アポカリプト

アポカリプト

出来のいい映画なのかどうかは別として、すごい映画ではある。公開一週目の平日午前のシネコン。お客は15人くらいで、全員一人客。メル・ギブソンが監督ってのが最大の売り。出ているのは無名の人ばっかりなんでしょ?「300」とタイプが似ていると思うけど、あっちほどにはヒットしていないんでしょ?まあ私は「300」は見ませんけどね。バトラーは好きだけどCG満載すぎるのがどうも・・。その点こっちは自然豊かだし。まあよく作ったよな。よく集めたよな。マヤ文明だからそっち系の顔つきの人出さなくちゃならない。言語もちゃんとマヤ語なんですってさ。偉いよなあ、よくぞこだわって作ってくれました。マヤ帝国なんてよく作ったよなあ、何か同じ言葉くり返しているけど、そうとしか言いようがないのよ。毎日新聞には「メル・ギブソンの狂気と本気が伝わる作品」って書いてあったけどホントそうなの。よっぽどの執念なきゃこういうの作れない。どこかで妥協する。英語でやっちゃうとか、知られた俳優出すとか、自分がちょっぴり顔を出すとかさ。出ようと思えば出れるでしょ神父服とか着てさ。帝国のその後描けば歴史大スペクタクルになるし。でも極力そういうの排していて、それが興行成績の足引っ張ったってかまわないみたいな。前半は悲惨で、これでもかって感じ。村が襲われ、逃げる途中の一団に出会いながら、なぜ自分達は用心しないのか(平和ボケもいいとこ)。残された子供達はどうなったのか(のたれ死に?)。ストーリーにはそういう気になる部分はいくつかある。でもそういうのは通り過ぎて、後半は走って走ってやっぱりこれでもかという感じなのよ。いくつかの集団・・小さな村から大きな帝国まであって豊かだったりむしばまれていたりするけど、どっちかが全くの悪というわけでもなくて。帝国の連中は残忍だけど、平和な村にもいじめはあるわけで。最初の方でいじめからかいが執拗に描かれ、そりゃ悪気があるわけじゃないにしてもアハハと笑えるものではなく・・。人がいれば争いやいじめがあり、同時に家族を思ったり国に忠誠を尽くしたり・・つまり絶対的な悪も善もなくて何でもありで。そこへまた全く別のモラルを持つ集団が現われ・・彼らはもちろん自分達を善と信じていて・・。あのシーンは思いがけなくてびっくりしたな。歴史に出てくるのにさ。まあとにかくホントよく作りましたな(こればっか)。