探偵ロマンス

探偵ロマンス1

「明治開化 新十郎探偵帖」みたいな感じかなと思いながら見た。見る気になったのは草刈正雄氏が出ているから。「美の壺」はたまに見る。いつ見てもあの広くて和洋折衷の家はどういう間取りになっているのだろうと思う。養命酒のコマーシャルでの草刈氏もあったかい感じでいい。さて・・主人公太郎・・後の江戸川乱歩・・は大学出だが、どの仕事も長続きしないようだ。古本屋の二階に住んでいるが、家賃もろくに払えない。推理作家になろうとせっせと書いているが、売れる当てはない。巷ではピス健の画商殺しが話題になっている。警察の警護も役には立たず、往年の名探偵白井三郎の登場が待たれている。警察をやめて探偵になり、たんまり稼いで今は隠居暮らしらしいが、どこにいるかは不明。クズ拾いをやめて那そばの屋台をやるようになった太郎は、クズ拾いの老人が三郎らしいと気づくが・・。支那そば・・おいしそうだったな。昔はラーメンとか中華そばなんて言わず、支那そばと言っていたんだよな。初回ということで次から次へと人が出てくるので、何が何だかよくわからない。しかも一人一人がいわくありげと言うか、いい味出してる。笠智衆氏みたいな老人から、ポストの前に座り込んでいる幼女まで。バーの主人岸辺一徳氏も。下町のにぎわいから、金持ち連中の秘密クラブまで。太郎役は濱田岳氏。心の声が多く、WOWOWの「W座からの招待状」の時と同じしゃべりなので、妙な気がする。途中ピス健との追いつ追われつシーンがあるが、何だか香港映画みたいなノリ。草刈氏も年なのにアクションご苦労様。それにしてもエンドロールは何じゃらほい。赤い字で見づらい上に、倍速かと思うくらいサーッと流れるので、全然読めん。せっかく誰が出ているか最後にはわかるだろうと思って待ってたのに。脅迫状(たぶん)も何て書いてあるのか全然読めん。見ている人に意地悪してるとしか思えない。内容は・・いろんな謎が提示され、解決しないままだったけど、これからおいおい解けていくのでしょう。

探偵ロマンス2

太郎と三郎は廻戸邸へ。そこにはピス健がいて、廻戸の娘早苗が縛られていた。で、ハデな銃撃戦になるけど、使用人はどこへ?ところで全然気がつかなかったけど、廻戸役は原田龍二氏だったのね。そのうち駆けつけた刑事の狭間(大友康平氏)や笠森にピス健はつかまるが、三郎の推測通り彼はただの金目当ての強盗で、廻戸殺しには無関係らしい。廻戸邸にいたのだって、三郎をかたる何者かに呼び出されたから。つまり真犯人は別にいるわけ。でも三郎は自分の考えを狭間には言ってなかったな。だから世間はもちろんピス健が廻戸を殺したのだと思ってる。今回太郎はオペラ館の踊り子、お百の舞台を見てその美しさに夢中になる。その一方でお百が男性だということにもすぐ気づく。美摩子も後工田と一緒に来ていたが、この後工田・・「ベニスに死す」のダーク・ボガードみたいで笑える。三郎の方はお勢と再会する。10年前、怪盗のせいでお勢は夫を、三郎は相棒の京子を失う。探偵をやめたのはそのせいらしい。また、美摩子こと久代は京子の妹らしい。彼女が赤い部屋というクラブやってるのは、姉の仇捜し出すためか。お勢は孫の正一郎を捜し出すよう三郎に頼んだようで。見ている人はお百が正一郎かな?と思うが。隆子は教師をやめて上京する決心をする。子供達(なぜか男の子ばっか)はやめないで~と抱きつく。そのうちの一人が「俺と結婚して」と言うのが微笑ましい。この子にとっては初恋であり、初めての失恋というわけだ。そのうち狭間が三郎のところへ来て、ピス健が逃げたと言ってくる。逃げたんじゃなくて逃げられたんでしょうが。もちろんピス健は謎の人物に殺される。今のところ住良木(尾上菊之助氏)が一番怪しく描かれる。お百と向かい合うとその顔の大きさが目立つ。まあ歌舞伎役者は顔が大きくないとね(とフォロー)。お百役世古田凌氏は小林麻美さん風のはかなげな美女(←?)。

探偵ロマンス3

これは全4話なのか。3話目ともなれば話はいよいよ佳境に入り・・となるところだが、入ってないじゃん。何でこんなじめじめした、ぐだぐだしたストーリーなんだ?「明治開化」の方がマシだったかなと思えてくる。隆子は上京早々お百にポーッとなってる太郎見させられるが、プライドってもんがあるから取り乱したりはしない。上京は自分の意志、住むところも仕事も自分で見つけると気丈。それにしてもなぜ太郎はお百は男性だと言わないのかね。言わなくても・・初対面の隆子でもそんなのすぐわかったとか?だったらオペラ館に来る客だって見抜くはずで、新聞にだって書かれるはずだが。梅雨前線と秋雨前線が停滞しているのはお百のせいだ。そりゃもちろん男でも女でもない自分は何なのかと悩み苦しむ彼の苦悩は重い。現代にも通ずる問題を投げかけてくる。でも正直に言えば「ロマンス」ってそういう話?探偵、怪盗、推理作家によるスカッとした話じゃないのかね。そもそも三郎がちっとも出てこないじゃん。お百の背中にはヤケドのあとがある。彼がお勢の孫正一郎だってのは明らかだし、一連の事件の黒幕が住良木だってのも見え見え。最後の方で美摩子が住良木を怪しみ、逆にとらわれの身になってしまうが、三郎は住良木がお勢に化けてたとか言ってなかった?美摩子は香りで気がついたんだけど、三郎は全然・・相手が男だって気づかなかったの?しかもいいムードになっちゃったりしてさ。住良木が初之助に興味示していたけど、そうやって悩んでる若者に近づいて、理解者のフリして操るためか。お百を操って廻戸殺させたように。ところで太郎が何回となく言う「分からないだから知りたい」という言葉。こういうキーワードみたいなのがくり返されるとお尻がムズムズしてしまうのは私だけでしょうか。大河でも「麒麟が」とか言われるとそのたんびにムズムズしたけど。

探偵ロマンス4

初之助は後工田の持っているイルベガンの巣の地図を奪うためだか何だか知らないが、要するに住良木に操られ、銃で撃つが、とどめを刺したのは何と笠森。住良木の仲間は警察の中にもいたのだ。こんなのが警護にあたっているのだから、やられてあたりまえ。ピス健が逃げることができたのもそのせいか。前回お百がつかまったけど、その後どうなったのかは不明。ピス健同様何かまずいことしゃべられる前に始末するはずだが。笠森の前に狭間が現われるけど、その後どうなったのかは不明。あっちもこっちも省略だらけのままストーリーだけが進んでいく。こんなことでいいのかね。こんなはずじゃなかったと視聴者に思わせるなんて作り手の恥だぞ。初之助は住良木の車で逃げ去るが、その後笠森に殺される。不思議なことに太郎のところには何の警察の捜索も入らない。いちおうここに居候していたのだから警察が踏み込むでしょ。太郎は初之助が何を考えていたのか知ってショックを受ける。まあ一緒に暮らしていたって相手が何考えてるかなんて気づかなくて当然だけど。三郎は住良木の隠れ家突き止めようと辛抱強く写真を見せて回る。反応があったのはいつもポストの前にいる幼女と、笠智衆氏風の老人。毎回出ていて、四回目にやっとセリフですか。三郎は探偵の七つ道具を持ち、太郎は正装して出かける。下宿代も払えないのに、屋台の仕事も一回しか(たぶん)してないのに、何で服装整えられるのかね。この二人になぜか狭間も加わり、これでからっ風がビューと吹けば「大江戸捜査網」だ。後で美摩子も加わる。住良木との対決は・・長いね。あれこれあってつかまえるけど、こっちはもういいかげん飽きてきて・・。しかも彼がつかまって一件落着かと言うと、そうならない。果たして彼が本当に怪盗なのかという疑問が提示される。一番最後に男装の麗人とやらが出てきて、これが怪盗市川実日子さんがいつ出てくるのか・・全然出て来なくて終わっちゃうぞ・・と思っていたら。続編もあるかもよという目配せだろうが、あたしゃなくてもいっこうにかまいません。