パフューム ある人殺しの物語

パフューム ある人殺しの物語

「ホリデイ」より「ラブソングができるまで」の方が私は気に入った。同じく「パフューム」より「ハンニバル・ライジング」の方が私は気に入った。お金をかけてじっくりていねいに重厚華麗に作ってあるのも、主人公が魅力的なのも、ヨーロッパが舞台なのも同じ。でも私は断然「ハンニバル」!見ようと思っているうちに近くのシネコンでは終わってしまい、東京ではまだやってると思いつつもついついあとまわし。長くて疲れるだろうし、テレビでじっくり見る方が・・なんて自分に言い訳して。そのうちシネパトスでやり始めた。ここなら行きやすい。お客は15人くらいか。長かったけど退屈はしなかった。前半はダスティン・ホフマン、後半はアラン・リックマンが支えている。ホフマンはよかったな。鼻が大きくてジャッキー・チェンに似ているな。落ち目で店は閑古鳥。店番しながら居眠りしたり。でも博学で主人公グルヌイユにいろいろ教える。主役のベン・ウィショーは、ギャスパー君もそうだったけど、若くてまだそんなに有名でもなくて、それでいてこんな大作の主役しっかり勤まるという・・そこに感心したな。しかもとっても難しいキャラ。ベンはヴァンサン・ペレーズに似ている。ペレーズは大変な美男だけど、ベンはそれほどでもない。でも目が、鼻が、やせた体が何かを強く主張する。グルヌイユは人と違う倫理で生きている。究極の香りのために多くの女性を殺すけど、最初の「プラムの少女」以外は殺したこと何とも思わない。つかまって処刑されそうになるけどうまく逃げてしまう。この処刑場での天国シーン(?)は・・まあパンフ読まなくたってパフォーマンス集団とかダンスやってる人達だろうと予想はつく。正直言ってこういうのは苦手。気持ちが悪いしわざとらしい。見えるようでいて何も見えないでしょ(見たいとも思わんが)。その場にいた全員を香りに酔わせてまんまと逃亡。その後の彼の行方はわからない・・そんな感じで終わるのかと思ったら・・何だありゃ?彼は自分が無臭で誰にも存在を気づいてもらえないことを悲しんでいたらしい。だからってあのラストはやりすぎで後味悪い。「プラムの少女」と美少女ローラは別の人なのね。あたしゃてっきり二役かと・・。ローラ役の人はイングリッド・バーグマンにジュリエット・ビノシュ足したような美女。出演時15歳?ええーッ!あッ、ジョン・ハートのナレーションよかったです。