リンカーン/秘密の書

リンカーン/秘密の書

そりゃあ「リンカーン」とこっちとどっちを見るかと言われりゃこっちでしょ。びっくりしたのはルーファス・シーウェルが出ていたこと。あらま、お久しぶり。5000年も生き続けるヴァンパイアの王者。そう言えばルーファスって吸血鬼の役やったことあったっけ?だってぴったりじゃん!もちろん下っ端じゃなくて、王者、皇帝、帝王クラス。重みがあってぶれなくて。リンカーン役ベンジャミン・ウォーカーはリーアム・ニーソンそっくり。背が高いのまでそっくり。実の息子と言っても通るくらい。で、母親をヴァンパイアに殺された恨みと、親友の黒人ウィルとの関わりで奴隷制度に反発と、二つ無理やりくっつけてあれこれの事件。何かあってもさっさと通り過ぎ、比重はこれでもかってぐらいの特撮にかかってる。凝りすぎの映像は何が何やらわからず、しかも3-D?人間ドラマは薄っぺらで心に響かず、何よりも主演のウォーカーに魅力がない。顔は地味だしのっぽすぎて大味だし華がない。ところがよくしたもので、脇がその分いいのだ。彼をスカウトするヘンリー・・どこかで見たような・・「ジェームズ・ボンドを夢見た男」のドミニク・クーパーだ。ヘンリーも実はヴァンパイア。アダム(ルーファス)に復讐したいが、ヴァンパイアはヴァンパイアを殺せないんだと。それでせっせと人間の若者をスカウトしてハンターに仕立て上げる。こんなルール、今まであった?リンカーンを助けるスピード役はジミ・シンプソン。ジェームズ・スペイダーとスカーレット・ヨハンソンをミックスしたような美形。あまりはっきりとうつしてくれないのがもったいない。リンカーン達を裏切ったと見せて実は・・の、どんでん返しは意外でよかった。リンカーンが仇と狙うバーツ役はマートン・ソーカス。「イーオン・フラックス」に出ていた人ね。リンカーンの妻メアリーがメアリー・エリザベス・ウィンステッド。「ダイ・ハード4.0」に出ていた。彼女をリンカーンにとられちゃう婚約者がアラン・テュディック。特撮では、クライマックスの燃え盛る橋を爆走する機関車のシーンがよくできていてハラハラした。ラストは・・個人的には暗殺されたリンカーンがヘンリーの一噛みで蘇る・・みたいなB的C的オチでもよかったかな・・と。