インサイド・マン
公開された時、見たいなと思ったけど結局見逃した。その後ノベライズを読んだ。今回DVDをレンタルして見たけど、ウーンあんまり・・。顔ぶれはすごい。デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディ・フォスター、クリストファー・プラマー、ウィレム・デフォー。監督はスパイク・リー。傑作になりそうな予感。でも予感だけで終わっちゃった。こういうのには珍しく、犯人一味はまんまと逃げちゃう。お金は盗まないし犠牲者も出さない。信託銀行の会長(プラマー)が貸金庫に預けて厳重に封印していた過去。まあこういう設定もそのうちできなくなるな。ナチス政権下でのあれこれ・・ったってもう60年以上たつからね。それにしてもノベライズ読まず白紙状態で見たら、連中が何やってるのか全然わからないと思う。途中でいきなり事情聴取シーンとか入るし。わかりにくいってことの他に、主人公フレイジャー(ワシントン)にあまり魅力がないってこともある。どことなく品が悪い。ものすごく腕がよく、ものすごい高料金取る弁護士マデリーン(フォスター)もいやな女。自信たっぷりで高慢ちき。それに対し主犯格のダルトン(オーウェン)は・・。入念に計画し、冷静にことを進める。フレイジャーが挑発しても乗らない。人質の中に8歳の少年がいて、人を殺すと点数の入るゲームなんかやってる。ダルトンは呆れる。彼の目的はダイヤだけど、会長の過去をあばいてやろうというのもある。ある意味市長や慈善家の会長以上に真っ当なのよ。見ていて何となく心の中でせめぎ合うものがある。犯人はつかまって罪を償うべきだという思いと、うまく逃げおおせて欲しいという気持ち。この映画ではうまく逃げるけどそれでいて釈然としない。「カオス」同様犯罪者が成功するのは正しくないと思う。でもフレイジャーだって味方したくなるほど正義の人じゃないし。何だか見ていてモヤモヤ気分。かえってあんまり有能じゃない平凡なダリウス(デフォー)の方が印象よかったりして・・。他に人質になるアジア系の青年役でケン・リョンが出ていてびっくり。もっとも存在を確認できたのは最初だけで、あとはどこにいたのやら・・ちょっと残念。オープニングとエンドクレジットに流れるのは乗りのいい音楽。ちょっと変わっていてとってもよかった。