オックスフォードミステリー ルイス警部
ルイス警部5の1 遠い日の悲しい出来事
久しぶりのルイス。ポケッとしているうちに三年以上間があいてしまった。ハサウェイ役ローレンス・フォックスがミュージシャンに・・なんていう記事を見て心配してたけど、ちゃんと俳優やってるようで一安心。今回のハサウェイも、出てきた時から胸キュン。一人でボート漕いで、どうやら禁煙に取り組んでいるらしい。ふとタバコを出して気がついてやめてたけど、禁煙するならタバコなんか持ち歩かないだろうが!もちろん禁煙はあえなく断念。徹夜するシーンがあるけど、一人でいるならお伴はやはりタバコ・・となる。さて、オックスフォード最後の女子校マチルダ・カレッジ。今夜は同窓会らしいが、30年ここにいて、このほどプリンストン大学へ赴任することになったエラビー教授の功績をたたえる会でもある。また、来年からは男子学生も受け入れるとか。給仕のバイトをしていたサマンサが見つけたのが大学の職員ポピーの死体。ローラの見立てでは首の骨が折れているが、後で鈍器で頭を殴られ、階段を落ちたのだとわかる。スーパーで買い物をしているルイスの前にハサウェイが現われる。マチルダ・カレッジと知ってなぜか複雑な表情のルイス。10年前、クロエという15歳の少女の事件でここへ来たことがある。しかし捜査二日目に彼の妻の死があり、捜査をはずれた。クロエは今も昏睡状態。犯人とされるジャッドの行方はわからないものの、事件は解決ずみということになっている。しかしルイスには違和感がある。後悔もある。病院へ行ってみると、クロエの姉ルースがそばにいた。彼女は薬剤師で、朝晩妹に話しかけている。クロエには聞こえていると信じて。ポピーの評判は悪い。口うるさいとか陰湿とか。在学中の成績も悪かった。今回は女子校が舞台なので、在校生、卒業生、職員みんな女性である。守衛まで女性なのにはちょっとびっくり。ぞろぞろ出てくるのでわかりにくいが、エラビー役の人はいかにもな顔立ちをしているので、見ている人は彼女が・・と思うのでは?演じているジュリエット・スティーヴンソンはどこかで見たような・・。「ミス・マープル」の「無実はさいなむ」に出ていた人だな。ハサウェイはルイスに「今の事件に集中すべきでは?」と忠告するんだけど、ルイスは聞かない。10年前と同じメンバーが集まっていて、同じ場所で事件が起きた。
遠い日の悲しい出来事2
ルイスは昔の同僚アリを訪ねる。ルイスがはずれた後、彼女とケリソン警部が事件を担当したのだが、その彼女も犯人はジャッドで間違いないと断言。彼女は五年前に辞職し、別の仕事をしている。さて、このエピソードではめったにないことが起きる。クロエが昏睡から覚めるのである。目が覚めたとたん「殺人」と口走るが、後でルイスに聞かれても何も思い出せない。もちろん見ている我々は、ジャッドが殺されたのをクロエが見たのだと思う。あれこれあるのだが、順番通り書くのは難しいので、はっきりしていることから書く。一番はっきりしているのは、ハサウェイがいいやつだということだ!ルイスが帰った後、彼はクロエ事件の資料である大量の写真を整理する。仮装パーティなので、みんな仮面をつけている。時刻の入っていないものは、飲み物の減り具合等から推測し、時間経過ごとに並べる。気の遠くなるような作業だがハサウェイは徹夜してやり遂げる。その代わり禁煙はやり遂げられなかったけど。こんな面倒なこと、モースなら思いついたとしても自分ではやらずルイスに押しつけるだろう。ルイスはこの方法は思いつかないだろう。ハサウェイは思いつくと黙って取りかかる。朝になってルイスが来て、その後アリのところへ行くので、ハサウェイはそのまま日勤ということになる。若いからできるんだよな、そんな無理。髪が少しくしゃくしゃになっていたのが胸キュン。彼はアリのところでもエラビーのところでも・・と言うのもエラビーはポピーと同居していたからだが・・決してでしゃばらず、控えめ。自分がいない方がいい時というのを心得ていて、すっと姿を消し、別の仕事をする。モースみたいに他人に押しつけておいて自分はサボるということはしない。見ていてハサウェイには清涼感がある。少々タバコ臭いかもしれないが・・。逆にドロドロな邪悪さがあらわになったのがポピー。ロッカーから見つかった卒業アルバムは、成功した同期生への悪意、嫉妬心で汚され、彼女達を陥れる匿名の手紙を出していたこともわかった。フレヤはトリビューン紙の編集長になれなかったし、ラクシュミは離婚し子供を奪われた。さて、ルースは当時ジャッドと付き合っていたが、ジャッドのルームメイトで元カレのエディには警告されていたようだ。どうやらエディはルースに振られた後も密かに彼女を思い続けているようで。
遠い日の悲しい出来事3
ジャッドは相当なワルで、仮装パーティではクロエにちょっかいを出し、ルースとケンカ。そうやって目を離しているうちにクロエの事件が起きたわけで、ルースは自分をずっと責めている。しかしジャッドはエラビー、フレヤ、ラクシュミとも関係を持っており、結局犯人はエラビー。ジャッドの死体の始末はポピーがしたが、偶然車を目撃したのが娼婦のニコラ。彼女は薬物所持でアリにつかまった時、その話をして目こぼししてもらった。アリはその情報を温めていて、仕事がうまくいかず資金難になるとポピーをゆすり始める。アリはルイスと飲みに行って、大いに気のあるそぶりを見せたけど、あれって捜査状況を知りたかったのかね。サマンサが殺され、今度はアリが殺され、ルイスはきのうの今日なのでショックを受ける。彼女の事務室にはクロエ事件の捜査資料が・・。警官をやめたとは言え、ルイスには解決ずみと断言したとは言え、まだ彼女なりに調べていたのかと最初は感心したけど、違うのね。ゆするためなのね。とは言えポピーはジャッドを殺したわけじゃない。殺したのはエラビーなのだから、お金は彼女から出るんじゃないの?いくらエラビーに心酔しているとは言え、ポピーが金を払うか?と言うか、払えるか?今回はいつの間にか10年前の事件の方がメインになって、なぜポピーが殺されたのかは、はっきりしなくなってる。エラビーは焼身自殺をするけど、なぜジャッドを殺したのかは言っても、ポピーの方はほとんど言わない。「このままじゃ安心できない」というだけじゃ動機として弱すぎる。ゆすられて困ったポピーがアリに自分のことをしゃべってしまったとか、そういう、どうしても二人を殺さなきゃならなかったという流れにすれば、説得力も増したのに。ジャッドとの関係はフレヤもラクシュミもうすうすは知ってるけど、彼女達も関係持っていたんだし、自分の方から警察にしゃべるとは思えないと思っていたのか。ポピーがジャッドと関係していたかどうかははっきりしない。サマンサを殺したのは自分の姿を見られたかもしれないからだが、余計なことをしたなという感じ。てなわけで現在の事件の方はモヤモヤのまま。寮での盗難事件も何だったんだろう。あの少年が犯人?でもいいんです。モヤモヤも晴れる後味のいいラストなので。ルースの前に花束を持ったエディが現われる。ルースの表情が驚きからうれしさに変わる。お膳立てをしたのはハサウェイ。いやホント何ていいやつなんだ!!
ルイス警部5の2 野蛮な正義
今となっては言い訳だけど、1の1から順番に感想書こうとチャレンジしたこともあったのよ。ところが1の4で早くもつまずいちゃった。何だこりゃ~何がどうなってるんだ~じぇんじぇんわからん~全面降伏・・ってね。今回のもそうだな。ラストに近づくにつれてだんだんまとまっていくんじゃなくて、収拾がつかなくなっていく。もうそうなるとハサウェイの、のほほ~んとした馬面見て癒されてるより他ない。とは言え彼には彼の悩みがあるんだろうな。登場した早々早期退職者優遇の告知なんか見ていて、ドキッとさせられる。聖ジェラーズ・ホールで、異教徒との交流とやらが行なわれている。女性司教のパーソンズがワインで毒殺されるけど、後で人違いだったらしいことがわかる。パーソンズと一緒にいた托鉢僧は、ずっと後になってブラックモアだったとわかるが、犯人は彼じゃない。副理事マンチーニが引退するので、後任を選ぶ選挙があるけど、立候補しているのはブラックモア、神学教授のピノック、上級講師のホープ、湖水地方へ行ったまま戻ってこないスウェインの四人。スウェインはそのうち餓死させられているのが見つかる。私はこのスウェインと、元警部でクッションで窒息死させられたウィンターの区別がつかなくて。ホープは10歳の頃事件を起こし、捜査を担当したのがウィンター。ホープの過去を知っているマンチーニは、立候補を辞退するよう迫るが、ホープは拒否。彼女は元犯罪者のアルと同棲しているが、過去のことは秘密にしている。彼女は過去がばれても10歳だったから・・と、わびるそぶりもなかったな。例のワインはウィンターに届けられるはずだった。パーソンズは人違いで殺されたのだ。他にピノックの息子ベンも殺される。ホープが起こした事件の被害者の遺族であるフィリックスが犯人だが、出てきた時からうさんくさい。彼は殺人は全部ホープの仕業ということにし、自殺に見せかけて殺すつもりだったが、寸前で阻止される。本当に憎いのなら回りくどいことせず直接ホープを殺せばいいのに、無関係な人々を殺める。バッカじゃないの?今回印象に残るのは・・ハサウェイは本をよく読んでいるなということ。シェークスピアなどの古典、哲学書、詩、アルの著書まで。結局副理事にはホープが選ばれたようだが、(フィリックスによって)過去が暴かれるのは避けられないぞ。
ルイス警部5の3 心の闇
ガンザ教授のもとで抗鬱剤の治験が行なわれている。治験者は学生のアダムとエイミー、労働者のカレンとジャック、犬の散歩業者ショーナ、元軍人デインの六人。ガンザの助手は院生のベサン。この薬はアメリカではすでに効果が実証されており、こちらでも成功すればプラウデン製薬からケタレックスという名称で発売され、ガンザは大金持ちになれるだろう。六人の様子はベサンによって録画されている。ある日エイミーが墜落死。彼女は兄が戦死して以来、重度の鬱病だった。彼女はアダムにつきまとわれていたが、彼女自身はガンザに恋していた。彼女の父キャッツは、娘の死はガンザのせいと恨む。ジャックはエイミーに気があり、カレンはエイミーに嫉妬していた。デインはエイミーの兄とは無関係だが、同じ軍人ということでエイミーには慰めになったらしい。ショーナは中年女性で、他の五人とは距離を置いている。そのうちアダムが薬の大量摂取で死ぬ。カレンとジャックは自分達の分をアダムに売っていたらしい。ただ、後でわかるが二人の分とアダムの分を足しても摂取量には足りなかった。誰かが薬を渡したのだ。ルイスは妻をなくした時の経験から、精神科医には不信感を持っている。ガンザの言動が気に入らない。彼には六年前患者と不適切な関係になったと苦情が出ていたが、表沙汰にはならずじまい。と言うのもその患者が今の妻クレアなのだ。これにはルイスも拍子抜け。・・とここまで書いて力尽きたのか中断。今回見直して最後まで書き終えます!・・治験者達は途中で退場、べサンが前面に出てくる。彼女はド・クレランボー症候群とやらで、ガンザに執着している。ガンザが彼女の病気と今回の事件を結びつけないのはいくら何でもおかしい。彼は結局クビになり、クレアはべサンのせいで昏睡状態に。目の覚める確率はゼロに近いというあんまりな結末なのは後味が悪い。ガンザ役ダグラス・ヘンシュオールは「プライミーバル」に出ていた人。あれは変てこな内容だったな。さっぱりおもしろくないんで途中で見るのやめちゃったけど。
ルイス警部5の4 誰がメアリーを殺した?
5の3はそれでも途中まで感想書いたけど、こっちはメモを取っただけでほったらかし。見ていてもあんたらいったい何してんの?って感じでうんざり。ゾーイは15歳だが、いわゆる神童で、大学でヴォス博士の指導を受けている。彼女には同じゼミのエルモという友達がいるが、彼は年上のアンドレアに熱をあげている。アンドレアは”神童の会”の創設者で、そこの奨学金をゾーイが受けることになったが、彼女には金がなく、出版社やってるゾーイの父レオンが資金出してる。これじゃ娘かわいさのあまりのインチキみたいだが。さて、元MI5のグレースが本を出したが、その本がレオン宛てに送られてくる。それには”誰がメアリーを殺した?”と書かれた手紙がはさまれていた。レオンの妻ジュディスには何か秘密があるらしい。ゾーイは母親がパブをやってるカレンと浮気しているのではないかと悩む。レオンがパブへ押しかけてカレンを殴ったりする。アンドレアが殺され、次にエルモが死ぬ。見ていても何が何だかさっぱりわからないが、ヴォスがゾーイを見る目つきや、ペンダントを贈ったりするので、彼がゾーイの父親なのでは?と思える。そのうちヴォスが入院する。どうやらヒ素を盛られたらしい。その前に彼が飲むはずだったコーヒーを飲んだハサウェイが具合が悪くなったりする。今回のハサウェイのキャラはちょっとヘンだ。まとまりがないと言うか。いちおう彼にはMI5からスカウトされたという衝撃の過去が!きっとコートが似合うからだろう。スパイにはコートがつきもの。Tシャツなんてとんでもない(何のこっちゃ)!怪しく描かれるのはグレースの・・と言うか、彼女の夫付きの運転手ロニー。でも結局彼は・・グレースの浮気相手?そのうちレオンが殺されるが、ヒ素中毒で入院中のヴォスが怪しいということになる。彼の正体はIRAの指導者だったコクランで、IRA支持者のメアリーと愛し合うようになるが、グレースの工作で内通者となる。表向きにはコクランがメアリーを殺したことになっているが、実は二人とも脱出。ヴォスに毒を盛ったのはメアリーの叔母で、大学のカフェで働いているノーマン。ラストでノーマンはジュディスことメアリーに対面する。それにしても・・アンドレアは何を考えてたんだ?ゾーイは結局レオンの娘?見終わってもわからないことだらけ。エルモ役のコはちょっとマーク・ウォールバーグ似。身が軽く、パルクールやってるという設定。