アーカイヴ

アーカイヴ

これは一回見て感想ササッと書いて、それで終わりの・・感想書きやすいよくあるSF映画・・のはずだった。でも書いてしまってからも何だか心残りがある。それでもう一度見る・・感想書き直す。最近二回見ることが多いな。少しくらい間違っていても、思い違いしていても、一回見てそれで受けた印象を文章にした方がいいのかもしれないけど。冬の林の中を走るジョージ。演じているテオ・ジェームズは「アンダーワールド 覚醒」に出ていた。WOWOWのガイドブック見て興味引かれた点と言えばそれだけで。内容には何ら引かれるものなし。亡き妻をどうのこうのなんて「レプリカズ」と同じだし。そう言えばジェームズはキアヌ・リーブスに似ているな。特に施設の照明が(非常事態で)赤くなって、そういう時の彼は目のあたりがキアヌそっくり。ヒゲの感じもね。まあ宍戸開氏にも似ているけど。ジョージはのあちこちに設置してあるセキュリティ・システムの点検をしているようだ。施設内やコンピューターには平和だのスヌーズだの家だの日本語が・・。アナウンスも日本語の時がある。どーゆーこと?ジョージに電話がかかってくる。死んだ妻ジュール(ステイシー・マーティン)からだ。彼女が死んだのは交通事故のせい。運転はジョージがしていた。例によってよそ見ばっかり。こりゃ事故起こすぞ・・って予想つく。でも今回の場合は彼のせいじゃない。いきなり対向車線から車が吹っ飛んできた。たとえ自動運転にしていたとしても避けられたかどうか。しかし彼は自分のせいで・・と悔やんでいる。さて彼はロボットを作っている。ARM社との契約は三年で、施設は山梨にある。これにはぶったまげましたな(ラストのどんでん返しよりも)。だから妙な漢字や片仮名が・・。関係ないけどジョージの車のナンバーの平仮名部分は”ど”ですよ。近未来には濁点や半濁点も使われるのか。上司のシモーヌから通信が入る。演じているのはローナ・ミトラ。今回は最初から最後まで怒りまくっていましたな。ただ、何で怒ってるのかわかりづらいのが難点だけど。まあ要するにジョージがちゃんと仕事してないということなんだろう。この二年あまりで完成したのはJ1、J2の彼女から見れば醜い物体だけ。それもそのはずジョージは他のことに夢中になってる。アーカイヴ・システム社というのがあって、故人の人格や記憶を保存できるアーカイヴ・システムを開発。

アーカイヴ2

契約者の家族は死後200時間まで交流でき、別れを惜しんだり始末をつけたりすることができる。へ~だとすると契約者が殺されたのなら、誰に殺されたのか聞けるわけ?・・なんて余計なこと考えたりして。200時間を過ぎると埋葬される。こっち(ジョージ)の方からはだめで、向こう(ジュール)の方からはつながるとか、自分の死には気づけないとか、後から考えると意味深なセリフがある。この技術はまだ世には出ていないが、なぜかジョージは夫婦でこれを契約しようとし、ジュールはいやがるとか、そんな描写もある。私の妄想だが、今は200時間だけどゆくゆくは・・。ジョージ達の開発する人間そっくりのロボットとこの技術で、亡き人(あるいはペット)といつまでもってことなのかな。リビングには大きな黒い長方形の物体が置いてあって、あたしゃモノリスかよ・・と思いましたが、これがアーカイヴ・システムのようです。このところ調子が悪いのは、200時間に近づき、眠りが近いのか。ジョージはシステムに不法に侵入し、妻の人格や記憶を、自分の作ったロボットに移そうとしている。J1やJ2も(会社のためではなく)自分の目的のために作った。J1は人間で言うと5~6歳のところで人工知脳の発達止まってしまった。J2は15~16歳。しかし今作っているJ3は大人の女性と同じ。J1は図体が大きく、動きもモタモタしている。腕がついてないのは、たぶん脳がこれ以上発達しそうにないので、つける手間を省き、J2の方に力を注ぐことにしたからだろう。J2はJ1よりやや小型で、ジョージの作業もある程度手伝うことができる。話すことができ、感情もある。15~16歳の少女ということで、それが・・その設定が・・この映画をおもしろくしているのだと私は思う。憧れ、嫉妬、孤独。さて、SF映画ということで、見る方はそれなりに考えながら見ている。突然狼が現われたのはなぜなのか(私は普通に犬だと思っていたが狼らしい。日本では絶滅したのでは?)。リスク査定人タッグの存在はどういう意味があるのか。アーカイヴ・システム社からの来訪者シンクレアとメルヴィンのこともよくわからない。シンクレア役はトビー・ジョーンズ。ますますレクター化してきたな。一番アレなのは、システムの異常が続くこと。これもまあラストで引っくり返ってみれば、眠りが近づいたことによる不具合と思えるが、見ている間はね。

アーカイヴ3

システムがどうのこうのが多く、全体的に単調で、時々うんざりする。何か起こりそうに見えて結局は何も起こらない、そのくり返し。上半身だけのJ3が出てきて、ジョージは今度こそジュールそのものを完成させようとしている。ストーリー上完成することはわかっているけど、そのことに興味持てるかというと・・。それよりもまわりでモタモタしているJ1、J2の方に目が行く。特にJ2は「ラボで手伝わせてくれない」「私を改良してよ」と不満でいっぱい。外で作業している時、ジョージにペンチを渡したけど礼も言わない。「どういたしまして」と小さくつぶやくJ2が私にはツボでした。前はちゃんと「ありがとう」って言ったはず。でも今のジョージは別のことで頭がいっぱい・・。く~このシーンだけでもうこの映画嫌いになれない!!J3が完成し、ジョージと踊っているのをそっと見ているところなんかメロドラマ。三角関係。まあ間に立ってなだめたりすかしたりするジョージも気の毒なんだけど、よく見ればその気もないのに一時逃れであれこれ約束している。自分の居場所がなくなった孤独なJ2は湖に沈む。自殺だけど、湖面に泡も波もほとんど立たないのは不自然。J3自身ジョージが求めているのはジュールであって、自分はその入れ物にすぎず、今の自分はデータを上書きすることによって消え去る運命なのを知る。一度は抵抗するけど結局受け入れる。ただ、ジョージとJ3のあれこれは私には正直どうでもよかったな。J2の退場時点でもう・・。ジョージやってることがバレ、外部からは侵入者。中ではすったもんだ。ああなってこうなって驚きのどんでん返し。J2を何で見つけることができたのかとか、J3は何でサンドイッチを食べることができるのかとか、そういった不自然な点もここで一挙に解決です。〇〇だから何でもアリ。「レプリカズ」「エクス・マキナ」、古くは「フランケンシュタイン」。作ったものの、「こんなはずじゃなかった」、「なぜ作った」。J1やJ2は「月に囚われた男」、どんでん返しのところは「アザーズ」「エントランス」、「シックス・センス」もそうだな。音楽も喜多郎の「シルクロード」っぽい。既視感が感じられるけど、それでいてそれが欠点とは感じられない。一回目は普通に見て、二回目はわかった上で見て、何度でも楽しめる。言ってなかったことがあるというのは、子供のことだな。この子供のかわいい声がまた効果的でした。