護観察違反もばれたディランは逆恨みし、ホームズを撃つが、弾はベルに当たる。しかも血栓のせいで右腕が不自由に。このままだと刑事も続けられないかも(銃が扱えないから)。今回はベル役ジョン・マイケル・ヒルのインタビュー。ベルは几帳面できれい好き、酒もタバコもやらないと言っていたな。判事役はレクターシリーズのフランキー・フェイソン。全然年取らん。

エレメンタリー2の11 殺しの匂い

今回はちょっと盛りだくさんすぎて焦点がボケ気味。おまけにメインの事件が入り組んでいてわかりにくい。ハウザーという男がネズミ講みたいなことやって、たくさんの被害者が出る。彼はさっさと自殺しようとするが、誰かに殺されてしまう。死体を発見したのは個人シェフのクロエ。彼女は以前クスリの依存症でワトソンが付き添いをしていた間柄。ハウザーの詐欺を暴いたジャーナリスト、ヌニュスも殺される。詐欺の被害者が犯人ならヌニュスを殺すはずがない。ハウザーが会計士を務めていたNPO・・ホロコースト生存者支援団体のワイスが出てきた時点で、こいつが犯人とわかる。あれこれ回り道するけど、結局彼に行き着く。ハウザーの詐欺がまずあって、これが殺人に関係しているのかなと普通は思う。クロエが昔クスリ欲しさに付き合っていたネルソンは、今では画廊を隠れ蓑にやっぱりクスリを販売。で、ワイスもやっぱり着服した支援金の資金洗浄に画廊を利用していて。会計士をしていたハウザーがワイスの着服に気づいて、ヌニュスに暴露。ワイスは自分の犯行がばれる前にネルソンに命じて二人を始末。ネルソンの犯行がばれそうになるとやっぱり始末。ん~てことは詐欺とクスリの販売はオマケ?謎解き部分を何度も再生したけどよくわからん。さて前回の事件から数週間たっていて、ベルはデスクワークに回されている。ワトソンが気をつかって話し相手になろうとするけど、沈黙の方が楽と断られる。そうそう、すべてをさらけ出すっていう方法取りたくない人だっているよな。一方ホームズは自分は間違ってなかったと主張するが、心はモヤモヤ。アルフレードがいつも通りいい感じで出てくるけど、ちょっと淡泊すぎる気もする。悟りの境地と言うか・・。彼が提案したのは”人のために”・・つまり今度はホームズが支援者になること。ワイスのエセ支援と対比させたかったのかな。クロエ役の人は見覚えがある。「デンジャラス・ビューティー」二作に出ていたヘザー・バーンズだ。クロエは薬物依存の過去がばれると赤ん坊の親権を取り上げられるおそれがあり、協力を拒む。そのためワトソンは別の方向からネルソンへ行き着くようにしなければならない。ホームズはクロエの事情なんか気にしないが、ワトソンは気をつかう。

エレメンタリー2の12 マレフィセント

今回もごちゃごちゃしていてわかりにくい。ホームズとアイリーンの文通は続いている。学問のため研究のためと言いつつ、かなりホンネ書いてる。文通はワトソンには内緒で、手紙は屋上の蜂の巣箱に隠している。ワトソンの前で養蜂用の服を着ていたりするのは、全然秘密にはしてないんだぞってことなのかな。ちょっと頭を働かせれば気づくはず・・とか。もっともワトソンはせっせとネットで出会いを求め、これはと思う男性とデート。でもいつも空振りで。私から見ると何でネットで?って思うけど。フラーという男性が殺され、娘ケイデンが誘拐される。身代金は5000万ドル。犯人の声を聞いたホームズは、以前モリアーティとして電話をかけてきた男と同じなのに気づく。アイリーンは厳重な監視下にあり、外部と接触できないはずだが・・あ、でもホームズと文通してるけど。彼女が何らかの方法で部下に命じて誘拐事件を起こしたように見えたが・・。アイリーンなら事件解決に協力できるというので署に来るが、ホームズは彼女が何か企んでいるに違いないと警戒を強める。今回意外なことがわかる。ケイデンは実はアイリーンの娘らしい。父親はホームズ?って誰もが思うが、違うらしい。産んだものの、自分では育てられないので養子に出し、フラー夫妻が引き取ったのだ。なぜかこの秘密をにせモリアーティ・・デヴォンが知り、ケイデンの命と引き換えにアイリーンを脅してきたらしい。5000万ドルはおまけで、本当の目的は彼女から何か聞き出すこと。何だかよくわからんが、今回に限ってはアイリーンは被害者らしい。クスリ漬けだったホームズが変われたように、希代の悪女アイリーンも娘のためなら変われた・・そういうことを言いたいのかな。脱獄するため手首を切り、ラスト病院へ運ばれるアイリーン。命に別状はないということだが、見ている者が知りたいのはケイデンの行方。養母の元へ戻したのではないのか。うまく右手を使えないベル、妻との関係が改善されていないようなグレッグソン・・どうも全体的に暗いムードが漂う。事件が起きてホームズとワトソンが解決する・・そういうシンプルな軽快な作りでいいのに。

エレメンタリー2の13 ギャング・オブ・ニューヨーク

ウヒョホ!何じゃこりゃ、何が何だかさっぱりわからないぞ。わかるのはベルがまた戻ってきたということだけ。字幕を読んでいても「はあ~?」「ええ~?」「誰が誰だって~?」「何がどうしたって~?」頭が追いつかない。こら脚本家いじくりすぎだぞ自分でわかって書いてるのか?俳優だってセリフの意味わかってしゃべってるのいないぞあれじゃあ。少し前落ち込んでいるベルのところへ社会統計部のダシルヴァが引き抜きに来て。対テロ機関として情報を分析する仕事。真面目で几帳面なベルには向いていると思うけど、彼はやっぱり現場で動き回りたい。でもホームズと顔を合わせるのが嫌でこっちに移ってきた。通報があったとかで石油リサイクル会社へ。やっぱり外はいい。同行した仲間は寒いのは嫌と、仕事に熱意が感じられない。通報のほとんどは空振りだから仕方ないにしても、何となくだらけたムード。とにかくベルはドラム缶に詰められた死体を発見。パジェロという男の息子ボビーらしい。犯人と予想されるフェラーラも、パジェロも、ともにマフィア。直接手をくだしたのはフェラーラの幹部スカリスだろうとホームズは推測するが、その彼は爆死。息子を殺されたパジェロが復讐したのか。しかしフェラーラは何も知らないようだし・・とまあいちおうこうやって文章に綴っているが、書いていてもよくわからないのだ。途中でパジェロ親子のメールのやり取りにNSAが関係しているらしいとなって、ウェブ開発会社マクナリーに話を聞きにいく。ここでの会話もわかりにくいし、帰り際のぬいぐるみがどうのというホームズのセリフも何のことやら。後でマクナリーが連絡してきてホームズと会うんだけど、このシーンが一番ドキドキした。だっていかにも狙撃されそうな場所にいるし、そういううつし方するし、敵は手強そうだし。情報を伝えようとしたとたん銃声が響いて・・あら?何事もなく話し終えちゃったわ。このマクナリー・・見覚えがあるわ。ティム・ギニー・・「ブレイド」や「ヴァンパイア/最期の聖戦」に出ていた人じゃないの!私としたことが忘れるなんて!結局黒幕はダシルヴァ。ボビーを殺したのは彼?新聞の切り抜き記事あたりも何が何やら。

エレメンタリー2の14 眠れる化石

今回も低空飛行。何とか間に合わせましたって感じ。だって・・思いませんでした?自然史博物館の学芸員トーマスが出てきたとたん、ん?もしかしてこいつ・・って。さっと通り過ぎちゃうけど、その軽い扱いがまた怪しい。途中で出てくるディエゴとかいう男なんて、ダミーに決まってる。いや、別にいいんですよ。毎回最後まで犯人わからないくらいうまく作れなんて言いませんてば。でもちゃんとして欲しいところがぐずぐずなのは困るんですってば。全体が低調に見えてしまうんですよ。ワトソンは過去の未解決事件を引っくり返している。三年ほど前に手がけたニューバーグ事件。その頃のホームズは依存症のせいで十分頭が働かず、解決できなかったらしい。で、ニューバーグの家の庭石の中に恐竜の化石がまぎれ込ませてあるのに気づいて。で、あれこれあるんだけど、この元となる事件がはっきりしない。友人のディエゴは密輸をやっていて、化石を渡した後ニューバーグがすぐ殺されてしまったため、関わり合いを恐れて今まで黙っていたと。で、誰から化石を手に入れたんだ?誰に渡す(売る)ことになっていたんだ?隠したのはニューバーグ?ところがこの化石が警察から盗まれてしまう。まだこの化石のことは誰も知らないはずだが・・ってトーマスは知ってるじゃん!密輸品だから闇ルートで売るしかない・・と、”カササギ”という通称を持つターナーに接触しようとすると、すでに彼は殺され、そばには割られた化石。犯人は化石を売るのは目的ではないと?警察から化石を持ち出したのは二人組だが、一人はトーマスとして、もう一人は誰?ターナー殺害現場から採取されたDNAは、考古学者ドネリーのもの。しかし彼は車椅子だし、動かせないアリバイがあるし。何だかよくわからないうちに犯人はトーマスということになるが、何で化石壊したの?ラスト、化石はホームズのところへ来るけど、モンゴルへ返さなくていいの?今回ホームズが支援者になっているランディが困ったことになる。依存症のきっかけとなった女性イヴと再会したらしい。彼女は今も依存症。ホームズは関わりを持つなと強く忠告するが、女体の魅力、クスリの誘惑には抗しきれず・・。

エレメンタリー2の15 バレエ・カンパニーの怪人

ホームズは床屋にでも行ったのか、頭がさっぱりんこ。しょっちゅう女性を引っ張り込むので、ワトソンも呆れ顔。バレエのリハーサル中、舞台に死体が落ちてくる。しかも胴体のところでまっぷたつ。被害者はバレリーナのネル。直接の死因は頸動脈の切断で、凶器のカッターナイフはベテランプリマ、アイリスのもの。彼女には犯行時刻のアリバイもない。ホームズは彼女のファンらしい。しかも情報を得るためと称して彼女と寝る。これも情報を得るため、アイリスの方から誘ってきたらしい。事件関係者と寝るなんて・・と、ワトソンは呆れ返る。途中でネルの元カレとか、アイリスを恨んでいるパパラッチが出てくるが、怪しく思えるのは弁護士のノーラン。そのうちアイリスとネルが恋愛関係にあったことがわかる。どうもアイリスは、若手に主役を取られそうになると誘惑していたようだ。そのうちネルを本気で愛するようになり・・。それでいてホームズとも寝てるじゃん!結局犯人は(思った通り)ノーランだった。でも何で死体がまっぷたつになるような余計な細工するのか。ハデな事件にしたかったのか。容疑がアイリスにかかるように仕向け、ピンチにしておいて、一転自分の弁護で無罪にする。そうすりゃ自分も一流弁護士の仲間入り。ワトソンの方は、ホームレスの支援をしているようで。その一人モリスが薬が切れて騒ぎを起こす。彼はフリーボが車で連れ去られたと主張するが、警官は妄想だと相手にしない。ホームズもそう思っている。しかしワトソンはモリスを信じ、フリーボなるホームレスを捜し回る。後でわかるが、彼女の実父は統合失調症でホームレス。だから他人事とは思えないのだ。自分が支援しているように、どこかで誰かが父に手を差し延べてくれているかもしれない。フリーボの姉レイチェルに会うが、後でニセモノとわかる。家に踏み込むと、フリーボだけでなく他に二人閉じ込められていた。障害年金や軍人恩給の詐取である。・・てことは、フリーボにはスキを突いて逃げ出す機会もあったってことね。そこでモリスと出会うけど、見つかって連れ戻されたと・・。

エレメンタリー2の16 昨日の友は今日の敵

今回はレストレード再登場。原語だとレストラードと聞こえる。グリフィン・ホテルのレストランで爆発が起きる。爆弾が仕かけられていたのはテーブルの下で、銀行家や労働省の役人がランチをしていた。バルシール銀行のCEOが調査のため送り込んできたのは、何とレストレード。彼は今では顧問探偵をしているらしい。今回はわりと理詰めな感じでいいと思う。ホームズがわりとまとも。何しろレストレードが怪しさぷんぷんなので、彼はまともにならざるをえない。席順表から、標的と思われる犠牲者三人の中で、ホームズが目を付けたのがアイヴァー。彼はバルシールに対し、クーデターを起こそうとしていたらしいのだ。彼を脅威と見て始末したのか。ホテルにはティトンという男が宿泊していて、それはどうもバルシールらしい。防犯カメラの映像にうつっていたのは、チェックインするレストレード。追いつめられた彼は、バルシールの浮気の手伝いをしているのだと告白。一方爆破事件の後、犯行声明が届き、アウレリウスという爆弾魔が浮かび上がる。一度はやつじゃないと除外したホームズだが、バルシールもレストレードも違うとなると・・と、考え直す。で、アジトを見つけるが、アウレリウスことコールドウェルは、爆弾製造中の事故で一週間前に死んでいた。行き詰まった時は、出発点に戻るに限る。標的はアイヴァーではなかったのかも。おりしもバルシール宛てに脅迫状が届き・・。まあうまく考えられた内容だが、疑われないように自分も爆発現場にというのは危険すぎる気も。また、バルシールをゆすり始めるのが早すぎる気も。警察や探偵がウロウロしている時に・・。見ている人の多くは、レストレードの助手トゥルーペニーが怪しいと思ったはず。私もです。でも違ったな。今回のキモはレストレードなのだろう。大手企業の顧問探偵で、メディアにも顔を出す。でもやってることはポン引きと同じ。自分がまわりにどう思われているか気になる。化けの皮がいつはがれるのかと不安。このままでは自分が殺人犯にされてしまうと、恥をしのんでホームズに仕事の内容を打ち明ける。ラストではクビになったらしく、ホームズのところへ転がり込む。今回のことで彼は変わるのだろうか。

エレメンタリー2の17 よみがえり

今回は「ボール箱」が元なのはすぐわかる。レストレードはもう19日も居座っている。仕事の依頼はあるのだが、何のかのと言って腰を上げない。サッカーの試合に賭けて大儲けするが、帰りに襲われて金を取られてしまう。ワトソンは警察から似たような事件の資料を借りてきて、レストレードが調べるよう仕向ける。自信を取り戻させようとする。一方ホームズは、助力はすでにロンドンでしたのにだめだったのだから、あとは自力で立ち直るしかないと、手を出さない。レストレードは犯人に行き着くが、ホームズがお膳立てしたのだと思い込む。実際は何もしてないのだが、ホームズは思い違いを直そうともしない。とにかくやっとレストレードは仕事の依頼を受ける気になる。鶏の羽根が効果的に使われていて笑える。で、メインの事件は、クッシングという男に、耳の入った箱が送られてきたこと。妻サラは五年前に失踪。不仲だったので、彼が殺したのではと疑われているが、遺体は見つかっていない。失踪の一年後に100万ドル払えば妻を返すという脅迫があり、警察には言わずに払ったが、サラは戻ってこなかった。しかも彼の自作自演だと思われていて。耳を調べるとサラのものに間違いないようだ。ところで指紋と同じく耳も人によって違うらしい。ホームズが言うには、犯罪者の写真をとる時、正面だけでなく横顔もうつすのはそのためだそうで。うつす時必ず耳出してたっけ?それにしてもクッシングは運が悪い。マスコミに報道され、みんなに疑いの目で見られるし、100万ドルも取られた。今回は金を受け取りにきた男を勝手に追いかけて殺しちゃう。後で生存しているとわかったサラには、名乗り出なかったのは彼が怖かったからだと言われるし。確かに怪しいんだけど、これで引っくり返ったらおもしろいだろうなというのはある。で、その期待通り引っくり返ってくれて、そこはよかった。前回まんまと100万ドルせしめたのだから、そこでやめときゃよかったのだ。そうすりゃクッシングは一生疑われ続け、自分は安全だったのに。またまた金をふんだくってやれと欲を出したのが運の尽き。考えてみりゃクッシングは箱のなかみ見てびっくり仰天していた。自作自演ならまわりに人がいる時に開けるはず。あの時点で彼が犯人である可能性は薄まったのよね。

エレメンタリー2の18 ドクター・グレンジャーの犬

う~む、今回も例によって例のごとくだ。犯人・・はい、わかりました。一度容疑からはずれるけど、また戻ってきます。殺されたのはバリーという男性。自殺に見せかけてあったけど、自殺の前にジョギングなんかしない。犯人は調査不足。彼は呼気でガンを検知する装置の開発中で、それの名前が”ハウンド”。今回の題が「バスカビル家の犬」のもじりなのは明らか。ドッグではなく、ハウンド。出てくるのはあちこちから拾い集めてきたようなネタばかり。新薬の効果のデータ捏造、論文のミスや不正の告発。呼気でガンがわかるって「ハンニバル」でもやってたな。事件とは別に、ある悪党を裁くため証言するはずだったけど、怖くなって姿を消した女性と、彼女をかくまう元教師マニーのエピソードも。彼はベルの恩人でもあるんだけど、最後には悪党を殺し、自分も殺される。「グラン・トリノ」と同じじゃん。マニーは自分が代わりに証言すると申し出るが、ベルは偽証はだめだと断る。彼らしく、粘り強く正当な方法で立証したいと思っている。でもマニーは急いで結論出しちゃう。彼はまわりからは伝説的な人物と尊敬されているけど、自分では何もやっていないと思っている。今回の英雄的な行動で、やっと伝説に追いついたと言うか。でも、短絡的すぎる。「グラン・トリノ」の主人公みたいに、不治の病に侵されてるってならわかるが。で、メインの事件だが、ピアと名乗る人物の告発のせいでハウンドはだめになりそうになり、開発者のプリンスは大ピンチ。でもホームズの調査で、告発は根拠なしとなって、プリンスも一安心。ところが今度は妻が殺され、疑いがかかる。彼には愛人がいて離婚調停でもめていたし、凶器は彼の銃。でも、アリバイはあるし、わざわざ自分の銃を現場に置いてくるなんておかしい。・・でも、目の肥えた視聴者はだまされません。怪しいのは彼!妻は欲張りで、ハウンドの成功で入ってくる大金が欲しい。それまで離婚は引き延ばす。だからプリンスは自分でニセの告発して会社がピンチと思わせ、その間に離婚を・・と計画。ところが(ホームズのおかげで)思いのほか早く汚名が晴れちゃって、妻を殺すしかなくなったと。

エレメンタリー2の19 歯には歯を

え~と・・結局冒頭の事件は何だったんでしょう。マリファナと防腐剤でハイになって、死体によからぬことをしようとして落っこちて、打ちどころが悪くて死んでしまったってこと?その直後に泥棒が入ったと?死体の首に噛みあとがあるので、ブロンクスの方からロクリン刑事が出張ってくる。向こうでも同じような噛みあとのある殺人事件が二件起きたらしい。でもこっちのは事故死だから無関係。九年前にやはり同じような事件があって、コルヴィルという男が逮捕されたが、服役中に死亡。もしかしたら彼は無実だったのかも。ところで当時まだ医者だったワトソンは、このコルヴィルが刑務所内で刺されて運ばれてきた時、手術に立ち会っていた。その時の執刀医フレミングの行動がずっと心に引っかかっている。あの時コルヴィルは、フレミングに何事かささやいたはずだ。事件に関係のあることなのではないか。彼の心臓が停止した時、自分はエピを打つよう強く言ったが、フレミングはタイミングを遅らせたように見える。わざと死ぬよう仕向けたように思える。そりゃ自分だってコルヴィルは生きているより死んだ方がまわりの役に立つと思ってた。彼は臓器提供に同意していたから。フレミングは、彼女が医療記録を調べていると知り、不快感を示す。あの時コルヴィルは、自分がやったと言った・・と明らかにするが、オフレコだと条件を付ける。もちろんワトソンはホームズにすぐそのことを話す。フレミングの意図ははっきりしないし、オフレコだというのをワトソンが無視するのも変。こういう、医療関係者なら避けては通れない問題出してきて、いろいろ考えさせようという魂胆なのか。でもあまり成功していない。さて、刑務所ではケンカ等により、歯を失う者もいる。ある奇特な医者が自腹で義歯を作ってくれるが、それの原形となったのがコルヴィルの歯。ではその義歯を使用している者の犯行か・・となって、コルヴィル冤罪の線が濃厚になる。何しろ彼は自分の歯形が義歯に利用されているなんて知らなかったのだから。そのうち捜査は行き詰まるが、そういう時は原点に戻って、誰が一番得をするか考える。賠償金の訴訟を起こしたコルヴィルの母親だ!ワトソンが過去の出来事で思い悩むのに対し、ホームズは目の前にある事件の解決が大事とクール。そこはよかった。

エレメンタリー2の20 アウトブレイク

冒頭アリステアのシーンが出てきたので、今回も出てくれるのかと期待したら・・。一週間前に死んだと聞いて、ホームズはショックを受ける。彼とは時々会っていたようで、すぐには信じられない。心臓発作で急死ということだが、そんな徴候なかったし。どうも腑に落ちないと、パートナーのイアンを訪ねる。ジェレミーのせいなのでは?何だかよくわからないが、ジェレミーはアリステアの息子らしい。元々は女性と結婚して息子もできて・・それが妻子を捨て、男性のパートナーと住み始める。自分に素直に生きようということなのか。自分はそれでよくても、息子は自分達を捨てたと恨み、会う度にいさかいとなる。一週間前も二人で食事したらしいが、その際もケンカとなって、30年以上もやめていたクスリに手を出し、そのせいで死んでしまったのか。ホームズがショックなのは、30年以上もやめていたのになぜ・・ということ。自分はもうすぐ二年たち、クスリの誘惑は感じないが、それでもいつか突然手を出してしまうのか。アリステアが突然現われた時は、あら?死んでなかったの?とびっくりしたが、違うのね。あれはホームズの幻覚。今回はわりとうまくできている。留置場にいたスリのアポロが突然苦しみ出し、死んでしまう。どうやらスリとった小袋を麻薬と思い込み、隠すために飲み込んだらしい。しかしなかみは炭疽菌。スリとった相手サイモンは炭疽菌を培養していたが、見つけた時にはすでに殺されていた。で、あれこれあってユージーンという危険思想の持ち主に行き当たる。彼の兄バートは農場を経営。弟とは仲が悪い。その彼がユージーンを射殺。正当防衛だが、ここらへんでもう彼が犯人なのは見え見え。農場は倒産寸前で、牛に保険をかけた上で炭疽菌をばらまき、保険金をだまし取ろうという魂胆。ホームズがユージーン犯人説をやめたのは、彼が最近結婚していたとわかったから。もう危険思想はやめたのだ。ここらへんは唐突すぎて説得力はない。とは言え順を追っていくような展開は悪くない。ただ、アリステアの方が印象が強烈なもんで。捜査に関わりつつも、ホームズは悩み続ける。何が引き金になったのか。そりゃジェレミーでしょ。ラスト、墓の前にたたずむホームズ。自分はアリステアが好きだった。だから死んだのは悲しい。そういうシンプルな境地にやっとたどり着いたようだ。

エレメンタリー2の21 唇のねじれた男

ホームズはちゃんと会合に出ているようだ。もうワトソンが付き添うこともない。会合仲間の一人テスの妹ペイジの行方がわからなくなる。またクスリに手を出したのかも・・と、ホームズはクールだが、以前テスには世話になっているのだから助けてあげてとワトソンに言われ、調べ始める。そのうち死体を見つけるが、なぜか近くに男性の死体もあった。ホームズは、標的は男性・・ザックの方で、ペイジは巻き添えを食ったのだと推理。今回マイクロフト再登場。仕事のためもあるが、ワトソンのことが忘れられないらしい。彼女も彼のことは気に入っているし、好意を示されるのはうれしい。いっそ部屋を借りて、ホームズと別居しようかしら、その方が気兼ねなく会える・・なんて思ってみたり。当然ホームズはおもしろくない。あれこれ詮索し、それがまたワトソンをうんざりさせる。ただ、マイクロフトが本当にワトソンにぞっこんなのかどうかは不明。何か裏があるような気もする。彼はホームズをロンドンへ連れ戻したいみたいだし。事件の方はペイジのことは忘れ去られ、ザックの方に移る。彼は航空機器の会社で無人機・・いわゆるドローンの開発に携わっていたらしい。ところがアフガンで敵と間違えてアメリカ人を攻撃し、死者を出してしまう。そのため精神を病み、医者にかかる。で、Mストラウス社というのが医者に賄賂を渡して、誤認の件をザックが公表する気配がないかどうか見張らせていたと。このドローンは、少し大きいのと小型のが二種・・偵察用と毒殺用・・あるらしい。小さいのは蚊にしか見えず、本当にこんな段階まで進化しているのかしら。で、ホームズはMストラウス社の幹部の誰かが黒幕とにらんで策をめぐらし、カールソンというのをつかまえる。こんな感じで事件の方は何となく解決。途中でマイクロフトのレストランの常連客がデソトという犯罪者で、店で何やら受け渡しをしているとホームズが言い出す。マイクロフトは否定するが、そのうちワトソンも怪しいと思い始める。で、男のあとをつけていって、逆に拉致されてしまう。あら?次回に持ち越し?ドローンの件はあれで終わりで、今度はこっちがメインなの?

エレメンタリー2の22 48時間

ワトソンを拉致したのはデソトの仲間マルチェフ。マイクロフトのところへ、ワトソンと引き換えにノーマンという男と、彼が盗み出したリストを捜し出せという要求が来る。ノーマンはスイスの銀行の元副頭取で、顧客リストを盗み出したらしい。それを見れば隠し預金や脱税の証拠がわかるので、デソトのような犯罪者だけでなく、各国の政府機関も入手しようと狙っている。途中で介入してくるNSAのマクナリー役はティム・ギニー。二回目の登場。今回のホームズはかなり感情的。ワトソンがいないと精神の安定を欠くようで。最初はてっきり彼女とマイクロフトはどこかにしけ込んでいるのだと思い込む。事件に巻き込まれたのだと知ると、今度は兄をなじりまくる。「白血病で死ねばよかったんだ」・・なんていくら何でも言いすぎでしょ!マイクロフトは店の資金繰りに困ってデソトと手を組んだらしい。最初は小さなことですんだが、だんだん大きなことに。ワトソンの代わりは務まらんと言いつつ、ホームズは兄と協力するしかない。バカだの何だのとののしりまくるが、マイクロフトはじっと耐える。それでいて裏では何やらこそこそ。ホームズはノーマンの別荘を見つけるが、彼はすでに殺されていた。状況から見て、彼が殺されたのはリストが盗み出される前だ。一方ワトソンはジェムという男の傷の手当てをするが、設備が整っていないこの状況では助からない。そう告げるとマルチェフはジェムを撃ち殺してしまう。呆然とするワトソン。彼女は自分の命さえどうなるかわからないのに、懸命に手当てをした。それは医者として当然のことだ。でもそれが一瞬で砕かれてしまう。何という非情な世界。さてホームズはノーマン殺害の鮮やかな手口や、リストの入ったパソコンに容易に近づけたということから、警備責任者のヨーダーが犯人とにらむ。拷問をちらつかせ、口を割らせ、リストを手に入れるが、マイクロフトが横取り。デソトはずらかったから、この件はまだ続くのか。マイクロフトの「黒く塗れ」の言葉の意味は?今回の題名「48時間」はワトソン救出の期限だけど、原題通りの「黒く塗れ」でもよかったのでは?マルチェフ役の人は若い頃のロバート・ネッパーに似ている。ヨーダー役は「メンタリスト」のバートラム局長役マイケル・ガストン。

エレメンタリー2の23 仮面

そろそろ第2シーズンも終わりだ。マイクロフトの裏の顔がどんどん明らかにされていく。一番下にあるのは、弟を守りたいというシンプルな、でも奥深い感情。複雑な人間という点ではホームズも同じだが、自分に近しい者には理性よりも感情が先に立つ。自分が兄によって守られていることに気づかない。いや、気づいていても認めたくない。ワトソンの場合はもっと単純で、嘘をついていたことが許せないとマイクロフトを拒絶。でも、弟のために仕方なく・・とわかると、早速ベッドイン(早!)。デソトとリストの件はMI6によって闇から闇へ。表には出ない。ホームズはワトソン救出のお礼としてウエストという男の調査をすることを承諾。マイクロフトが乗り気じゃないので、かえって意地を張ってしまう。ウエストの死は警察では単なる強盗殺人と見ている。しかし実は彼は元MI6の分析官。精神を病んで引退し、アメリカへ移ったが、その後も何かと言ってくる。そのどれもが的はずれなので、MI6も病気のせいと相手にしなくなる。しかし殺されたとなると、情報の中には正しいものもあったのかも・・と思われてくる。死体はいつの間にか両腕がなくなっていた。ウエストの元妻マリオンは彫り師で、彼の両腕に暗号のようなものを彫ったとのこと。幸い写真にとってあったが、ホームズにも解読できない。マリオンによると、ウエストは一時ホームズの監視をしていたらしい。目立つ彼をMI6が警戒し、危険人物ではないかと監視を付けたのはうなずける。その縁もあって、マリオンはもしもの場合ホームズを頼るようウエストに言われていたらしい。とは言えホームズからすると監視のこともマイクロフトは黙っていたのか・・となる。そんな彼も、ウエスト殺害に使われた銃が見つかり、兄の指紋が付いてたと知ると、誰かが兄をはめようとしているのだと気づく。MI6のシェリントン役ラルフ・ネルソンは「エイリアン3」や「ダーク・タイド」でおなじみ。ホームズが彼にMI6内に二重スパイがいると話した直後に銃が出てきたわけで、怪しいのは彼かな?ウォルター卿役ジム・ノートンは知らない人だが、声がすばらしい。

エレメンタリー2の24 逃亡者

早いものでシーズン2も終わりだ。ウエストの刺青はモグラこと二重スパイの行動記録らしい。モグラは書店主アフカミを通じて情報を流していたに違いない。ホームズとワトソンは店に忍び込んで手がかり捜し。電話には盗聴防止装置が付いていたから、ウエストにも会話の内容はわからなかったはず。しかし発信時刻や場所のデータは必ず残るから、それを手がかりに盗まれた情報内容を特定できるかも。こういうのってインターネットが発達した現代だからこそ調べられる。昔だったら国内は何とかなっても国外のことは十分には調べられないかも。で、それぞれ該当する事件があったが、一件だけ特定できないものがあった。ワトソンは視点を変えて、もっと個人的な事件なのでは・・と検索。カデムというイラン人が殺された事件・・調べてみると、彼はアフカミの妻の浮気相手だった!おヨヨ・・妻の浮気相手捜すのにMI6内の二重スパイに頼んだの?公私混同じゃん。それはともかく電話のデータはシェリントンとマイクロフトが一緒にいた時と場所に一致。前もっていざとなったらマイクロフトに容疑がかかるようお膳立てしてあったわけだ。シェリントンがモグラだったとわかっても意外性はなし。前回の時点で彼が怪しいってバレバレ。ホームズは兄との不仲を利用してMI6から情報を得ようとしたが信用されず、それでアフカミの方から攻め、成功したわけだが、その頃にはもう例の指紋がマイクロフトのものだとグレッグソン達にわかってしまう。で、説明を求められるけどどうやって切り抜けたのかな。その後マイクロフトの容疑は晴れたけど、グレッグソンにしろベルにしろ、つんぼさじきに置かれるのは気分よくないだろう。このところ二人が脇に追いやられているようなのがちょっと不満。信頼・友情・愛情はホームズとマイクロフトとワトソンの三人の間にだけあればいいってもんではない。マイクロフトはNSAの手を借りてシェリントンを始末。ホームズ達に危険が及ばないよう自分は死んだことに。兄は身を隠し、ワトソンは別居の準備。ホームズはMI6で働くことを承知。たくさんの変化を予感させるラストだ。