MEMORIA メモリア

MEMORIA メモリア

これは2時間以上あるし、新聞の紹介記事ではアレだしで、覚悟した上で見始めた。映画を見ていてもわからないが、ジェシカ(ティルダ・スウィントン)はスコットランドからコロンビアへ来ていて、農園を経営しているのだそうな。でも農園で仕事しているところは全く出てこない。あんなにほったらかしていて大丈夫なの?彼女はある時からバン!という衝撃音が聞こえ始め、そのうち夜も眠れなくなる。他の人には聞こえておらず彼女だけ。部屋の中だけでなく外にいても聞こえる。音響技師のエルナンという青年に頼んで音を再現してもらう。このエルナンは彼女に好意を持ったようだが、ある日ジェシカが訪ねるとそんな人はいないと言われてしまう。そのうち医師に見てもらうが、わかってもらえたとは思えない。無理に頼んで薬を処方してもらったけど、飲む気になれない。ずっと音を聞いているうちに、それ自体はそれほどいやにも思えなくなってきた。診察の後、川のあたりにいたら中年男が声をかけてきた。名前はこれまたエルナン。彼は石に刻まれた物語が聞こえるという変わった男で、テレビも映画も見ないと言う。”俺たちは夢を見ない”となぜか複数で言う。見ている方は最初は心理的なもの・・例えば夫をくしたとか、違う土地で違う仕事をするはめになったとか、そういうのが音の原因か・・と思う。あるいはカビとか未知の菌類による感染が原因か。今は彼女だけだけどそのうち他の人にも症状が・・とか。それがここに来て宇宙的なものに広がりそうな予感。中年エルナンは宇宙人とか。眠る時目を開けてるし、呼吸していないみたいだし。この後こざっぱりとした中年エルナンの家へ移って、最終的にはUFOが・・あれぇ~シャマラン映画になっちゃったぞ何と言うか映画全体が睡眠導入剤みたいな感じ。さぞ映画館では気持ちよく眠れたことだろう!間違って静止ボタン押しちゃったかしらと思うほど動きのないシーンが多いが、ジェシカが静止しているってことは相手の青年エルナンも中年エルナンも静止しているってことで、さぞ大変だったことだろう。結局あの音は宇宙船が飛び立つ時の音で、中年エルナンが聞いたのをジェシカがアンテナみたいに受信したと・・そういうことらしい。ラストもフィルムが余ったからそこらの空や景色うつしとけみたいな感じで、何とも消化不良(嫌いじゃないけど)。