復讐の処刑コップ

復讐の処刑コップ

まあ・・たぶんマイケル・パレはこういう映画にいっぱい出ているんだろうなあ。しょぼくてださくてどうでもいいような映画。この映画で驚くのは・・呆れるのは・・スローモーションの多さ。とにかくスロー。何でもいいからスロー。とりあえずスロー。爆発で吹っ飛ぶ・・はいスロー。銃で撃たれる・・はいスロー。もう全部スロー。ジミー(パレ)は子供の頃両親と妹を目の前で殺された。成長後ポートランド警察の刑事になるが、向こう見ずで、親代わりの警部サムを心配させている。向こう見ず→心理テスト受けろ→美しい博士→辛い過去に同情・・まあお決まりの展開。ジミーは復讐を誓っているが、なにぶん子供の頃の記憶なのではっきりしない。それでウェザース博士(リンダ・ホフマン)に催眠術をかけてもらう。子供に帰って泣くジミーを見せ、見ているパレファンをウルウルさせようってのが見え見え。何だかんだ言ってもこの映画はパレで持ってる。彼が出てなきゃ見てなんかいられない。だってスローモーションしか思いつかないようなアホが作ってるんですぜ。私は彼の映画たくさん見てるわけじゃないが、この頃の彼は甘いだけの二枚目から渋さやニヒルさ、その他モロモロがにじみ出し始めているように思える。若さによるはっきりさがうすれ、ちょっとくすんできた感じ。でもまだたるんだり見苦しくなったりはしていない。今回は美女とのいちゃつきに時間を浪費することもなく、わりと真面目。かなりムチャクチャでいいかげんでおっそろしくゆるい展開だが、ジミーのキャラはそんなに大きく道を踏みはずしてはいない。「ダブル・リアクション」と続けて見たせいで、どうしてもくらべてしまうが、一本調子のマッカーシーにくらべればパレの表情には陰影がある。出てきただけで、顔がうつっただけで絵になるのだ。この映画で一本調子なのは敵の方。無駄に出てきて無駄に死ぬ。殺されるために出てくるような・・頭からっぽ。信じていたサムが実は・・というのはお約束。サムの葬式だってのに妻エマのスカートはなまめかしいスリット入り。ウェザースは超ミニだ。何考えてるのかね。ところでこの二人・・そっくりだ。他にジミーにこき使われる刑事ビリー役で出ているジョン・サイモン・ジョーンズがいい。ウィレム・デフォーに似ている。ジミーに冷たくされてもせっせと力を貸すので、彼にほの字なのかしら・・と思ってしまう。