乱れからくり

乱れからくり

これはずっと前一度見た。ラスト、主人公がお宝の一部をちゃっかりくすねていたってことだけは覚えているが、あとはきれいさっぱり忘れた。原作があるようだが読んだことなし。松田優作氏の作品は映画館で何本か見ている。ジャッキー・チェンの映画と二本立てだったからだ。1979年作だから出てくる人は皆若い。と言うかもう亡くなった人も多いな。勝(松田氏)は競輪狂らしいが、はずれてばかり。求人広告を見て宇内経済研究所へ行くが、ここは要するに興信所。所長の舞子が野際陽子さん。鶴寿堂という玩具メーカーがあって、そこの社長馬割鉄馬(岸田森氏)の依頼で何たらかんたら。社長の息子が宗児(峰岸徹氏)で、その妹が香尾里(結城しのぶさん)。甥の朋浩(沖雅也氏)とその妻真棹(篠ひろ子さん)。宗児と朋浩は仲が悪く、会社は欠陥おもちゃのせいで倒産寸前。アメリカへ行く朋浩夫妻を尾行していたら、ちょっと目を離したスキに事故って炎上。真棹は救出したものの、朋浩は大ヤケドを負って入院。なぜか死の直前真棹の首を絞めようとする。せっかく出てきたと思ったら沖氏は早々に退場?いやいや裏に何かあるに決まって。馬割家の屋敷はねじ屋敷と呼ばれているけど、家の方は何ともなくて、広い樹林が迷路になっているらしい。勝は誕生日だという香尾里に招かれる。彼女が言うには朋浩の死は殺人で、犯人はそのことによって得をする人とのこと。しかし誰なのかは言わない。勝は樹林を散歩していて宗児とばったり。銃声が聞こえて駆けつけたら香尾里が死んでいて。捜査するのが奈良本警部(田中邦衛氏)。舞子は元警官で、奈良本は同僚。香尾里は死の間際に”かれいど”と言い遺したので、奈良本は”涸れ井戸”のことだと思い込むが、勝がカレイドスコープのことだと気づかないのはおかしい。散歩に出る前彼女にカレイドスコープを見させられていたのに。美しい万華鏡の世界も、あんまりおもしろくないと勝は興味示さない。後で宗児に西洋のからくり人形見せられた時も退屈そうだったたぶん彼は競輪以外のことはどうでもいいのだろう。真棹はこの家ではつらい思いをしているようだ。体が不自由な鉄馬さえ彼女に迫ってくる。勝には宗児に暴行され、今もそれが続いていると告白。

乱れからくり2

香尾里は気づいていて彼女を憎み、朋浩に同情していたようで。つまり彼女は朋浩を殺したのは真棹だと思っていた。その後宗児が自分のコレクションを勝や舞子に見せる。最後に出してきたのが茶運び人形で、ぜんまいを巻く時に指に何かが刺さって血がポチリ。もちろんほどなく毒が回って死亡。鉄馬もいつも飲んでる薬に毒が入っていて死亡。この頃には奈良本は真棹を疑っている。その前に勝は金沢へ飛び、銭屋五兵衛について調べる。結局会社のことは関係なくて、銭屋の遺した莫大な財宝が目的の連続殺人。死んだはずの朋浩が現われるのもお約束。ただ、疑問は残る。最初の車の事故で、朋浩が自分の替え玉を用意していたのはいいとして、助手席にいた真棹は・・。車を炎上させ、真棹も殺すはずが、勝が助け出したため計算が狂ったとのことだが、短時間の間に替え玉とすり替われます?事故を起こすまでは自分が真棹の隣りにいなければならない。でないと真棹は知らない人と一緒に車に乗っていたというおかしなことになる。もちろん彼女が最初からぐるで・・馬割一家全員殺して宝を一人め・・に加担する気なら隣りに誰が乗っていよう関係ないけど。でも事故の後彼女は明らかに気を失っていて、勝が助け出さなきゃあのまま死んでいた。もし夫が自分も殺す気だったと知ったらショックだったと思うし、その時点で殺意が芽生えたとか?まあ一家を殺したのは朋浩だし、自分はどう見ても被害者。勝は裏で糸を引いていたのは彼女と気づいたけど、ばらす気はなさそう。証拠はないし。ラスト彼女はアメリカへ。もう自由の身だ。勝を誘ったけど結局来なかった。もちろんその頃勝は競輪場で・・。興信所もやめちゃったし、何でちゃんとした生活送れないのかね。さて、松田氏というと何しゃべってるのか全然聞き取れないってのがあるけど、ありがたいことに字幕付きだからノープロブレム。うつる度にジャッキー・チェンによく似ているなあと感心する。顔の形は全然違うけどね。それにしてもこの映画ではみんなしきりにたばこを吸う。この頃はこれがフツーだったんだよな。でもうつる度に「みんなガンになるぞ~」と心配してた。