21/Twenty-One

21/Twenty-One

ビデオカバーの説明をそのまま信じると、若く美しい女性の奔放な男性遍歴!となるが、こういう文章は信用できないとこっちもわかってる。主人公ケイティ(パッツィ・ケンジット)は父が出席する結婚式についていって、何と花婿にくどかれてしまう。こんなとんでもない男ジャックと、あっさり不倫関係を続ける。人材派遣会社から行った先の保険会社ではボビーと親しくなる。これが若い若いルーファス・シーウェル。ボビーは腕はいいのだが、怠け者で麻薬中毒である。ケイティの家に転がり込むが、麻薬のことしか考えてないから、彼女がジャックとの関係を続けても無関心。そのうちケイティは黒人のミュージシャン、バルディーの世話をする仕事につく。彼は不法入国者なので、おおっぴらに活動できないが、ケイティにとってはよき相談相手である。彼は他の二人のことも知っていて、ケイティとの間には恋愛感情はなく、兄と妹のように仲が良い。ある日突然ボビーが死に、家族に知らせると、意外なことに父親も兄弟も皆りっぱで固い性格で、長男のだけが道を踏みはずしていたのだとわかる。バルディーはこういう時も温かくケイティを見守ってくれるような親切な男で、移民局の目を気にしなくてすむよう、彼女は彼と名目上の夫婦になることに同意する。式の後、私はまだ若い、アメリカへ行って女優にチャレンジするわと、一人で旅立つ。そうかここはイギリスなんだ・・てっきりアメリカが舞台だと思ってた私はびっくり。ルーファスは若いのと役柄上いかにも不健康そうに見えなきゃならないのとで、あまり魅力的ではない。顔が真っ白で、全くシワがなく、大きな目はトロンとしていて薄気味悪いくらいだ。少し年を取った方が魅力的というタイプなのだろう。この映画で興味深いのは、ヒロインのしたたかさ。私は美しくて魅力もあるから女優として成功すること間違いなし、何たってまだ21なんだもの・・と希望にあふれている。結婚したからには・・と、バルディーは今までのようなわけにはいかなくて本当の夫婦に・・と持ちかけるのだが、ケイティには全くその気なし。もう不法滞在者じゃないからあなたは気楽にやってね、私はアメリカへ行くからとドライなこと。いざとなると女の方がサバサバしていて、男は悶々としているってのが興味深い。