G.I.ジョーシリーズ

G.I.ジョー

この映画ジョゼフ・ゴードン=レヴィットが出ているので見る気になった。彼はどちらかと言うとちょっとクセのある小規模な作品に出ることが多い。「ブリック」とか「ルックアウト/見張り」とか。だからこういう超大作に出ていると知った時には意外な気がした。ともあれスクリーンで彼を見ることができるのはうれしい。それと全然知らなかったのだが、ブレンダン・フレイザーも出ているようで、ますますうれしい。期待して見に行く。公開二週目、平日午前で18人くらいか。朝の10時ということを考えれば入っている方だ。メンズ・デーだったので男性が多いが、どう見ても特撮バリバリ、ドハデなアクション映画なんて見そうにないおばちゃんの二人連れがいて?と思ったが、そのうち気がついた。イ・ビョンホン目当てだろう・・ってね。他の人から見れば私もビョン様目当てのおばちゃんに見えるのかしら。違います!私はレヴィットとブレン目当てです、一緒にしないで~!監督はスティーヴン・ソマーズ。だから手慣れた感じでそつなく作ってある。特に目につくのは爆発の多さ、銃その他の武器・兵器の破壊力が非常に大きいこと。これじゃあ別にこれ以上の秘密兵器いらないじゃん・・などと思ってしまった。さてストーリーだけど・・おや?パンフにストーリー書いてないぞ。最近こういうのが多い。映画を見ていても流れがつかめず、補おうと思ってパンフ買うけどそっちもろくな文章載ってない。書いてあってもほんの数行とか。何でだろ、手抜き?それとも公開直前まで内容極秘で間に合わなかったとか?それともストーリーはないに等しいとか。これだな、たぶん。冒頭昔のフランスで武器商人デストロが焼けた鉄仮面かぶせられる。後で出てくるレヴィット扮するマッドサイエンティスト、コブラコマンダーが顔半分マスクでおおっているし、その他の部分も火傷みたいなあとあるしで、何らかの超自然的な能力を持って生き続けているデストロ本人かな・・と。でも違った。舞台は近未来に移り、ナノマイト(あらゆる金属食べちゃう)の開発にわくNATO軍だか何かがうつる。こういう強力な兵器ができた、めでたいってみんなして喜んでいる時点でもうこの映画の程度がわかる。おまえら正気かよ、どこがめでたいんだよ、人類の危機、地球滅亡の危機の要因がまた一つ増えたってことじゃないか。

G.I.ジョー2

これを奪って悪用するやつが悪人なのは当然だが、そんなもの開発するやつ、開発資金を出すやつ、成功したと喜ぶやつ、み~んな悪いやつだ。誰か止めるやつはいないのか。のっけからアホアホ映画だって露呈して、あとはこれを奪う取り返すでドンパチやって、壊しまくる間にデューク(チャニング・テイタム)とアナ(シェナ・ミラー)のロマンスからめて・・「トランスフォーマー リベンジ」と同じパターン(こっちは焼けぼっくいロマンスだけどね)。愛だぜ、愛!このアナは昔デュークの恋人だったけど、弟レックスの死(実はコブラコマンダーとして生きてる)がきっかけで疎遠になってしまう。戦争だから何が起きても不思議じゃない。レックスの死はデュークの責任じゃない。でもそれでも彼はオレのせいで・・とうじうじ。結局二人は別れ、アナは今は別の人と結婚している。バロネス(男爵イモねえちゃん・・じゃない、男爵夫人)として、なぜかすごい悪女になって悪事の限りを尽くしているが、後で洗脳されていたとわかり・・。デュークのお決まりのセリフ・・君は悪くない。やれやれそんな単純なものじゃないでしょ。再びデュークとラブラブになる前に、さんざん利用したあげく殺した夫の男爵イモのこと少しは炒めろ!!・・いや、こんがり悼めろ!!あれ?それとコブラコマンダーが弟レックスだとなぜ気づかないの?記憶消されているの?でもデュークのこと覚えていたじゃん。いやもうホント突っ込みどころ満載で、ストーリーわからなくてもいくらでも書けちゃうわ。何から書こうか迷うくらいよ。私はてっきりデュークが主人公だと思っていたけど・・そのように描かれているけど・・クレジットの順とかそうでもなくて。テイタムの知名度低いせいか。彼が注目されたのは「ステップ・アップ」。見たことないし、これからも見ることはないだろうけど、ダンスがメインの映画で、だから彼も踊れて、踊れるくらいだから体はよく動いてアクション映画もばっちり・・と。彼に関する知識はその程度で、ほぼ白紙状態。でも結論から言うと彼この役にぴったりです。背が高くてがっちりしていて首が太く、顔立ちはあまり特徴がない。ハンサムでも醜男でもない。髪は短くヒゲも短め。単純で勇気があるがおセンチな部分もある。戦争アクションの主人公そのもの。

G.I.ジョー3

私はこういう無駄のなさを感じさせるタイプは好きですよ。地味なせいで物足りなく思う人も多いようだが、私は別に・・。デュークの親友リップコード(昔「リップコード」というテレビシリーズあったな)は正反対の性格。陽気でおしゃべりですぐ女性を口説くなど、無駄なことにエネルギー消費するタイプ。こういうのが主人公だとうるさくてかなわん。デュークくらいでちょうどいい。それでなくたってこの映画いろんなものがてんこもりで疲れるんだから。リップコード役マーロン・ウェイアンズはキーネン・アイヴォリー・ウェイアンズの弟だそうな。キーネンって「グリマーマン」に出ていた人かな。ブレーカー役サイード・タグマウイは「ギャンブル・プレイ」「バンテージ・ポイント」でおなじみ。手堅くて重宝な脇役という感じ。映画を見る前はレヴィットがこういうチームの頭脳役やるんだと思ってた。彼がアクションやるとは思えない(見たいけど)。スカーレット役レイチェル・ニコルズは「P2」に出ていた。「P2」の感想もまだ書いてないなあ・・。スネークアイズ役はレイ・パーク。最初から最後まで素顔見せないのが残念。他にヘビー・デューティがいるけど省略。チームの指揮官ホーク将軍はデニス・クエイド。途中悪人の一人(アーノルド・ヴォスルー)が整形するシーンがあって、私はこのホークに化けるのだろうと思っていたら・・大統領(「キャリントン」などのジョナサン・プライス)に化けていた。ホークはケガをして車椅子に乗っていたかと思うと次のシーンでは立ってるし・・よくわからん。デュークとリップコードは砂漠の地下にある秘密基地で訓練を受ける。ブレンダンは教官役というところか。そんなに太ってないし、チラリと一瞬うつる程度だろうと思ったら何度かうつったし(できるだけうつるようにしてるように見えてちょっと不自然)、それはそれでうれしかったけど、その一方で悲しくもあった。こんなことしていていいの?ブレン・・ってね。正直言って彼は長い長いスランプに陥っていると私は思う。そりゃ「ハム3」という超大作があったし、「センター・オブ・ジ・アース」はある意味「ハム3」より成功したけど(かなりのロングランで、製作費は「ハム3」の約三分の一で興行成績がほぼ同じという効率のよさ)、それでもね。「見直したぞブレン」とか「こういうブレンを待っていたのよ」とか、そういう作品に早く出会って欲しい。

G.I.ジョー4

この映画でのブレンの役名は見逃した。何か字幕が出たけど読み取れなかった。何しろいつ出てくるか全然わからないので、字幕より画面に集中していたのだ。後でわかったがストーン軍曹とかそんな感じらしい。どうしてオコーネルにしないのだろう。一方悪役の方は・・一番気になるのはやっぱりレヴィット。まあこのキャラなら続編にも出るだろう。私は彼はヒース・レジャーによく似ていると以前から思っている。今回のようなメイクだと「ダークナイト」のジョーカーに似ている。まああれほど塗ったくってはいないけど。デストロ一族の子孫で武器商人の儲からん・・じゃない、マッカラン役は「シャロウ・グレイブ」などのクリストファー・エクルストン。私最初は「ヒドゥン」に出ていた人かな・・って。ギャラガーの写真持ってくる人(・・なんて書いても誰も思い出さないだろうけど)。おばちゃん達のお目当て(たぶん)ビョン様が扮するのはストームシャドー。白装束のニンジャだが、こういうコスチュームでいる必要があるのかな。かえって目立つ。切られても平気とか、弾を通さないとか、燃えないとか、そういう特質あるのなら話は別だが。それを言うならスネークアイズだってなぜ顔を見せないのか理由わからん。しゃべらない理由は明かされるけど。ところで日本人の感覚だと白は正義、黒は悪だけど、近頃はそうでもないのね。「SPL」でもドニー・イェンは黒ずくめ、ウー・ジンは白ずくめだったし。で、ストームシャドーだけど、このキャラ設定がまた恐ろしくムチャクチャなんですわ。この映画の作り手がいかにボンクラかと言うのは、彼の子供時代の回想シーンで明らかになる。もう一度言うけど、ストームシャドーの過去を明らかにするんじゃなくて、作り手のバカさかげんを明らかにしているのです!まず日本の都会・・おそらく東京・・がうつる。そうか、ストームシャドーは日本人か、ニンジャだし。ニンジャと言うよりナンジャだが・・。少林寺みたいなお寺があって、みんなせっせと武術の修行。お寺らしいこと、坊さんらしいこと全然してない。飢えに耐えかねた子供(後のスネークアイズ)が台所(庫裏?)に忍び込む。それに気づいたストームシャドーが襲いかかる。なぜかスネークアイズも強くて。二人が戦うシーンは、子役のアクションの見せ場と言うよりその長さ、しつこさにうんざりさせられる。

G.I.ジョー5

それとストームシャドーは相手への憎悪むき出しで、いかにも異常だ。二人で修行するようになってもそれは変わらず、相手をたたきのめすことしか頭にない。師(パンフによれば父親らしい)が自分よりスネークアイズに目をかけるのを恨み、殺して出奔する。殺すシーンは出てこないが、凶器は彼のだしああいう残忍で嫉妬深い性格だし逃走したし・・。まあ日本にいながら中国語(?)でしゃべり、父には英語でしゃべろと言われる異常な環境だったからねえ・・ってそういう話じゃないだろッ!!作り手にとって日本語は存在しないの?へたくそでもいいからちゃんと日本語しゃべらせろッ!それとも日本にいるけど彼らは実は中国人か韓国人で、中国武術やってニンジャになるのかしら。ったく作り手の頭の中どうなってるのかしら。師の死後スネークアイズは沈黙の誓い立ててる。ストームシャドーは彼と戦って死んじゃったから(たぶん)、「2」には出ないだろう。おばちゃん達も一安心。だってこういう映画むやみやたらとうるさいしめまぐるしいし、彼女達の理解超えてる。恋愛映画ならどんなにもつれ合っていてもあれがああでこれがこうで一見こう見えるけど実はこうなのよ・・と、即座に理解・分析・説明・証明できるけどこういうのはね。エッフェル塔が倒れて海中で戦っていたのは記憶にあるけど、誰と誰が何のために戦っていたのかは知らないと思うわ。記憶に残っているのは目にもまぶしい真っ白なスーツ姿のビョン様。バロネスに近づく者は皆殺す!の異常な性格。私に近づく者もああやって取り除いてくれないかしら・・ダンナも含めて(←おばちゃんの本心)。クライマックスでは必要もないのに(いや、おばちゃん達の熱い期待はあったろうが)上半身裸になって筋肉美見せてくれる大サービス。ここだけはちゃんとリサーチしていたようで作り手も。出血サービスもある。あッ、スネークアイズが素顔見せないのはそのためか。よくも私のビョン様を・・ってレイ・パークが恨まれる。命が危ない(んなことないって!)。まあ他の部分があまりにもアホくさいせいで、ビョン様のニンジャのアホくささはさほど目立ちません。アジア人代表としてよくやっていたと思う。いくらアホくさくてもこういう映画では存在感見せるのが大事。控えめにしていたら埋もれちゃって記憶に残ってもらえない。また、彼のおかげで日本での興行成績も少しは上乗せされたと思う。

G.I.ジョー6

この映画例によってアメコミが原作だろうと思っていたら違うのね。アクション・フィギュアが元らしい(アクション・フィギュアって何?)。パンフにはフィギュアの写真が載ってるわけでもなく、どういう感じなのかわからんけど、知りたいとも思わん。映画そのものは、G.I.というレトロさを感じさせる言葉とは裏腹に最先端特撮技術のオンパレード。でもそのどれもが既視感があって・・。作り手も大変だと思うよ。だからってなかみがアホアホなのは困るけど。いろんな映画の寄せ集め的な印象の本作だが、私が連想したのは「ステルス」とか「トランスフォーマー リベンジ」。「ステルス」も負けず劣らずのアホ映画だったけど、その中での心の動き・・と言っても人間ではなく人工知能のエディだけど・・が私の心をぎゅっとつかんだ。本作は心の部分が全体的にうすっぺらい。デュークやスネークアイズのように屈折した過去を持つ者も中にはいるけど。とにかくハデな爆発や壮絶な追いかけっこで一時的に目を奪うことはできても、心には響かないんだってこと。最初のうちはそれでもいい方が勝つよう応援するけど、そのうちどうでもよくなってしまう。悪い方にも同情すべき部分があるのだとかそういうことではなくて、本当にどうでもいいのである。映画のメインは爆発や破壊。人間は脇に追いやられてしまっている。どっちが勝とうが関係ない。両者が使っている武器・兵器はおそらくともにマッカランの会社の製品。それに前にも書いたがナノマイトがどっちの手にあることが問題なのではない。存在することが問題なのだ。「トランス」との類似点は中心に二人の愛があること。まわりで爆発やら何やらが起こっていても、二人が抱き合ってキスをする時間はある・・みたいなばかばかしさ。何かをやるごとに必要以上に多くのものを破壊するのもそう。タバコに火をつけるのにマッチ一本ではなくタンカー一隻爆発炎上させる・・みたいな恐ろしいほどの無駄。「トランス」で中国やエジプト壊しまくったように、こちらではパリの街を壊す。すごいシーンだなあ、よく作ったなと感心する前に、作り手の視界に一般人が全く存在していないことが気になる。一般の人々は壊される建物などと同等。一部の人間だけは何をやっても許される・・最強破壊兵器を取り返すためなら・・みたいな。あたしゃそんなの無批判で肯定するほど単純じゃないです。

G.I.ジョー バック2リベンジ

一作目は録画してあるが、それもこれもブレンダン・フレイザーがちょこっと出ているせい。二作目は次から次へといろんなのが出てめまぐるしい。敵なのか味方なのか。ハデなアクション見せるためにやらなくてもいいことをやってる。お目当てのデュークことチャニング・テイタムがあっさり退場。死んだと見えて実は・・となるのかとしばらく待っていたけど、いつまでたってもそのまんま。あちゃ~ホントに死んじゃったの?てことは主演はブロック役ドウェイン・ジョンソン?別に彼でもいいけど、やっぱこういうのは若くてハンサムでがっちりした白人俳優でないと・・。フリント役の人はいちおう若くてハンサムだが、力強さがない。D.J.コトローナ・・「ヴェノム」のショーンか?こういう映画はストーリーはあってないようなものなので省略。あっちこっちで引っくり返るしありえないしどうでもいいし。ジェイ役エイドリアン・パレッキは「レギオン」のチャーリーらしい。こんな顔してたっけ?まあとにかく彼女はよかった。ボリュームのある体つき、力強い目。もう一人ジンクス役でエロディ・ユンが出てくるが、彼女もなかなかの美人だ。スネークアイズは相変わらず素顔を見せないけど、ストームシャドーのイ・ビョンホンは時々見せる。だって顔を隠していたらファンが承知しない。おまけに度々脱いでものすごい(肌の色がね)上半身見せてくれる。ドウェイン他ほとんど脱ぎませんけど、ビョン様だけは脱いでくれます。あの爽やかな顔立ちにこの体ですから、そこがいいんでしょう。アクションもばっちりです。私は韓流には全く興味ありませんが、ハリウッド大作でアジア人俳優が活躍してくれるのはうれしいです。他には大統領役の人に目が行く。いわくありげな顔立ちと何気ないようでいてうまい演技・・ジョナサン・プライスですかやっぱりねえ。あとコルトン司令官役でブルース・ウィリス。今回は汗も涙も鼻水もぼやきもなし。油っけが抜けていい感じ。残念だったのはジェイの亡父の親友という設定。だって絶対みんなジェイは彼の娘って思ったでしょ?彼の家が武器だらけなのは「RED」みたいでよかった。他にアーノルド・ヴォスルー、ウォルトン・ゴギンズなど。

G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ

こんな映画が作られていなんて知らなかった。スネークやストームの過去が本シリーズ(←?)と違うぞ。きっとパラレルワールドの話だろう!父を殺され復讐を誓うスネークだが、手がかりはない。20年後ストリートファイターみたいになってる彼に、犯人の情報をちらつかせながら近づいてきたのがタカムラ。その後嵐影一族の後継者候補トミーに恩を売って日本へ。後で、トミーの信頼を得たのは内部へ入り込み、太陽石を盗み出すためだったとわかる。警備担当のアキコはずっと彼を疑っていたけど、直感は正しかったわけだ。タカムラは大変な力を持つ石を狙っていて、スネークの方は犯人の情報がどうしても欲しい。たとえトミー達をだますことになっても。話を聞いているうちにタカムラが悪人だとわかっても。無我の境地とか要求されるが、結局これが・・復讐心が彼の弱点。この映画大コケしたらしいが、まあそれも仕方ないかも。主人公を始め、主な出演者はマレーシア、インドネシア、日本などアジア系。デニス・クエイドやブルース・ウィリスといった大物も出てこない。私は期待もせずに見ているから失望もしないけど。嵐影は忍者集団で、住んでいるのはお城。一族を率いる頭領セン役は石田えりさん。英語は滑らかだし貫禄もあるが、数メートルもジャンプするシーンは余計。ガチャガチャしたうつし方は気に食わんが、ストーリーはそれなりによく考えられている。スネーク役はヘンリー・ゴールディング、タカムラは平岳大氏、アキコが安部春香さん。ハードマスター役イコ・ウワイスは「スカイライン-奪還-」でスア役やった人。こんな顔だったっけ?薬丸裕英氏に似ている。ブラインドマスターがピーター・メンサー。トミー役アンドリュー・小路氏は坂東玉三郎氏にそっくりで笑ってしまう。このトミーがビョン様がやっていた白ずくめのストームになるのだな。途中で新宿が出てくるが、狭くてゴミゴミしていて、看板やネオンがいっぱい。ネオンの文字の一つが消えているなど、芸が細かい!当然次に続くという感じで終わるが、大コケしたからなあ・・どうなるんだろ。