96時間
映画の日(一ヶ月以上前!)だったのでお客は15人。中年男性が多いのはやっぱりねという感じ。最初は見ていてちょっとイラつく。だってこのおやじミルズ(リーアム・ニーソン)娘キムをかまいすぎ。ガードすることになった女性歌手に「歌手志望の娘にアドバイスを・・」なんて・・見ているこっちが恥ずかしくなった。でも娘の誕生日プレゼントを買う時の慎重ぶりは・・その気持ちわかる。いえ、娘への気持ちじゃなくて買う時の心がまえのことですけど。一見しょぼくれたダメおやじ・・実は元工作員。元同僚とのつながりもいい。男だけで飲んだり仕事世話し合ったり。現役時代はさぞハードだっただろうが、そのおかげで年金とかで暮らしには困らないのではないか。ヒマつぶしにボディガードやったりするくらいで。そのうちの一人サム役リーランド・オーサーは「ボーン・コレクター」や「ツイステッド」でおなじみ。もっと出番あるかと思ったが、ミルズが一人で突っ走る。キムが誘拐された!助けなくては!そのためにはどんな手も使う!ダメおやじがスーパーおやじに変身だいッ!!ストーリーはメチャクチャである。一番ひどいのはフランス人の旧友ジャン・クロードとのあれこれ。今はデスク職の彼はミルズの行動を迷惑がって帰国させようとする。飛行機のチケットを用意したから帰れと言われてはいそうですかと帰る親がどこにいるかっての!ミルズがまたムチャなことするんですわ。何の関係もないジャン・クロードの奥さん撃ってケガさせる。いくら娘助けたいからってアナタ・・。この奥さん今はダンナがちゃんと夕食に間に合うよう帰ってくる・・と喜んでいるの。昔はいつ帰ってくるかわからない毎日。ミルズなんかそのせいで妻(ファムケ・ヤンセン)と離婚するはめに。でもねえ・・きちんと5時に帰ってこれるということは、本当はやらなくちゃいけない仕事をやらずにすませているってことでもある。それこそ誘拐されたキムを捜す代わりにミルズを国外に追っ払って一件落着・・みたいな。何だかそれがすごく心に残った。だからミルズがやるしかない、誰も当てにできない。それにしてもキムも友人も呆れるくらいバカで無防備。人生ってもっと危険なものだと思うけど。DVDが出たらまたじっくりミルズの行動見よう。生きていく上で参考になりそうだ。それにしてもニーソンはこんなすごいアクションもちゃんとこなせるんだ。ホント偉いなあ・・。
96時間/リベンジ
日本でつけた題名のせいで、96時間となってるけど、内容には全く関係なし。リベンジも、ミルズ(リーアム・ニーソン)にとってではなく、相手にとって。何しろ前回娘キム(マギー・グレイス)を救うため人を殺しまくり。冒頭のシーンで、その連中にも親がいて妻子がいて親戚・友人がいて・・ってわかるけど、そのせいで気分的に乗れない。こういうのを描いちゃうと、リアルさは増すけど。残された連中がミルズを倒して復讐だ!となるのはわかるけど、共感はできない。殺された連中のやっていた人身売買は追及されない。殺された理由は関係ない。殺されたことが許せないのだ。犠牲になった女性達のことなんかどうでもいいのだ。彼女達にだって家族はいるのに。みんな苦しんでいるのに。今回ミルズはイスタンブールでキムや元妻レニー(ファムケ・ヤンセン)と楽しく過ごすつもりがとんでもないことに。今度は彼とレニーが拉致され、キムが大奮闘する。ラストで、ミルズは敵のボスにこれ以上続けるのはやめようと提案するが、拒否される。立場が逆だったら・・キムやレニーを殺されていたら・・彼だって拒否しただろう。かくして殺し合いは続くのだ。「3」も作られるようだし。作りはかなり雑。ミルズ達三人がしっかりしているので何とか見ていられるけど。レニーは再婚相手とうまくいっていない。そりゃあ前回のキムの件でミルズ株は急上昇しただろうからね。ミルズの娘べったりは相変わらず。自分では異常だと思ってないから始末が悪い。せっかくできた恋人ジェイミーともいつまで続くか。一方ジャン・クロードは何やら拷問されてたようだが、ミルズの情報?喜んで教えるとも!何たってあいつは妻を傷つけた憎いやつ!手を貸しましょ!となるのでは?あのあとどうなったか不明(気の毒に)。ホテル襲撃も説明不足。メイドの描写も意味がわからん。アクションシーンはまともな描写ゼロ。切って切って切ってつなげてつなげてつなげて~♪たまげたことに自分とレニーを救出させるため、キムに手榴弾投げさせる。警官も敵と見るやさっさと撃ち殺す。今回も死体の山。見てる方はもう妻子はどうでもいいからそろそろCIA仲間活躍させて・・と思う。せっかく(異常者じゃない・・エイリアンに寄生されていない)リーランド・オーサーが出てるのに・・もったいない。
96時間/レクイエム
シリーズはこれで終わりか。まあいくら元妻のため娘のためとは言え、まわりに被害出しすぎ。しかも彼ミルズのすごいところは、どんなに被害出そうが何とも思ってないこと。彼の目には妻子のことしかうつらない。そんな彼に共感しろったって無理でーす。今日も今日とて数日後に迫った娘キムの誕生日プレゼントとして、バカでかいパンダのぬいぐるみを買う。オエ~ッ、見ている客はここでドン引きする。まあ何てすてきなパパ・・なんて決して思わない。一方キムは予定外の妊娠に落ち込む。レニーは夫スチュアート(ダグレイ・スコット)への気持ちがさめ、またミルズと一緒になりたい。でもスチュアートには別れる気がないらしい。そのレニーが殺され、ミルズが犯人にされてしまう。彼は逃亡し、自分で犯人を捜すことにする。それだけレニーを愛していたのね・・なんて誰も思わない。また暴走し始めたぞこのオッサンと思うだけ。捜査を指揮するのはドッツラー警部(フォレスト・ウィテカー)。彼は有能で、公平な見方のできる人。たぶん見ている人全員ミルズはドッツラーと協力すべき・・と思ったことだろう。ドッツラーはすぐにミルズははめられたのだと思い始める。ただ、どうしても捜査には手順・ルールがあるから、ミルズみたいに暴走するわけにはいかない。部下だって彼みたいに有能でも頭が柔軟でもない。さて、私は久しぶりにスコットを見ることができてうれしかった。出ているとは知らなかったし。妻をなくして悲しんでいるのに、キムからは冷たい目で見られてかわいそうに。でもそのうち・・。冒頭の殺された会計士はもしかして彼の会社の?マランコフがかけた電話の相手は彼?彼はマランコフに借金をしているの?生命保険金で借金を返そうと妻を殺し、罪をミルズになすりつけた?ミルズにはレニーを殺したのはマランコフとウソを言い、彼にマランコフを殺させようとした?あらま、今回は悪役ですか。それにしても・・保険金があんなに早く下りるわけないでしょ。警察がちょっと調べりゃスチュアートの会社は経営が火の車で、会計士が殺されたばかりなのもわかるはず。怪しいのはミルズよりスチュアートの方・・となるはず。この映画の評判の悪さは、そういう穴ぼこだらけの展開にある。あと、撃たれたサムはどうなったのだろう。何で不明のまま終わるのかいな。今回のミルズはドアに鍵をかけないとか、レニーがスカーフ忘れていったのに気づかないなど、用心深さが今いちでしたな。