私が愛した大統領

私が愛した大統領

これはコメディーかなと思って見始めたんだけど違った。あまり笑いどころもなく、ドロドロした世界を変にお行儀よく描いたという感じ。「ドライビング Miss デイジー」みたいな路線狙っているんだと思う。最後まで見たのはサミュエル・ウェストが出ているから。デイジー(ローラ・リニー)はおばの世話をしている。結婚もせず平凡な日々を送る内気な女性。ある日いとこのルーズベルト(ビル・マーレイ)の世話を頼まれ、何年ぶりかで再会。お互い好意を抱き、彼女は愛人のような関係に。ヨーロッパではナチスがたい頭し、戦争が始まりそうな気運。英国王ジョージ6世(ウェスト)が夫人エリザベスと共にアメリカを訪問するのは、協力を取り付けるため。しかしデイジーにはそんなことはどうでもいい。歓迎の晩餐会が早く終わってルーズベルトと二人きりになりたい。ところが彼は秘書のミッシーと密会していた。それだけでもショックなのに、ミッシーから他にも何人か愛人がいると聞かされる。ルーズベルトについては歴史の教科書やテレビのドキュメンタリーでちらりと見る程度で、詳しいことは知らない。何でもデイジーは99歳まで生き、死後日記や手紙が発見されて秘密が明らかになったのだそうで。女性は常に”オンリー・ワン”を望むが、男性にとっては”ワン・オブ・ゼム”でしかない。がまんやあきらめを強いられるのはいつも女性の方。デイジーも当然怒り、悲しむわけだが、しばらくたつとまた彼が恋しくなる。ルーズベルトの方も、騒ぎ立てたりマスコミにばらすようなことはするまい、そのうち戻ってくると思っている。そしてその通りになる。奥さんエレノア役はオリヴィア・ウィリアムズ。ネットで調べるとエレノアは夫の浮気を知りながら離婚もせず、政治活動に協力していたようで。自分は自分で愛人作っていたようで。さて、ウェストだけど変に太ってもいないし、髪が薄くなってもいない。ヒゲがないので顔が全部見られてうれしい!こういう高貴な存在やるのには彼はうってつけ。端正で気品があって繊細で。奥さんが何かと言うと兄のエドワード8世のこと持ち出して、ジョージ6世を苦しめる。ホント、この奥さんダンナを追いつめて若死にさせようと企んでいるとしか思えない。