サスペリア、インフェルノ(1980)

サスペリア(1977)

これは数十年前に民放で見たきり。いくつかのシーンは覚えているが、残酷なシーンはきれいさっぱり忘れていた。テレビでは盛んに宣伝していたし、かなりヒットしたらしい。当時の映画雑誌を引っくり返してみたが、あまり取り上げられていない。イタリア映画だからか。フライブルクのバレエ学院へ、アメリカ人のスージーがやって来る。空港のシーンから何やら色とりどりという感じだ。外は嵐、タクシーは止まってくれず、やっと乗り込んだ時にはびしょぬれ。荷物も運んでくれない。学院に着いた時、一人の女性が何やら叫び、雨の中を飛び出して行った。タクシーから降りて来院を告げたが、入れてくれない。仕方なくまたタクシーに戻る。描写はされないが、その夜はホテルに泊まったのだろう。異国で一人ぼっち、誰も迎えにきてくれず、やっと着いたと思ったら入れてくれない。おまけに暴風雨。こりゃへこみますわな。でも翌朝何事もなかったようにスージーは学院へやって来る。現われたのは教師のタナー。副校長のブランク夫人は警察と話しているところ。パットという女性が殺されたらしい。スージーは、あの時の女性がそのパットだと気づく。あの後パットは友人のところへ行った。友人は心配していろいろ聞いてきたけど、パットは話さない。その後彼女は惨殺され、なぜか無関係の友人まで殺される。最初のショックシーンなので、念入りに描写される。これでもかと執拗な感じ。友人役の人はなかなかきれいだ。パットは問題児で、退学したことになっている。学院を出たことはスージーによって目撃されているし、警察も学院を疑うことはないだろう。スージーは一時的にオルガの部屋に同居することになる。その後寮へ入れることになったが、スージーは断る。最初のレッスン時、彼女はなぜか気分が悪くなって昏倒し、寝ている間に荷物がオルガのところから寮に移されてしまう。ずいぶん強引だ。リメイクではオルガは惨死するが、こちらでは何もなし。彼女の部屋の壁紙の模様がすごい。目が回りそうだ。ところで、スージーがバレエらしき動きをするのはここだけ。気分が悪くてフラフラしながら踊るだけ。バレエっぽい雰囲気を期待するとはずされる。リメイクではあんなにダンスが重要視されてたのに。

サスペリア(1977)2

学院には男性もいる。マークというハンサムなコは、経済的な理由で寮に住み込み、タナーにこき使われているらしい。彼はスージーに好意持ったようだけど、何もなくて終わる。普通の映画ならクライマックスでは恋仲になった二人が力を合わせて・・となるけど、この映画の場合ヤローはお呼びじゃないのだ。マークはこの学院に潜む邪悪な雰囲気には全く気づいていないようで。医者のベルデガストはスージーのため特別メニューを指示する。倒れたのは貧血のせいにされる。寮の隣りの部屋にいるのがサラ。彼女はパットと仲が良かった。そのため彼女の影響でいろいろ疑問を持ってる。次のショックシーンは、ウジ虫の大発生。その量が半端じゃない。特に天井を見上げると大量のウジ虫がうごめいていて、ポトリポトリと落ちてくるなんていうのはイヤですな。さぞ映画館では悲鳴があがったことだろう。このウジ虫は屋根裏に置いてある備蓄食料に発生したもの。寮生達は急遽稽古場にベッドをしつらえて寝ることに。そこでサラがスージーに話したのが校長のこと。旅行中ということになっているが、サラは学院内にいると思っている。現に今も変ないびきが聞こえる。ある日、ここへ通いで来る盲人のピアニスト、ダニエルの犬・・盲導犬・・が副校長の甥アルベルトに噛みつくという事件が起きる。タナーにののしられたダニエルは「目は見えないが耳はいい」と捨てゼリフを残し、学院を去る。彼がどの程度秘密に気づいていたのかは不明。この後彼は酒場から犬と共に家に帰る途中、その犬に嚙み殺されてしまう。犬がアルベルトに噛みついたのは、彼が魔性の者だからだろうが、はっきりしたことは不明。姿を見せない校長の耳や目の代わりをしていたという設定でもよかったと思う。犬が突然というのは「インフェルノ」の肉屋みたいなもので、意外性を狙ったもの。見ている者がびっくりしてくれりゃそれでいい。次に危険が迫るのはサラ。見ている者はなぜ彼女はここを出て家に帰ってしまわないのかと不思議に思うが、そうならない。恐怖や好奇心がごちゃまぜになりながら、破滅へと向かう。何しろ彼女はパットとはまた違う方法で惨殺されなければならないのだ。

サスペリア(1977)3

サラ役ステファニア・カッシーニは美人だ。時々グリア・ガースンに似て見える。パットがエヴァ・アクセン、オルガがバーバラ・マグノルフィ。びっくりしたのはアルベルト。「サスペリアPART2」で子供時代のカルロをやった子だ。ヘアスタイルが違うので気づかなかったけど。マーク役はミゲル・ボセ。美人と言えばタナー役アリダ・ヴァリとブランク役ジョーン・ベネット。すごいキャストだと思う。話を戻して、サラは教師達はここを出て帰宅するはずなのに、足音からみて学院内にとどまっているような気がする。足音を聞き、歩数を数えれば、どこへ行ったのかわかるかも。彼女はパットからメモをもらっていたけど、いつの間にか盗まれてしまった。相談しようにもスージーは眠り込んでしまうし。で、サラが惨殺されるところを、またまた念入りにうつす。何かきれいな若い女性に恨みでもあるんすか?朝になってスージーはサラが消えたと聞かされる。マークは全然不審に思っていないようで、だめだこりゃ。スージーはサラに聞いていたマンデルに電話をかける。1時間10分くらいたって、やっとウド・キアーの登場だ。今はひび割れて、ひからびて、シワだらけだけど、この頃はそれはそれは美しかったのよ。でも・・こんなに出番少なかったなんて・・。マンデルは精神科医で、三年前サラは彼の患者だった。よくなってからは友人になったと。さらに彼はヘレナ・マルコスについて話す。バレエ、オカルト、火事で焼死・・。見ている者は、姿を見せない校長がマルコス・・と、予想する。マンデルは用事があるとかで、別の博士・・ミリウス教授にあとを任せて退場。あらッ、そんなぁ、もう行っちゃうの?スージーと力を合わせて魔女を退治してくれるんじゃなかったの?こんなジイチャンとチェンジしないでよ。と言うか、このジイチャンも何かするわけでもなく退場。学院に戻ると誰もいない。ボリショイを見にいったと。あら、何で私には教えてくれなかったのかしら。マンデルに電話してみるが、途中で切れてしまう。夕食はトイレに捨ててしまう。ワインも捨てる。ワインと言うより色つき水だよな。コウモリがまとわりつくが、布をかぶせておいてたたきつぶす。あら、意外と残酷なのね。タバコを吸う。一枚だけ残されたメモを見る。足音や歩数のことを思い出す。

サスペリア(1977)4

探検が始まる。外は雨になっている。足音を忍ばせて歩き回るが、なぜかハイヒールをはいている。そう言えば冒頭登場した時もハイヒールで、飛行機の中もこれで?って思った。足が疲れるだろうに。この後、建物のいわばカゲの部分が次々に出てくる。部屋はきれいだし、通路も。ドアが少し開いていて、タナーやブランクが話しているのが聞こえる。スージーを殺すつもりでいるようだ。リメイクではパトリシアやスージーは何かの儀式に必要とか、そんな感じだった。でもこちらでは儀式は関係なし。そうなるとなぜスージーの食事に薬を入れて眠らせるのか理由がわからない。パットやサラが殺されたのはマルコスやタナー達の秘密を守るためだろうが、秘密が漏れないよう常に注意を払っているかと言えばそうでもない。この後スージーはマルコスを殺すのだが、彼女が魔女なのはいいとして、タナー達は何だったのだろう。彼らも・・アルベルトや下僕のパブロも含め、みんな魔女の類(たぐい)だったのだろうか。マルコスがいやに簡単にやられてしまうのは意外だった。学院は火事になり、スージーは雨の中、学院をあとにする。・・この作品は色彩と音響だけの映画で、特に音響は凄まじいらしい。らしい・・というのは、自宅でボリュームをしぼって見ていると、それがわからないからである。一人暮らしなら好きなだけ大きくできるけど。色彩は確かに鮮やかだ。一つ一つのシーンが現代絵画のようだし、出てくる部屋のインテリアはゴージャス。おまけに新旧の美女が出てくる。主役のジェシカ・ハーパーは目の間が離れていて、さほど美人ではない。胸もぺちゃんこだし。主役と言えば、最初スージーは当時アルジェント夫人だったダリア・ニコロディがやることになっていたんだそうな。でもアメリカ人の方がいいということで、変更されたらしい。ニコロディがやってたらどんな「サスペリア」になっていただろう。ちなみにこのニコロディ・・昨年の暮れに70歳で亡くなったらしい。今見れば驚くほど内容スカスカな映画だが、見せたい映像、聞かせたい音ははっきりしているわけで、これはこれでいいと思う。

サスペリア(2018)

リメイクされてるなんて全然知らなかった。でも・・ん?2時間半もあるぞ。ホラー映画にしては長くないか?見始めてわかったけど、リメイクと言うには内容違いすぎる。と言ってもオリジナルをテレビで見たのは何十年も前。詳しいことは全然覚えてなくて、これからまた見るんだけどさ。長くなったって傑作名作になるとは限らない。何かちっとも進まなくて退屈で、おまけに何が何だかさっぱりわからない。1977年のベルリン・・赤軍だのハイジャックだのそういうところからしてオリジナルとは違うな。赤や青や印象的な音楽で彩られた世界の話ではなく、現実の世界で起きてるんだぞとでも言いたいのか。精神科医クレンペラーのところへパトリシアが来る。彼女は患者か。彼女が何か言っても、クレンペラーは幻想とか妄想・・つまり病気のせいだと思っている。マルコス舞踊団にアメリカ人のスージーがオーディションを受けに来る。そしてめでたくパス。ちょうど寮の一部屋があいた。パトリシアがいなくなったからだ。スージーはサラと親しくなる。ここは有名な振付師マダム・ブランが指導している。今度の公演では「民族」という演目をやるが、主役のオルガの様子がおかしい。いなくなった彼女の代わりにスージーが主役に。若い女の子も年取った女もゾロゾロ出てくるので、誰が誰やらわからない。また、バレエならともかく、こういうダンスは私には全く興味持てないので、見ていてもさっぱりおもしろくない。そのうちに少しはわかってくるかと思いながら見ているわけだが、ますますわからなくなるばかり。たぶんスージーの踊りによってオルガが死んでしまうシーンが最初の見せ場なんだと思う。非常にグロテスクで、ショッキングなんだろうけど、見ているこっちは何じゃこりゃ。ハラワタみたいなのはタラコに見えたし。団員のほとんどは疑問も持たず暮らしているが、中には邪悪なものに気づいてしまう者も。そうなると例えばパトリシアみたいに・・過激派組織に身を投じたとか理由くっつけられていなくなる。クレンペラーはパトリシアの身を案じて警察に調査を依頼するが、調べに来た刑事二人は女達にいいようにもてあそばれる。老人のクレンペラーが事件を解決に導くとはとても思えず、その役割はスージーが担うのだろうと見ている人は思う。

サスペリア(2018)2

儀式という言葉が出てくるので、スージーがその儀式で重要な役割を果たすのだろうと思う。マダム・マルコスは病気か何かで、スージーのような若い肉体だか生気だかを必要としているのだ。しかしなかなか本題には入らず、さあジャンプしてとかダンスの特訓見せられたりする。公演当日、半裸の若い女性達が踊る。こういうシーン見せたいのかな。で、これがクライマックスかなと思っていると、さらにすごいのがドド~ンと・・いや、力入ってますな。でも、多くの人は思ってたのと違う、自分が見たかったのはこういうんじゃなくてぇ~とか、乗れないでいたんじゃないかな。しかも何ですかあのオチは・・。スージーが〇〇だとしたら、何で悪夢とか見るの?エンドクレジット途中のシーンも意味不明。途中で首を斬って自殺した女性は何なの?何でスージーはクレンペラーに妻アンカのこと(親切に)話すの?ところで私てっきり自殺女性がジェシカ・ハーパーだと思っていたんだけど違いました。アンカ役がハーパー。スージー役はダコタ・ジョンソン。メラニー・グリフィスとドン・ジョンソンの間にできた娘だそうな。きれいだけど目の下のシワがいやに目立つ。パトリシア役はクロエ・グレース・モレッツ。しかしまあ何と言っても異彩を放っているのはブラン役ティルダ・スウィントンでしょう。スラリとした長身(180センチ)で、カリスマ的雰囲気がある。タバコばかり吸ってるのが時代を感じさせるが、見ていて心配になる。クレンペラーを演じているのは誰だろうと見ながらずっと思っていたが、何とスウィントンなんだそうで。おまけにものすごくグロテスクなマルコスも彼女。一人三役ほひょ~びっくり。クライマックスでは若い女性達だけでなくクレンペラーも全裸になるけど、こりゃ戦慄するより爆笑だよな・・なんて思ってた。まあ・・要するに見どころはスウィントンでした。私にとってはね。映画そのものは・・「サスペリア」という題名をつけるなという声があるのももっともだと思った。見る人の期待を大きく裏切るだけの映画。もちろんこういうのが好みという人もいるだろうけどさ。せめて魔女達は何をどうしたかったのか、スージーはどういう存在で、この先どういう方向へ事態は動いていくのかとか描いてくれてればねえ・・印象も変わっただろうに。

インフェルノ(1980)

これは映画館で見た。内容もショッキングだったけど、印象に残るのは音楽。ヴェルディのオペラらしいが。ストーリーは何が何だかわからなかった。DVDを買って何度か見たけど、やっぱりわからない。まあわからなくてもいいのだろう。ニューヨークに住むローズ(アイリーン・ミラクル)は「三母神」という古い本を買った。彼女は詩人らしい。本はカザニアンという足の不自由な老人がやっているアンティークショップで買った。ロンドンの建築家ヴァレリがニューヨーク、フライブルグ、ローマに三人の魔女のための建物を作ったと。その建物のカギは腐敗臭がすること、地下室、靴底の下の三つ。ローズは自分が住んでいるアパートがその建物なのでは・・と思い始める。変な臭いするし。カザニアンに尋ねても相手にされない。こういうのを好んで読みたがり、信じたがるのは女性・・と彼が言ったように、ローズも地下室へ入り込む。地下には水がたまっていて、鍵束を落としたローズは水にもぐるはめに。まるまる一階分が沈んでいるようだが、理由は不明。なぜか死体が浮遊していてローズはパニックに陥るが、後で通報した様子もなし。見ている者は水に濡れてノーブラ、スケスケのローズに気を取られ、死体なんかどうでもいい。彼女はローマにいる弟マーク(リー・マクロスキー)に手紙を書くが、彼が読もうとすると邪魔が入る。頭がフラフラしたり、猫を抱いた美女(アニア・ピエローニ)に気を取られたり。彼女を追って手紙を置き忘れたマーク。友人のサラ(エレオノラ・ジョルジ)は何となく読んでしまい、興味を引かれて古書館へ。本はそこにもあった。ここでも興味を持ったために悲惨な運命をたどるはめになった美女が・・。閉館の知らせに、こっそり本を持ち出そうとしたサラ。出口のはずが迷い込んでしまった部屋では何やらぐつぐつ煮えていて・・。そこにいた人物は、彼女が「三母神」を抱えているのを見て・・。鍋のなかみはお粥か甘酒かクリームスープか・・おいしそうだったな。また、古書館の中は壮観で・・どこかにラングドンとかいそう。さて、命からがらアパートへ戻ってきたサラ。怖くて仕方がないので、エレベーターで一緒になった見知らぬ男にしばらく一緒にいてくれと頼む。彼カルロ(ガブリエレ・ラヴィア)はテレビのスポーツ記者。妙な申し出にもいやな顔もせず付き合ってくれる気さくなハンサム男。

インフェルノ2

彼は悪魔とかそういうのは全く信じないタイプ。この後彼は殺されてしまうのだが、その前に怪しい顔つきしてるところがうつるので、見ている者は彼がさっきサラを襲った怪人なのでは・・と疑ったりする。でも全然違っていて、彼は女性に親切にしたばっかりに殺されてしまう不運な男でした。サラも殺されてしまう。彼女を訪ねてきたマークは死体を発見。普通ならここで警察の取り調べとなるが、今作はそういうのなし。姉に会うためニューヨークへ来たマーク。アパートの管理人はアリダ・ヴァリ。かなり太ったな。しかも出てきた時から怪しさ全開。部屋にはローズの姿はなし。すでに殺された後。割れたドアノブで手を切る(いや~ん)。最後はギロチン。一回でスパッじゃなくて、二度、三度(いや~ん)。切れ味が悪いらしい。カルロは串を首刺し・・じゃない、首を串刺しだし、サラは背中をズブリ。尖ったものや割れたガラス、ナイフにギロチン、いろいろ出してくるが、ショッキングなわりには怖くない。血の色がオレンジ色系で、作り物っぽく見えるせいもある。画面は主に赤と青、それに従として黒と白が使われ、独特の美学にこだわっている。それにしてもサラは学生なのに何であんなりっぱなアパートに住めるのだろう。ローズのアパートには使われていない空間がいっぱいある。住人の全く知らない誰かが住んでいたとしても、気がつかれずにすむ。マークが荷物を解いていると、上の階に住むエリース(ダリア・ニコロディ)がローズを呼んでいるのに気づく。彼女はローズと親しくしていたらしい。夫の伯爵は旅行中、彼女は執事のジョンと、ここに残っている。彼女もこのアパートには変なところがあると思っている。壁に穴があり、パイプがつながっている。話していることが誰かに筒抜けってことだ。彼女も殺されてしまう。直前に彼女は誰かが気絶したマークを引きずっているのを見てしまう。だから彼女を殺したのはその誰かなのだろう。ただ、管理人のばあさんとジョンが彼女の宝石類を盗もうとしていて。夫には宝石持ち出したまま行方不明と言っとけばいい。ジョンは彼女が戻ってくるかも・・と思っているが、ばあさんは戻ってこないと自信ありげ。だからエリースを殺したのはばあさんかな・・なんて思ってみたり。この時点ではばあさんが魔女の一人に思えるし。でも彼女もジョンも殺されてしまう。

インフェルノ3

ジョンは目玉をポロリだけど、怖いと言うより笑っちゃうかも。ここで火事が起きるのだけど、なかなかすぐには気づかれない。火災報知器とか全くないようで。マークは靴底の下の意味がわかって、床板をはずし始める。階と階の間に高さ1メートルくらいの空間があって、裏階段についている扉から出入りできるようだ。でも魔女が這いつくばってうろつき回るとも思えんが。そのうちマークはアーノルド教授の部屋へ。彼は車椅子で、機械を通してしかしゃべることができない。いつもナース(ヴェロニカ・ラザール)が付き添っている。このアーノルドが実はヴァレリで。マークに何か注射しようとするけど失敗。何をするつもりだったのだろう。結局魔女は愛想のいいナースで。映画館で見た時は、鏡から死神が現われるシーンにびっくりしたけど、DVDだとショッキングでも何でもないな。「サスペリア」とこれと「サスペリア・テルザ 最後の魔女」で三部作らしいが、「テルザ」はまだ見る機会なし。私はこの映画は好きだ。何がどうなってるのかはわからないし、と言うか何もどうもなっていないと思うのだが、それでも好きだ。女性陣が華やかなのがよろしい。清楚な美しさのミラクル、学生にしては色っぽすぎるジョルジ、ブルック・シールズ風の美女ピエローニ、「サスペリアPART2」とは違う雰囲気のニコロディ。怪しげなラザールに、四角いハムみたいなヴァリ。新鮮なものから賞味期限切れのものまで、いろいろ取り揃えてあります。それに比べると男性陣の方はちょっと・・。「サスペリアPART2」よりもハンサムに見えるラヴィアが印象的なくらいで、あとは不作。マクロスキーはロバート・レッドフォードに似ているが、全然魅力がない。マークは鈍い感じで、フラフラしたり倒れたりそんなのばっか。たぶん死神が見逃してくれたのはそのせいだろう。あんなに鈍くちゃほうっておいてもだいじょぶだ!カザニアンが野良猫を袋に入れて水に入れ、殺そうとするシーンでは、見ている私のそばにいた猫二匹ともその鳴き声に耳をそばだてていたな。何事かと思っただろうな。