黄金の七人

黄金の七人

大昔NHKで「レオナルド・ダ・ビンチの生涯」やった時、当然のことながら主演のフィリップ・ルロワに興味を持った。「黄金の七人」に出ていると知ったが、見る機会もなく年月は流れ・・。NHKBSでやったのでやっと見ることができた。銀行から金塊を盗む一団。計画を立てるのは教授(ルロワ)、力仕事は六人の男、美女ジョルジャ(ロッサナ・ポデスタ)が奇抜なファッションでまわりをウロウロ。この種の映画はたいていメンバー集めから始まる。次に下見や車の手配などの準備。強奪成功はクライマックスに持ってくる。でもこの映画はいきなり実行。教授はハンサムで頭がよく、だまされたと見せてその上を行く。汗をかくような・・力を使うようなことはいっさいせず、常にゆったり構える。あとの六人は頭空っぽで体力だけはあるから、それでバランスが取れる。奪った金塊を真鍮に見せかけて送り出し、教授と女は列車で移動。その後は裏切りとだまし合い。女は銀行の頭取といい仲で、教授を裏切るが、逆にだまされ・・金塊は手違いで溶かされてしまったと思い込まされる。欲だけで結びついていた頭取はあっという間に女から離れ、そんな女に教授は再び寄ってくる。あなたを裏切ったのに?・・はい、美女は何をしても許されるんですよ(ケッ!)。金塊は二人で山分け・・でも、六人がだまされたと気づき追ってくる。トラックに積んだ金塊が無人のまま暴走し、屋台にぶつかって荷崩れを起こし、そばにいたガキどもが金だ!と騒ぎ出し、みんなが集まってきて奪い合い。ここらへんのドタバタを見て、向こうの人は・・昔の人は笑うんですかね。もちろん警官も集まってくるし、そうなると教授達も手が出せず、部外者のフリをするしかない。せっかく成功したのに欲をかいたばっかりに・・。でも「また一緒にやりましょうや」となる。何ともノーテンキ、懲りない連中だ。「続編へ続く」という字幕まで出る。六人のうちアドルフ役はガストーネ・モスキン、アルドは「雨の訪問者」でヒロインの夫をやっていたガブリエル・ティンティ、アウグスト役の人は「レオナルド」でルドヴィーコ・イル・モーロをやっていた。頭取役ホセ・スアレスはアラン・ラッド風。てなわけで「レオナルド」から40年後にやっと見ることができた本作だが、ゆるゆるで期待はずれ。続編も放映されたようだけどパス。