生れながらの殺し屋

生れながらの殺し屋

監督がロバート・ワイズなので借りてみた。離婚したばかりのヘレン(クレア・トレヴァー)はリノからサンフランシスコへ移るつもり。彼女にはすでに大金持ちの婚約者フレッドがいる。下宿を引き払う前日カジノへ出かけた彼女に、同じ下宿人のローリーが声をかける。彼女は恋人のダニーと一緒。ヘレンのそばにいた男サム(ローレンス・ティアニー)の顔がなぜかこわばる。どうも彼はローリーと付き合っていたらしい。その晩彼はローリーとダニーを殺す。ヘレンは二人の死体の第一発見者だが、面倒はごめんと通報せず、そのまま駅に向かう。そこでサムと一緒になる。その後サムはヘレンを訪ねるが、彼女にはフレッドがいるし財産もない。乳兄弟の妹ジョージアは大新聞社の相続人で大金持ち。サムは彼女と結婚する。そのうちサムの相棒マート(エリシヤ・クック・ジュニア)まで同居。このサム・・危険な魅力があるので、女どもはみんな熱を上げるが、なかみは空っぽ。邪魔をされるのが嫌い、狙ったものは必ず手に入れる、頂点に立ちたい、人を支配したい。マートが言うように、まず殴り倒してから質問する。単純でまわりが見えず、自分がすべて。ヘレンも似たタイプだが、彼女には考える頭がある。サムの頭は帽子乗せるためにある。一方家主のクラフトはローリーの仇を討とうと探偵アーネットを雇う。彼はすぐにサムに目を付け、ヘレンをゆする。マートはクラフトを始末しようとして逆にサムに殺される。ヘレンの部屋に入ったというだけで殺すんだから呆れるほどのバカ。しかも彼はサムを助けようと動き回っているのに。よく今まで生きてこれたなあ・・と言うか、サムもマートも仕事は何?そのうちフレッドは去っていく。そうそう、彼には命あるうちに去って欲しい。ヘレンはジョージアにサムの正体話すが、信じてもらえない。ジョージアはサムと結婚したものの、幸せだったのはつかの間。その後は辛い日々送ってるはず。何しろサムは自分を新聞社の経営者にしろと言い出す。まずは経験を積んでからという忠告に怒り出す。しかしいくら何でもジョージアはど素人のサムに会社任せたりしない。まああれこれあってヘレンはサムに撃たれ、サムは警察に撃たれ、二人とも死ぬ。ヘレンにすがられても去ったフレッド、アーネットにゆすられても屈しなかったヘレン・・この二つは印象に残った。トレヴァーは「駅馬車」に出ているらしい。クックは「シェーン」などいろいろ出ている。