ピアノチューナー・オブ・アースクエイク

ピアノチューナー・オブ・アースクエイク

見始めてすぐに後悔。難解で独創的・・言い換えると退屈で一人よがり。何もこんないじくり回しすぎの画面見せなくたって。ストーリーも何が何だかよくわからんが(わかる範囲で)書いておく。指揮者のアドルフォと歌姫マルヴィーナは愛し合っている。彼女のところにはエマヌエルという知らない男からしばしば恋文が届くが、無視する。明日は結婚式という時、舞台で突然倒れたマルヴィーナ。「死んでる」と告げるその男こそエマヌエルなのだが、悲嘆にくれるアドルフォは気づかない。エマヌエルはどうやったのか死体を持ち出し、蘇生させる。一方ピアノの調律師フェルナンデスは、エマヌエルの招きでやってくる。ピアノではなく、何かの装置・・七つの自動装置を直して欲しいと言われ、めんくらうが、複雑な装置を見て興味を持つ。そのうち黒いベールを垂らした女性・・絶望の塊のようになったマルヴィーナを見かけ、興味を抱く。家政婦アサンプタの説明によると、エマヌエルは心の医者で、ここに来るのは深刻なトラウマを抱えた者ばかり。あの女性も婚約者に捨てられ、エマヌエルが治療しているのだと。エマヌエルは招待状を出し、舞台を見せるらしいが、装置はそれに使うのか。マルヴィーナにも歌わせるつもりらしい。お高くとまった連中に復讐してやるということらしいが、よくわからない。作っているのがクエイ兄弟というアニメーション作家で、テリー・ギリアムが協力しているらしい。とにかくわけわからんし、暗くてはっきりしない。10分くらいでもうやめようかなと思ったけど、せっかく見始めたのだからとがまんして見た。世をすねた老人が、若く美しく才能のある歌姫に執着するってのは、「オペラ座の怪人」風味。エマヌエル役ゴットフリート・ジョンは、顔がクロード・レインズにちょっと似ているので、なおさら。フェルナンデス役セザール・サラシュは、首が長く線の細い二枚目。目のまわりにシワがあるので、かなり年食っていそう。アドルフォと二役やってることに途中で気がついた。マルヴィーナ役アミラ・カサールはどこかで見たような。「私家版」に出ていた人かなと調べてみたらやっぱりそうだった。陶器のような白い肌、つややかな黒髪、太い眉と澄んだ大きな瞳の美女。クライマックスもラストも何が何やら。でも最後まで見ましたよ、自分で自分にご苦労様。ネットで調べたら、エマヌエルはマルヴィーナの魂や声をあの装置に取り込もうとしたようで・・ああそうなんですか。何にせよお疲れ様。