コピーキャット
これは何度か見ている。ノベライズも読み返した。ネットでの批評見ると、「羊たちの沈黙」より出来は劣るみたいな書き方されていて。私自身はこっちの方が好みだけど。犯罪心理学者のヘレン(シガニー・ウィーバー)は大学での講演の直後、連続殺人鬼ダリル(ハリー・コニック・ジュニア)に襲われる。命は助かったものの、これがトラウマとなってもう13ヶ月も外へ出られないでいる。ここサンフランシスコでは連続して殺人が起きているが、刑事のMJ(ホリー・ハンター)とルーベン(ダーモット・マルロニー)は手がかりがつかめずにいる。ヘレンが電話をかけてきても最初のうちは取り合わないが、それだと映画にならないので、協力してもらうこととなる。ヘレンは表には立ちたくないが、分析を始めれば生き生きとしてくる。どうやら犯人は過去の殺人鬼を模倣しているらしい。ダリルにしろ犯人にしろ興味の対象はヘレン。自分のことわかってくれている。したがって彼女には魔の手が伸びてくる。それと同時にこの映画で比重かかってるのは(「羊たち」でも描かれていたが)、女性が男性に伍して生きていくことの困難さ。MJは困難な事件を担当し、解決へ導かなければならない。その点ではテレビ局のレポーター、スーザンも同様。MJは彼女を嫌っているが、立場は同じ。できません、いやですと言えない立場。言ったが最後仕事は別の人に回され、自分には声がかからなくなる。最初のうちはハンターの演技はぎこちなく思える。ヘレンに取り入るため目をパッチリさせ、不自然な笑みを浮かべる。ヘレンはヘレンで、ハンサムで性格のいいルーベンに興味示されるとまんざらでもない。二人とも必要とあらば女性らしさを強調するのだ。映画でははっきりしないこと、省略されていることもノベライズには書いてある。ダリルや今度の犯人ピーターの悲惨な過去。MJと同僚ニコ(ウィル・パットン)との不倫。ニコの離婚は成立したが、MJにはもう関係ない。ニコが浮気した時点で二人の関係は終わったのだ。彼はMJに未練があって、ルーベンとの仲を疑っている。ルーベンはどの女性にも好意持たれるやさしい性格。でも同性には嫌われるんだよな。途中、ニコのうっかりミスのせいでルーベンは命を落とす。最初に見た時はびっくりしたな。映画は模倣犯ピーターをあっさり見せる。と言うかよく見れば最初の講演の場面ですでに・・。彼は年上の女性と結婚しているが、最初見た時は私を含めみんな妻ではなく、母親だと思っただろうな。謎解きのおもしろさはさほどないけど、だんだん強くなる女性二人の友情、連帯感はいいと思うよ。