ウォンテッド

ウォンテッド

見たのは祝日だったので17人くらいいた。一人客は私だけ。ジェームズ・マカヴォイを見るのは初めて。でもメインはやっぱりアンジェリーナ・ジョリーねえさんでしょう。彼女が主役(に見える)。パンフの表紙も彼女。登場した時から死ぬまでおっそろしくカッコいい・・と言うか潔い。とにかく余裕が感じられる。どんな状況も経験ズミよ・・って感じで、あわてることがない。さえないダメ男が特訓受けてスーパーヒーロー、一流の暗殺者に成長。父の仇を討つのだ・・と思ったらどんでん返し。乗せられていた我々は、主人公ウェスリー(マカヴォイ)同様とまどう。正義の味方が実は悪人で、極悪人は実はいい人だったってか?前半はわりといいけど、後半はがたがた。ストーリーいじくりすぎ。それとウェスリーの行動はいただけない。高速列車が脱線事故を起こすシーンは一番の見せ場だと思うが、見ていてはらはらしました?私は腹が立ちましたよ。だって無関係な乗客を多数犠牲にしてあんたら何をやってるんですか。自分の目的のためには何をやっても許されるんですか。いくらコミック原作でもこんなむちゃな描写はバツ。それまでウェスリーに肩入れしてきた観客(私)も、彼のこと見捨てる。その後も自分のしでかしたこと全く反省してない。普通の人間ならこんなことありえない。これはつまり事故をハデに描くことだけを考えていて、それに絡む人間の描写がおろそかになっているということ。だからいくらハデなシーン見せられてもいっこうに心に響いてこない。ウェスリーの助かり方も安易。ネズミを使った爆破作戦は・・コメディーかよ。それと組織の人間全員が悪人でもないのになぜ皆殺しにするの?最初フォックス(ジョリー)も悪かと思ったけど、彼女知らなかったようで。その後の決着のつけ方・・つまり死に方は、後ろの方でぼやけたまま倒れて、哀愁をおびた最後だったけど、別に死ぬこともなかったのでは?珍しくモーガン・フリーマンが悪役。他にトーマス・クレッチマン、テレンス・スタンプ、コンスタンチン・ハベンスキー(と言ってもわからんが「ナイト・ウォッチ」のおっさん)。マカヴォイ君はアクション向きには見えないが、ちゃんとそれなりにこなしている。アクション大作はシャイア・ラブーフだけじゃないよ!それにしてもますます風格の出てきたジョリー。彼女はどこまで成長するのか!いつまでブラピと続くのか!