リディックシリーズ

リディック

「キャプテン・ウルフ」は日本ではアメリカほどヒットしなかったようで残念だ。この映画でのヴィン・ディーゼルってあんまり背が高いようには見えない。実際にどれくらいあるのかなーって思って調べてみたら187センチ、そんなに大きいの?マーニー教頭役の人が大きいのかな、204センチ?曙並みじゃん、ディーゼルが小柄に見えるわけだわ。・・てなわけで「リディック」、WOWOWでやったので見ましたよ。集中して見ていたらフゥ・・疲れた。映画館で見たらさぞかしド迫力だったでしょうよ。でもストーリー把握できなかったと思う。テレビで見たから何とかつかめる。「ピッチブラック」の音楽また使ってくれてありがとう、懐かしさに胸キュンよ!映像(遠景)とか造形(ヘンな像)とか気に入った。でもファイトシーンはあれじゃあ何が何だかわかんないよ。建物とか像とかちゃんとしてるのに肝腎の人間の動きがあれじゃあ・・。細切れとか切ってつなげてではない本格的な(少しくらいスピード鈍くてもいいから重みのある)格闘入れてこそ!究極のアクション映画ができるのじゃ。リディックが連続して相手を倒すシーンも見せ方がヘタ。ストーリーは目新しくもなし。どこかで聞いたような話(聖書で)。セリフもね・・「オレには関わり合いのないこった」「通りすがりの者だ」・・「木枯らしリディック」「さすらいのリディック」「荒星のリディック」「渡り鳥リディック」・・何でもいいわ。しかしラストの「王座にすっぽり・・」はお客も予想していなかったのでは?「ジョニー・イングリッシュ」思い出しちゃった。リディックが一番意外でしょうよ。ヴァーコ夫人(タンディ・ニュートン)は悔しがり、ヴァーコ(カール・アーバン)はさぞホッとしたことでしょう!(だってナンバー2の方がボクには合っているんだもーん、気楽だしぃ)ピュリファイア(ライナス・ローチ)はあわて者。もうちょっと生きてりゃ状況変わったのに自分から死んじゃった。まあ特撮見せなきゃならないしぃ・・。いろんな惑星があって、重力も空気も地球と同じというのは都合のいい設定だと思う。時間にしても一日の長さとか星によって異なるはずだが全部地球と同じ。クリマトリア星は一日の間に700度とマイナス300度がくり返されるのに、それでも酸素あるんですねえ・・植物もないのに。

リディック2

この監獄惑星は「エイリアン3」ふう。大きな像は「ベン・ハー」とかハリーハウゼンものふう。顔が三つは阿修羅、ネクロモンガー軍のコスチュームは大魔神とかさ、いろいろ連想させる。でも私は全体的には「ダークシティ」を思い浮かべてました。あれは本当によくできたSF映画ですから(断言)。全然関係ないけどもうすぐ公開される「レジェンド・オブ・ゾロ」にルーファス出てますね。キーファーは「24」で活躍しているのにルーファスはずっと御無沙汰だったからうれしいです。悪役だろうが何だろうが姿を見ることができるだけであたしゃ満足です。さて「リディック」・・前作よりスケールがでかくなってリディックも奮闘していたけど、全体的には掘り下げ不足。結局アンダー・ヴァースって何よ。記憶を分析する「ヘンなもの」の正体は?話はまたそれるけど売っている、あるいはレンタル用のビデオにはいろんな映画の予告が入っていて、それを見るとろくでもない映画がたくさん作られていることに今更ながら驚く。日本で劇場公開されるのなんてほんの一部にすぎないんだろうな。・・で、そんな予告の中にこの「ヘンなもの」によく似たのが出ていたのよ。声とかしゃべり方がね。こういうのってたいてい女性のしわがれ声よね。「オシリス・クロニクル」とか言うSF映画なんだけど、蜘蛛の巣みたいなかさぶたみたいなベトベトエイリアンみたいな・・でしたわ。「リディック」のは水みたいで、さすがにベトベトとは一線を画していましたけど。あとあの上がったり下がったりしていた変な玉、何だったんですかね。エネルギーのかたまりらしいけど何のエネルギー?原作買ったけどまだ読んでません。読んだらわかるかな?敵役ロード・マーシャルはコルム・フィオーレ。悪の軍団ネクロモンガーのボスだけど、強いんだか弱いんだか。生きてるのか死んでるのか。不死身なのかと思ったら死んじゃったしよくわからん。名前からしてさえないよなー。ネクロモンガーなんてネクラなモモンガみたいでかわいいじゃん、すごみ度ゼロ。ロード・マーシャルがパワーを出すシーンは「ダークシティ」と同じだったな。画面にさざなみが立つような描写。「リディック」の内容って星々・種族間のゴタゴタと、脱獄関係の話と二つあって、脱獄の方がリディックの本領を発揮できるから、前者はどうしても印象うすくなっちゃうのよ。

リディック3

そっちまで念入りにやると2時間じゃ足りないし、クロニクルなんて掲げているから3時間くらいあってもおかしくないけど、残念なことにお金が続かない(たぶん)。元々の構想は壮大なスケールで描かれる一大宇宙叙事詩・・。でもねえ・・他人事なの。侵略を受ける第一惑星へリオンがそもそもどういう星なのかはっきりしない。「ピッチブラック」でイマムが目指していたニュー・メッカなのはわかる。いろんな人種がいるところをみると地球から流れてきた人々の吹きだまりなのかも。でもおさめる側のこと全然わからない。ただ軍隊が出てきてネクロモンガーと戦ってやられちゃう・・それだけ。誰がこの星を統治しているの?わかんないものに感情移入はできないわ。征服されました、あっそう・・で終わり。詰め込みすぎ、掘り下げ不足、おまけに他人事。「ピッチブラック」のように映画として一つの区切りがない。「リディック」は大きな川の一部を切り取ったような映画。前から続いているしこれからも続く。前後(過去・未来)はぼやけているけど、今はその切り取られた部分(現在)だけを楽しめばいい。とは言えリディックの今後は気になる。人の上に立つ性格じゃなし、あのあと国造りにはげむとも思えん。そんなリディック見たくもないし。やっぱ彼は一匹狼、宇宙一のお尋ね者であって欲しい。ヴァーコに「アニキ・・」なんて慕われちゃったりしてさ、ウフ。ヴァーコさんよ、奥さんなんかポイしちゃいなさい。ろくな女じゃないわ。目のまわり黒いけど腹の中はもっと真っ黒よ。「ピッチブラック」とのつながりとしてイマムとジャックが出てくる。イマムはすぐ死んじゃうが(お約束ですな)、妻子は何とか生きのびたようで・・。ジャックはリディックの願いもむなしく悪の道へ・・。名前をキーラ・ナイトレイと変え、賞金稼ぎに・・って違うがな!そりゃ「ドミノ」だがや。コホン、5年たって今や美しき獣に成長したキーラに再会したリディックはガックリ。そりゃあさ、人生の最初に最高の男と出会ってしまったんだからさ、ある意味彼女にとっては不幸だったかも。リディックにくらべればどんな男もクズにしか見えないもーん。リディックにあこがれ、彼に近づく方法として犯罪者への道しか思い浮かばなかったキーラ。リディックに再会でき、彼とともに脱獄し、彼に助けられ、最後には彼を助けることができた。

リディック4

短い一生だったが、彼女は満足していたはず。次回はイマムの娘あたりどうでしょ。彼女ジザはイマムからさんざんリディックのヒーローぶり聞かされてますから、第二のジャック(キーラ)になる可能性大。ちょっと小さすぎますが(いくつ?)。他にジュディ・デンチが出てるけど、いてもいなくてもいいような・・。何しろリディックが強烈なキャラなので、他の人あんまり目立たない。賞金稼ぎの中にちょっと気になる人いましたけど。アジア系で・・調べてみたら「アイ,ロボット」のテリー・チェンでした。脱獄のゴタゴタで死んでしまったようで、扱い軽いのが残念。まあとにかくリディックに対抗できるとしたら・・あのヘンな像いろいろか、過酷な監獄惑星くらいなものでしょう。変な像はエンドクレジットにも出てくるけど、最後にうつったのは「王座にすっぽり・・」のリディックでした。ラストシーンもそうなんだけど、「ヤべェ・・」という表情のリディックは笑えます。かわいくもあります。ところで私映画館で「リディック」の予告見てるんですよ。初期のだから特報みたいなやつ。リディックめがけて大きな物体(船?)が落ちてくるシーンだけ。「リディック」って題名ちゃんと出たはずで(出なけりゃ何の映画かわからん)、私も見てるはずなのに、「ピッチブラック」のリディックとは全然結びつかなんだ。いかに私がポケッとしているかよね。ごめんね、リディック。・・てなわけで今までほったらかしにしていた「リディック」だけど、見てみればそれなりにリキの入った見ごたえのある映画でしたよ。宇宙の果てに人類がたむろしているのは地球がまともには住めないからだろうけど、そのたどりついた先でもやっぱり殺し合いをやってるんだから人間てホント愚かよね。極悪人であるはずのリディックが一番まともな人間に見えたりして・・。少なくとも彼は自分から悪を仕かけるってことありませんから。振りかかる火の粉をはらうだけ。私はこういうアウトローを主人公にしたSF映画って好きです。「ニューヨーク1997」「エスケープ・フロム・L.A.」のスネーク、「ソルジャー」のトッド、どちらもカート・ラッセルが演じているけどとーっても好きなキャラ。リディックもぜひ続いて欲しいキャラ。ただしあまり話を広げず、焦点をしぼった「ピッチブラック」みたいな作品、待ってます。

リディック:ギャラクシー・バトル

一作目はよかったけど、二作目は正直言って違うな・・と思った。人間のたくさんいる文明社会や、権力闘争のようなものは、リディックには似合わない。だから三作目で本来の形に戻ってくれてうれしい。冒頭から茶色の不毛な世界がずっと続く。権力の座についたはずのリディックがなぜこんなところにいるのか。そもそもここはどこなのか。ずっとヴィン・ディーゼルの一人芝居があって、少したってから事情が説明される。結局権力の座につくってことは、あとはそれを狙っている者に追い落とされる未来が待っているということ。ヴァーコにだまされ、故郷の星へ帰るはずが見知らぬ星へ。でも一人取り残されても別に誰を恨むでもない。油断した自分が悪い。まずは生き延びることを考える。過去は振り返らない。たぶん玉座にあってもずっと自分の居場所じゃないと・・居心地の悪さを感じていたはずで。前作を引きずるのはここまでで、あとは「ピッチブラック」に似ている。カール・アーバンがちょこっとしか出てこないのは残念。この星は陸にも水中にも空にも怪獣みたいなのがいて、生きていくのは至難の業。リディックだから生き延びられる。ウナギみたいなのを食料にする。ジャッカルに似た動物を手なずける。ある生物の猛毒に自分の体を慣らしたりする。ジャッカルとのシーンはよくできている。襲われた時、ものを遠くに投げる。すると犬と同じで追いかけてしまう。リディックを殺して食べたいのに、体が反応してしまう。ここは笑える。そのうちまだ小さいのを飼いならす。これがまたかわいい。すぐに大きくなるが、子供っぽいところがあって、ぶっきらぼうなリディックの扱いにもかかわらずなつく。後で殺されてしまうのだが、リディックはその仇もちゃんと討つ。さて、彼は無人のシェルターを発見し、遭難信号を送る。彼はお尋ね者だから、向こうから賞金稼ぎがやってくる。その宇宙船を奪ってここから脱出するのだ。最初に来たのはサンタナ(ジョルディ・モリャ)をリーダーとする普通の賞金稼ぎグループ。すでに一人つかまえてあるが、リディックの方が大物なので解放・・と思ったら、無残にも撃ち殺す。最初女性が出てきたので、彼女が今作のヒロインかと。でも即退場。すぐ次の宇宙船が現われ、そっちのグループの紅一点ダール(ケイティー・サッコフ)が活躍する。

リディック:ギャラクシー・バトル2

二番目のグループは当然サンタナ達に煙たがられるが、リーダーのジョンズ(マット・ネイブル)は賞金には無関心。後でわかるが、彼は息子の死の真相を知りたくてリディックを追っている。はてな、ジョンズって誰だ?コール・ハウザーが演じたキャラかな?でも父親にしては若いし・・。でも後でリディックが、モルヒネがどうとか言っていたから、やっぱあのキャラなんだわ。部下の一人モス役はボキーム・ウッドバイン。例によって天候の変化が近づいてきている。「ピッチ」では暗闇と空飛ぶ怪獣だったけど、こちらは暗闇と雨と、水を必要とする怪獣。いつもは乾燥しているから水の中や周辺にしかいないが、雨が降ると遠くまでお出かけだいッ!!大群に襲われ命を落とす人間達。まあその前から人間どうしで殺し合ってるし・・。サンタナはリディックの首を入れる箱を用意しているけど、自分の首を入れるはめになる。ジャッカルの仇だからね。たぶんここも笑いどころ。途中でリディックが隠した動力源をジョンズ、ディアスの三人で取りにいく。で、ディアスが裏切る。リディックを殺し、ジョンズを置き去りにし、賞金を一人じめしようとする。ディアスは(サンタナに比べ)まともなタイプに思えたので、ここはびっくりした。ちなみに演じているディヴ・バウティスタはプロレスラーらしい。それにしても・・欲をかかず最後まで協力していれば命だけは助かっただろうに。重傷を負ったリディックを残し、ジョンズは動力源を持って基地へ戻る。そのまま出発してしまうのか。リディックは怪獣と戦うが、次第に追いつめられ・・。でもそこへジョンズ達が助けにくる。息子がモルヒネ中毒で、子供を殺そうとするようなクズだったと聞かされても信じなかったジョンズだが、リディックにはウソを言う理由もないわけで。で、片方の宇宙船にはリディックが、もう片方のにはジョンズ、生き残ったダール、ルナが乗って離陸。リディックは今度こそ故郷の星を目指す。それにしてもこの場面でダールが姿見せないのは変だな。ディーゼルは今年で50か。あんまり変わらず、体もりっぱだけど、それでもあまり年取らないうちに次のリディックお願いしますぜ。ギャラクシーでのバトルなんて(金のかかること)しないでいいからね。