ハッピー・オールド・イヤー

ハッピー・オールド・イヤー

映画を見ていてもヒロインの職業わからなかったけど、インテリアデザイナーらしい。彼女ジーンはスウェーデンに留学している間にミニマル主義になる。自分の家をリフォームし、一階はオフィスにしたい。そのためにはいらないものを捨てなくちゃ。両親は離婚したらしい。兄のジェーはいいとして問題は母親。二階へ移るのはいや、ピアノを処分するのはいや、今のままがいいと変化を拒む。ジーンは次々にものを捨てるが、そのせいで友人ピンクを怒らせたり、三年前に振ったエムにあやまりに行ったり。要するに過去と向き合うはめになる。よりよい選択をし、前に進め、流されるな迷うなと言ったって人間だからなかなかそうもいかない。それにしても借りたままにしているものの多いこと!彼女の場合少なくとも三年間は借りたままってことで。題名や紹介文からコメディーっぽい内容想像していたけど、全然違った。暗くて重苦しい。処分することによって心が軽くなる、見ている者の心も軽くしてくれる、そういう映画じゃなかった。今まで見て見ぬフリをしていた自分の過去、元恋人や家族との関係、ああ~重い重い。ジーンは自分が苦しむだけじゃなく、まわりの者も苦しめる。不実な父親が残していったピアノはかさばるだけだが、母親は執着する。断捨離とかだと自分以外の人のものを勝手に処分してはいけないと言うけれど、ジーンは勝手に処分してしまう。あたしゃせめてピアノくらいは残すと思ってたので、呆れた。エムに会いに行った時も、あやまっているようでいてあやまっていない感じがした。エムの対応は穏やかで、そばにはミーという女性もいて、何となくホッとしたのだけれど、後になって彼はシンガポールへ行くとかでミーを振る。これにはびっくりした。ジーンと同じことをエムもしている・・って。この映画、ジーンの母親とミーが気の毒だった。終わりの方になると、これで終わりかなと思っているとまだ続く・・みたいな、落としどころが見つからないみたいな、要するにダラダラした感じになってくる。少しは前に進めたけど、ちっともハッピーじゃない人ばかり。そんな中ではジェーが一番振れ幅が少ないと言うか。ジーンの言いなりに見えるけどちゃんと自分の考えはあって、でもそれを押しつけたりはしない。まわりを傷つけることもないと言うか。