エジソンズ・ゲーム

エジソンズ・ゲーム

ベネディクト・カンバーバッチがエジソンやってる・・それくらいの前知識しかない。テスラは「プレステージ」に出ていたから知ってるけど、ウェスティングハウスという人物は知らない。本人からしてあまり後世に名を残す気はなかったようで。今でこそ我々は普通に電気使っていて、スイッチを押せばつくものだと思ってるけど、19世紀の終わり頃にはこんな争いやってたのだ。と言うか、ウェスティングハウスはエジソンと協力したいのだが、エジソンの方はまっぴら。彼の直流方式は設備に金かかるけど、ウェスティングハウスの交流方式は危険。その対立がずっと続く。ラストでウェスティングハウスが歩み寄ろうとした時もエジソンは断る。結局電流戦争ではエジソンが負けるけど、その代わり映画という新しい産業が起きる。カンバーバッチは例によってまわりには理解されないけどいいんだも~ん的人物を演じている。初期の「シャーロック」で見せたようなキラキラした美しさはない。映画そのものも暗く茶色っぽいトーンなので、なおさらだ。ウェスティングハウス役マイケル・シャノンは知らない人。誰かに似ているんだよな~ってずっと思いながら見ていたが、そうだヴィック・モローに似ているのだと気がついた。ウェスティングハウスの方がまともな性格なのだが、時には汚い手を使うはめに。でも彼のこと、非難できない。何しろ徹頭徹尾エジソンに侮辱されてるんだから気の毒で。テスラ役はニコラス・ホルト。なんかおどおどした感じで、立ち位置も中途半端。三人の個性の違う天才と言うか偉人が揃った、活気のある時代だったのだというのは伝わってくるけど、映画そのものはあまりおもしろくない。あおるような音楽をバックに、とっとことっとこと話が進む。この人は誰で、何がどうなってるのかなどはわからないまま。会話から推理せよとでもいうのか。そのうち理解しようという気も失せ、ただ見ているだけ・・となる。制作裏ではかなり混乱があったらしく、それも影響しているのか。出演は他にインサル役がトム・ホランドというかわいらしい子。モルガン役は・・まさかマシュー・マクファディンじゃないよね・・えッ、彼なの?