プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵

プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵

これは毎日新聞の映画欄で紹介されていたが、さほど興味はなかった。WOWOWでやったので見始めたが、あまりおもしろくはない。1978年、南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策に反対してテロ行為・・と言っても人命を狙うわけではない・・を働いたというので、ジェンキン(ダニエル・ラドクリフ)は12年、リー(ダニエル・ウバー)は年の懲役刑を言い渡される。行き先は難攻不落のプレトリア刑務所。ここらへんまでは二人は正義感にあふれた闘士と言うより、考えの浅い未熟な若者に見える。そのせいでおもしろくないのだが、そのうちだんだん引き込まれていく。こういう脱出物って、失敗しましたでは映画化されない。成功するに決まっている。だからどういう方法で・・となる。穴を掘るのか、サッカーの試合をやって、人込みにまぎれて脱出するのか(あったよね、そんなふうなのが)。今回は鍵である。じみ~。看守がぶら下げている鍵束を穴のあくほどじ~っと見る。木工仕事の合間にくすねた木片を削る。入口から自分の房までにはいくつもの扉や鉄格子がある。外では撃ちたくてうずうずしている見張りが24時間監視している。政治犯のリーダー的存在のデニス(イアン・ハート)は、脱走には反対だ。失敗すればここで過ごした15年が無駄になる。結局ジェンキン、リー、それにレオナール(マーク・レナード・ウィンター)の三人が決行する。いちおうラドクリフ君が主役だが、途中からレオナールの方が目立ってくる。彼には小さな息子がいて、年に一回30分しか面会できない。それも途中で看守に中断されてしまった。もうがまんできない。こういう、熱くなってるやつって計画の足を引っ張るものだ。何か都合の悪いことが起きれば、ジェンキン達は計画を中止して次を待つ。しかしレオナールは違う。無理にでも決行するだろう。でもまあ・・最後のところでもたついたけど、何とか外へ出ることができた。三人でタクシーに乗り、ヨハネスブルグへ。そこからタンザニアへ出て、最終的にはロンドンへ。この頃の刑務所にはまだ監視カメラがついてないらしく、それも幸いした。また、計画を知っていても裏切って密告するようなやついなかったのいい。てなわけで、鍵を開け閉めするだけのじみ~な脱出だったけど、それなりにドキドキさせられた。