ブラック・ナイト

ブラック・ナイト

これは確かシネパトスで予告見たと思う。お客は入らないだろうなあ・・と思ったものだ。今回ナイトはナイトでも騎士の方だと知った。私はてっきり夜の方だと・・中世イコール暗い時代。片仮名表記って時々意味を取り違えることがある。ミューズもそうだ。この映画「珍説・黒騎士伝説」くらいの副題つけりゃよかったのよ。ジャマール(マーティン・ローレンス)はファミリーパーク「中世の世界」で働いているが、やる気ゼロ。近くに同じようなパークができるらしいから、ここはつぶれるだろう。向こうに雇ってもらおうか・・などと考えているお調子者。ふとしたことから本物の中世へ行ってしまうが、最初はライバルの「キャッスル・ワールド」に迷い込んだのだと思っている。横暴な国王、追放されたらしい女王、身持ちの悪い姫、腹黒い家臣、忠義の騎士、美しい女官・・それらしい面々が出てきて、ジャマールとのギャップで笑わせようという魂胆。最初は期待させるが、そのうちしぼむ。ローレンスはアメリカ人には受けるのだろうが我々には今いち。彼は単独より誰かと組んだ方がいい。彼のギャグが笑えない時、彼のキャラが気にくわない時、スティーヴ・ザーンが、ルーク・ウィルソンが、ティム・ロビンスが救ってくれる。口直ししてくれる。女官ヴィクトリア役は「ホーンテッドマンション」のマーシャ・トマソン。美人だが迫力がなく印象がうすい。ロザリオ・ドーソンあたりを持ってこなくちゃ。騎士ノルティ役はトム・ウィルキンソン。私が興味持ったのは悪臣パーシヴァル役ヴィンセント・リーガン。大柄でなかなかのハンサム。特に透き通った目が美しい。あんまり美しいので悪役に見えない。あの時代はああいうタイプが普通なのよ・・と弁護したくなる。全体的に何で通り過ぎちゃうんだろうという印象。黒人が現われてもさほど驚かない。・・と言うか、ヒロインとしてやはり黒人のヴィクトリアが出てきた時点で勘のいい人には○○オチとわかってしまうかも。なぜ女王を追放したのか不明、なぜ重傷のノルティが元気になるのか不明、姫がどうなったか不明。不明なことだらけだが、○○だからいいのだ。ウーム何といいかげんな。利己的なジャマールがノルティとの出会いで他人を思いやるようになる・・というのがテーマらしいが、見る者に伝わるかどうかは疑問。リーガンは「ミス・マープル」の「バートラム・ホテルにて」に出ているらしいので期待大。